リベルサスはメトホルミン併用が可能?その相乗効果と注意点とは?

リベルサスとメトホルミンはどちらも糖尿病治療薬ですが、その能力はメディカルダイエットの世界でも発揮されています。
リベルサスとメトホルミンの併用にはどんな効果があるのか、他にも併用すると効果のあるものはあるのか、リベルサスの効き目をさらに高める治療薬やサプリメントなど、服用時の注意点などと共に解説します。
リベルサスとメトホルミンの併用が気になっている方、今リベルサスを飲んでいるけれど、もう一つ上の段階を目指したい方など、是非ご参考ください。
目次
リベルサスとメトホルミン併用時の効果とは
リベルサスとメトホルミンは、どちらもダイエットに有効な薬ですが、アプローチの仕方が違うことで併用が可能であり、違うからこそ相乗効果が得られるといえるでしょう。
それぞれの特徴を知り、メカニズムを理解した上で服用に臨みましょう。
リベルサスとは
リベルサスは、2型糖尿病の治療薬として使用されている、世界初であり唯一の、経口投与できるGLP-1受容体作動薬です。
私たちの身体の中には元々、血糖値を下げるインスリンの分泌を促進するために、膵臓に働きかけるGLP-1というホルモンがあります。
その働きが低下する2型糖尿病患者に対して、GLP-1を外から補う薬がGLP-1受容体作動薬です。
GLP-1受容体作動薬は今まで6種類の注射薬がありましたが、そのうちの1つである、最も体重減少効果が高いといわれているオゼンピックを、経口服用できるようにしたものがリベルサスです。
リベルサスのダイエット効果は以下の通りです。
- 胃腸の働きをコントロールし、食欲を抑える
- インスリンの分泌を促し、糖分を消費しやすくする
- 褐色脂肪細胞に働きかけ、脂肪を燃焼しやすくする
このように、複数のアプローチによる体重減少の効果があるので、リベルサスはダイエットピルとして注目を集めています。
メトホルミンとは
メトホルミンはリベルサスと同じく2型糖尿病の治療薬ですが、米国糖尿病診療ガイドライン2023において、第一選択薬として推奨されています。
引用元:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36507647/
そして以下のようなメトホルミンの効果が、ダイエット治療に活かされています。
- ブドウ糖が肝臓から新しく作り出されるのを抑えて血糖値を下げる
- 脂肪肝を改善する
- 筋肉や肝臓などの糖の取り込みを促進する
- 消化管での糖の吸収を抑制する
2型糖尿病の第一選択薬として推奨されている理由として、メトホルミン単独での服用では低血糖を起こしにくいこと、その有効性や安全性、そしてコストパフォーマンスもその評価に含まれています。
リベルサスとメトホルミンの併用は相性がいい
リベルサスとメトホルミンを併用する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
効果を補い合える
様々な角度からのアプローチで体重を減少させるリベルサスですが、メトホルミンのダイエットにおける効果は、リベルサスにはないものです。
糖とは身体を老化させるなど、様々な影響を及ぼすものですが、メトホルミンは消化管、特に腸からの糖の吸収を抑え、筋肉などでの糖分利用を促進するので、アンチエイジングの効果や美肌効果なども見込めるといわれています。
メトホルミンのダイエット効果は緩やかですが、リベルサスと併用することで体重減少の底上げができるうえ、見た目の美しさにも貢献する作用が期待できます。
飲み方や量を上手く調整できる組み合わせ
リベルサスは飲み方に注意が必要な治療薬で、指示に従って服用しないと効果が出ない可能性があります。
1日1錠で、上限は14mg、服用に必要な水は120ml以下と少な目で、起床時などの空腹時に服用します。
水以外、お茶や服薬ゼリーなどでの服用も効果を損ねる可能性があり、服用後は30分~1時間以上は飲食を控えなければいけません。
その点、メトホルミンは1日2~3回服用しますが、食前か食後のどちらでも構いませんし、服薬ゼリーなどの使用も可能です。
飲み忘れた場合はそのままでよく、次の回に多く飲む必要もありません。
1日の服用の上限についても、メトホルミンは750~1,500mgが一般的ですが、場合によっては最高2,250mgまで投与が可能で、広範囲での微調整が可能です。
取り扱いが難しいリベルサスと、それに対して気軽に服用できるメトホルミンは、患者さんにとって続けやすい、最適なタイミングで服用できる組み合わせといえます。
コストパフォーマンスの維持が可能
リベルサスは1日1錠を30日間服用すると、以下のような費用になります。
- 3mg:1万円~2万円
- 7mg:2万円~2万5千円
- 14mg:3万円~4万円
目指す体重に到達するまで数ヶ月はかかるリベルサスですから、費用も高額になりがちですが、それに比べてメトホルミンは250mgの薬価がおよそ10円、もし1日2,250mgの服用でリベルサスと併用してダイエットに臨むとしても、ひと月2,700円程度で減量の底上げが期待できるということになります。
リベルサスで結果が伸び悩んだ時、メトホルミンはサポートに選びやすい薬といえます。
リベルサスとメトホルミンを併用する際の注意点
リベルサスとメトホルミンを併用する場合、以下のようなポイントに注意して服用しましょう。
それぞれに副作用がある
飲み合わせに問題がある訳ではありませんが、リベルサスとメトホルミンのどちらにも、副作用があります。
リベルサスの副作用は、吐き気や下痢・便秘などの胃腸障害で、2週間ほどの服用で身体が慣れてくると症状が軽くなる場合があります。
重篤な副作用としては、低血糖症状が稀にあります。
一方メトホルミンの副作用は、リベルサスと同様の吐き気や下痢・お腹の張りなどの胃腸障害の他に、湿疹や痒みなどがあります。
しかしメトホルミンは用量の微調整が可能で、減らしたり止めたりすることで症状はすぐに治まるので、様子を見ながら増減することになります。
重篤な副作用としては、乳酸アシドーシスがありますが、こちらも極めて稀です。
処方した医師と相談しながら調整していくことになりますので、服用を続けて様子を見たり、症状によって直ちに止めたりなど、しっかり指示に従うことが大切です。
両方の薬の禁忌を理解する
薬を併用する場合は、副作用の他に、両方の薬の禁忌も理解しておく必要があります。
処方できない条件はそれぞれありますが、例えばリベルサスの場合は、糖尿病の治療薬とはいえ、1型糖尿病に罹っている患者さんには処方できません。
他にも、メトホルミンの服用中、CT検査で使用するヨード造影剤が使用できない場合があるので、万が一の場合は、メトホルミンを服用していることを前もって伝えておかなければいけません。
メトホルミン服用中の過度なアルコール摂取についても、乳酸アシドーシスのリスクが高まるとされています。
妊娠中または授乳中の方は、リベルサスもメトホルミンも処方することができません。
他にも処方できない条件がいくつかありますので、受診時の医師の診断についてはしっかりと理解を深めましょう。
入手は正規ルートで
リベルサスもメトホルミンも、本来であれば医師の診察を受けて初めて処方される医療用医薬品です。
近年、インターネット通販や個人輸入など、費用が安く設定され受診も必要がないという、手軽な入手方法が増えてきています。
しかし、患者さんそれぞれの体質に合っているか、飲み始めて異常が見られた場合に対応できるか、有効成分以外の正体の分からない成分が入っていないか、本物なのかなど、入手経路がしっかりしていないと、効き目以外の余計な不安を抱えることになります。
受診に対して二の足を踏んでしまう方は、今ではオンライン診療も選べるクリニックが増えていますので、利用するのもいいでしょう。
信頼できるクリニックを選び、きちんと医師と対話して、安心と信頼を得た上で正規ルートから入手することが、自分の身と望む効果の両方を守ることに繋がります。
リベルサスとの併用が効果的なカナグル
メトホルミンの他に、使用禁忌薬はないとされているリベルサスと、組み合わせて使用すると効果的なダイエット治療薬の一例として、カナグルがあります。
しかし、GLP-1受容体作動薬であるリベルサスと、カナグルのようなSGLT2阻害薬を併用する際には注意が必要です。
カナグルは1日に240~400kcalの糖を排出するとされ、むくみが取れる、自然な体重減少が期待できるほかに、活性酵素も阻害するので、アンチエイジングや生活習慣病などに対しても効果があるといわれています。
リベルサスとカナグルを併用すると、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬の同時使用になり、血糖値を下げる効果が強まるとして、併用の際は低血糖を起こさないよう気を付けなければいけないとされています。
しかしカナグルは単体で服用すると空腹感が強くなる傾向があり、過食に走ってしまうケースも少なくなく、食欲を抑える効果が得られるリベルサスと併用することで、相乗効果を得ることが可能になります。
カナグルの効果についてはこちらもご参考ください。
→カナグルが痩せるのは何故?副作用や費用、注意点も合わせて詳しく紹介
医師によって処方され、調整しながら服用する場合であれば、注意の必要な飲み合わせでも、相性のいい服用方法となるでしょう。
まとめ
リベルサスとメトホルミン、リベルサスとカナグルなど、ダイエット治療薬の併用については、クリニックによって違いがあります。
そして、併用することでセット料金として割引ができるなど、費用対策でもサポートとなり得る場合があります。
リベルサスが気になる、リベルサスを服用中だけどあと少し効果を上げたいなど、迷っている方は是非、信頼できるクリニックに相談してみましょう。