ボトックス注射とたるみの関係は？副作用や改善について紹介

ボトックス注射は、たるみを発生させるといわれる一方で、特定の部位に関してはたるみを改善できる可能性があります。

年齢を重ねると生じるたるみは、老けた印象を与えるため改善させたい方が多い症状です。

この記事では、ボトックス注射とたるみの関係性について、どのような部位でたるみが生じ、反対に改善するのかを詳しく紹介します。

ボトックス注射を検討中でたるみが発生するのか気になる方、たるみを改善したいと考えている方は、ぜひご覧ください。

たるみとは

たるみは輪郭が崩れる状態を指し、原因は皮膚、筋肉、脂肪などが重力や加齢によって下がることです。

まずは、たるみについて詳しく紹介します。

たるみが生じる年齢

たるみが目立ち始める年齢は、一般的に30代後半から40代にかけてです。

30代を過ぎると肌内部のコラーゲンやエラスチンの生成が減少し、真皮層の弾力が低下します。

また、顔の筋肉を支える靭帯もゆるみやすくなり、皮下脂肪が下方向に移動することでフェイスラインが崩れて見えやすいです。

ただし、たるみの原因は加齢だけではなく、紫外線ダメージや極端なダイエット、睡眠不足、ストレスなど多岐にわたるため、生活習慣によっては30代前半でもたるむことがあります。

たるみの場所別原因

たるみは、部位によって原因や特徴が異なります。

皮膚のハリを支える要素や筋肉の衰え方、脂肪の下垂の程度などがそれぞれ影響し、複数の要因で進行します。

部位別の主な原因は以下の通りです。

たるみの原因は単一ではなく、皮膚、脂肪、筋肉それぞれの変化が関与しています。

さらに、生活習慣や表情癖もたるみを助長する要因となるため、注意が必要です。

ボトックス注射を受けると副作用でたるむことがある？

ボトックス注射は、筋肉の動きを一時的に抑えてシワを改善する治療ですが、注入方法によってはたるみが生じることがあるといわれています。

ここでは、ボトックス注射後に生じるたるみについて紹介します。

ボトックス注射とは

ボトックス注射とは、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質を利用し、筋肉の過剰な収縮を抑制する治療です。

主に、表情ジワ、エラ張りなどの改善を目的に行われ、筋肉の働きを一時的に弱めることで肌表面をなめらかに整えます。

施術時間は10～15分程度と短く、ダウンタイムも他の施術に比べると短いのが特徴です。

効果の持続期間は約3～6か月で、定期的に行うことで自然な状態を維持しやすいです。

美容目的以外にも、肩こりや歯ぎしりの治療にも応用されることがあります。

ボトックス注射を受けてたるみやすい方

ボトックス注射後にたるみが出やすいのは、主に皮膚のハリや弾力が低下している方、筋肉量が少ない方、骨格が細く脂肪が少ないタイプの方です。

もともと筋肉を支える力が弱い方がボトックス注射を行うと、下方向への重力をより強調してしまう場合があります。

また、過去に頻繁にボトックス注射を打ちすぎた場合にも、筋肉が過度に萎縮し皮膚が支えきれなくなるケースがあります。

リスクを避けるためには、施術前の診断やカウンセリングで、肌質や筋肉の状態を丁寧に確認し、適切な注入量を判断してくれる医師を見つけることが重要です。

たるみが出た場合の対処法

ボトックス注射後にたるみが出た場合は、一時的なたるみの可能性もあるため、まずは経過を見守ってみましょう。

また、ボトックスの効果は約3～6か月となるため、自然に薄れていき改善するケースがほとんどです。

ただし、気になる場合はハイフ（HIFU）や糸リフトなどほかの施術を受けることで改善する方法もあります。

日常生活では、紫外線対策や保湿対策を徹底し、肌の弾力を維持するよう心がけましょう。

再施術を検討する際は、口コミやクリニックのホームページなどから信頼できる医師であることを確認して相談することをおすすめします。

ボトックス注射で改善できるたるみもある

ボトックス注射でたるむことがある一方で、現在生じているたるみを改善できる可能性もあります。

ここからは、ボトックス注射で改善できる可能性があるたるみを紹介します。

首のたるみ

首のたるみは、年齢による皮膚の弾力低下と広頚筋の緊張が主な原因です。

広頚筋は顔の下部から首にかけて広がる筋肉で、加齢や姿勢の悪さによって収縮が強くなると、皮膚が引っ張られて縦ジワや横ジワが目立ちやすくなります。

ボトックス注射で広頚筋の筋肉の緊張を緩めると、なめらかな首のラインを整える効果が期待できます。

ただし、過剰に注入すると首の稼働域に影響を及ぼす可能性があるため、医師による慎重なデザインが不可欠です。

フェイスライン

フェイスラインのたるみは、咬筋や広頚筋などの筋肉の発達や緊張が関係しています。

特に、食いしばりのある人は咬筋が肥大しやすく、顔が下方向に引っ張られることで輪郭がもたついた印象になります。

ボトックスを適量注入すると、筋肉の緊張が和らぎフェイスラインをすっきり見せられる効果が期待されるのが特徴です。

エラ張りが気になる方にとっては、小顔効果も得られる場合があります。

また、あご下の広頚筋への注入は、しもぶくれのような印象を和らげる効果も期待されます。

ただし、骨格や筋肉のつき方によって個人差があるため、医師との相談が重要です。

ほうれい線

ほうれい線は、頬の脂肪の下垂によって生じるたるみのひとつです。

ボトックス注射だけでは深いたるみを完全に解消することは難しいですが、口角を下げる口角下制筋や鼻周辺の筋肉を緩めると、表情のバランスが整う可能性があります。

軽度のほうれい線であれば、ボトックス注射とヒアルロン酸注射を併用することで、より自然でふっくらとした口元を演出できます。

マリオネットライン

マリオネットラインは、口角からあごにかけて現れる深いシワで、口角下制筋や広頚筋の過剰な動きが主な原因です。

加齢により頬の脂肪が下がると、皮膚のたるみがこのラインに集まり、老けた印象を与えやすくなります。

ボトックス注射で口角下制筋の働きをやわらげると、口角が自然に上向きになり、マリオネットラインが目立ちにくくなります。

さらに、フェイスラインへの併用で下半顔全体を引き締める効果も期待できます。

ボトックス注射と他の治療の違い

たるみに効果がある治療は、ボトックス注射以外にも豊富なため、希望する仕上がりが難しい場合は他の治療を選択すると良いでしょう。

ここからは、ボトックス注射と他の治療の違いを紹介します。

ハイフ（HIFU）

ハイフは、高密度焦点式超音波を使用して、皮膚の深層部やSMAS層と呼ばれる筋膜層を熱エネルギーで収縮させて引き締める治療です。

メスを使用せずにリフトアップが叶いやすい点が特徴で、肌の土台からたるみを改善することを目的としています。

ボトックス注射は筋肉の動きを抑えて動的なたるみにアプローチしますが、ハイフは構造的なたるみを得意とする傾向です。

両者を併用すると、表情ジワや肌のゆるみを総合的に整えられる可能性があるため、併用も検討する方がいます。

糸リフト

糸リフトは、皮下に特殊な糸を挿入して物理的に肌を引き上げる治療です。

治療直後からフェイスラインや頬の引き上げ効果を感じやすい点が特徴で、リフトアップすると同時に肌内部に傷ができることで創傷治癒効果によってコラーゲンやエラスチンが生成される作用も期待されます。

ボトックス注射は筋肉の動きをゆるめて自然な表情を作るのに対し、糸リフトは物理的なリフトアップ効果を重視する治療である点が違いです。

たるみの程度や目的に応じて、ボトックス注射と糸リフトを組み合わせると相乗効果が期待できます。

特に、下顔面のもたつきやフェイスラインの崩れが気になる方は、併用がおすすめです。

ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸注射は、皮膚の下にヒアルロン酸を注入し、失われたボリュームを補うことで肌のハリを取り戻す治療です。

加齢によって頬やこめかみのボリュームが減少すると、顔全体が下がって見えやすくなりますが、ヒアルロン酸を補うことで輪郭を持ち上げ、たるみの印象を和らげます。

ボトックスが筋肉の動きを抑える機能的なアプローチであるのに対し、ヒアルロン酸は構造的な補填によるリフトアップが特徴です。

両者を併用することで、自然で立体的な若返り効果が期待できます。注入量や位置のバランスが重要で、医師のデザイン力によって仕上がりが左右されます。

まとめ

ボトックス注射は、正しい部位と量で行えばたるみを改善する効果が期待できる施術です。

ただし、過剰な注入や不適切なデザインは、かえってたるみや不自然な印象を生むこともあります。

たるみは、皮膚・筋肉・脂肪など複数の要因が関係しているため、総合的なアプローチが理想です。

ボトックスを単独で行うよりも、ハイフやヒアルロン酸注射などと組み合わせることで、より自然で若々しい印象を維持できます。

大切なのは、経験豊富な医師と相談し、自分の顔立ちや悩みに合わせた治療方針を選ぶことです。