コアトックスにデメリットはある?メリットや効果・持続期間も解説
シワや小顔治療に使われるボツリヌストキシン製剤の中でも、韓国製の「コアトックス」が注目を集めています。
アラガン社のボトックスとどう違うのか、効果やデメリットについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、コアトックスの基本情報からメリット・デメリットや注意点などを解説します。
コアトックスが向いているかわからない、効かなかったらと不安な方は、ぜひ参考にしてください。
目次
コアトックスとは?

コアトックスとは、韓国のMedytox社が開発したA型ボツリヌストキシン製剤です。
ボトックスと同様に筋肉の動きを抑制する働きがあり、表情ジワの改善や小顔、多汗症治療など幅広く活用されています。
製造工程でヒト血清アルブミンや動物由来物質を使用していないため、アレルギーや感染症のリスクが比較的低く、ナチュラル志向の方からも支持を集めています。
コアトックスの基本
コアトックスは、アラガン社のボトックスと同じく、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害することで筋肉の収縮を抑えます。
この作用により、眉間や額、目尻の表情ジワの改善や、エラ張りを和らげる小顔効果などが期待できます。
同成分を含むボツリヌストキシン製剤の中では比較的新しく、日本では医薬品医療機器等法上の未承認薬ですが、多くの美容クリニックで採用されている注目の製剤です。
アラガンとの違いは?
アラガン社のボトックスビスタは、現在日本で唯一厚生労働省の承認を受けたボツリヌストキシン製剤です。【承認番号:22100AMX00398000】
一方、コアトックスは未承認のため、医師の責任において輸入・使用されています。
| コアトックス | ボトックス | |
| 製造元 | 韓国 Medytox社 | アメリカ アラガン社 |
| ヒト血清アルブミン | 含まない | 含む |
| タンパク質 | 含まない | 含む |
| 抗体 | 抗体ができにくく、耐性が生じにくい | 免疫抗体が生じやすい |
| 日本での承認 | なし | 厚生労働省 |
| その他 | 韓国MFDS(韓国食品医薬安全処)承認 | アメリカFDA(米国食品医薬品局)承認 |
基本となる有効成分(A型ボツリヌストキシン)は同じですが、添加物の有無や抗体のつきやすさ、承認の有無などが異なり、どちらを選ぶかは個人の考え方にもよります。
アラガン社製ボトックスについては、以下の記事でも解説しています。
→エラボトックスの効果が出るのはいつから?注射後の経過と持続期間について解説
→ボトックス注射をすると笑顔がひきつる?不自然になる原因と失敗しないクリニックの選び方を解説!
コアトックスのメリット

コアトックスの特徴は、コストや添加物フリーな点などさまざまです。
ここでは、コアトックスの主なメリットについて解説します。
コスト重視で始めやすい
コアトックスは、クリニックにより異なりますが、アラガン社製ボトックスと比較すると約20〜40%ほど安価なことが多く、コストが抑えられる傾向があります。
部位により差はありますが、同部位へ継続的に施術を受けることを考えると、費用負担の少なさはメリットになるでしょう。
一般的に数か月ごとの継続施術が必要なため、長期視点でコストパフォーマンスが良いことは、重要なポイントです。
効果の出方が穏やか
コアトックスは効き方が穏やかで、表情がこわばるリスクが比較的低いとされています。
シワを消すというより、軽減して自然な印象に整えるイメージです。
効きすぎるのが心配な方や、周囲に気づかれたくない方に適しています。
添加物を使用していない
コアトックスは、製造過程においてヒト血清アルブミンや動物由来の成分を使用していない、無添加処方である点が特徴です。
アラガン社製ボトックスに含まれているヒト血清アルブミンはタンパク質を有していて、理論上はどんなタンパク質も抗原となり、過敏性反応を引き起こす可能性があるとされています。
(参照:「ボトックスビスタ注用50単位に係る医薬品リスク管理計画書」PMDA独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)
アレルギー体質の方や、感染症に敏感な方にとっては、コアトックスが無添加であることが安心材料になるでしょう。
コアトックスのデメリットと注意点

コアトックスにはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
ここでは、使用前に把握しておきたいデメリットや注意点を解説します。
効果が出にくい・効かないと感じる理由
コアトックスは効果の出方が比較的穏やかなため、効かないと感じる方もいるかもしれません。
ボツリヌストキシン製剤は、約2〜3日で効果が出始めて、約7〜14日で安定するのが一般的とされています。
しかし、コアトックスはやや遅れて効き始めるケースがあり、効果を実感するまで約1週間かかることもあります。
この遅れは、製剤の吸収や拡散の速度に起因すると考えられていて、即効性を重視する方にとってはデメリットになるでしょう。
持続期間は短い?
コアトックスの持続期間は、約3〜4か月とされていますが、個人差が大きく、一概には言えません。
人によっては、ボトックスより持続性が短いと感じる方もいます。
ただ、施術回数を重ねると筋肉の動きが弱まるため、2回目以降は効果が長く続くと感じるケースもあります。
効果にばらつきがある?
同じ部位・同じ量を打っても、効果の感じ方には個人差があります。
コアトックスに限らず、施術者の技術や筋肉の動き、個人の代謝によっても異なるため、正確な診察と技術力が求められます。
信頼できて、豊富な実績と経験があるクリニックで施術を受けることが重要です。
また、初回は少量から試したり、経過を見ながら量や期間を調整したりするのも、医師の技量によります。
クリニックの選び方
コアトックスは未承認薬であるため、すべてのクリニックで適切に扱われているとは限りません。
以下のような点をチェックして選ぶことが重要です。
- 製剤の説明が丁寧か
- 過去の症例を確認できるか
- 承認済製剤(ボトックスビスタ)との違いの説明があるか
- アフターフォロー体制があるか
未承認薬であることや、リスクも合わせて説明があるクリニックを選びましょう。
コアトックスが向いている方

コアトックスを選ぶ方には、以下のような傾向があります。
自分の目的や肌質に合っているかを、事前によく確認しましょう。
コスト重視の方
美容医療は1回で終わるわけではなく、継続治療が必要になるケースが多いです。
そのため、費用面の負担を軽くしたい方にとって、比較的価格が抑えられるコアトックスは、有力な選択肢になります。
複数部位に注射する際は、特に費用の差が大きくなる傾向があるため、コアトックスが向いています。
無添加を重視する方
コアトックスは無添加処方のため、ヒト由来成分や保存料に過敏な方に適しています。
ただし、リスクがないわけではないため、事前に医師と相談し、必要があればパッチテストを受けることをおすすめします。
また、自然な変化を求める方、不自然な表情になるのを避けたい方には、効き方が穏やかなコアトックスが向いているといえるでしょう。
ボトックスが向いている方

コアトックスと比較検討されやすいボトックスは、医師や施術経験者の間でも信頼性が高い製剤として知られています。
ここでは、ボトックスが向いている方について、解説します。
安全性と実績を重視する方
ボトックスビスタは、厚生労働省に承認されているボツリヌストキシン製剤です。
臨床試験による安全性や有効性の裏付けがあり、世界的にも長年使用されてきた実績があることから、製剤の品質や信頼性を重視する方に向いています。
また、厚生労働省承認製剤であるため、医師による説明義務や適正使用のガイドラインが確立されていて、万が一の副作用時にも対応が明確です。
即効性を求める方
ボトックスは注射後約2〜3日で効果が現れ始め、約7〜14日ほどで安定するとされていて、スピードが早いのが特徴のひとつです。
個人差が出にくく、症例数も豊富なことから、予定に合わせて効果を実感したい方に向いています。
見た目に現れやすい顔の表情ジワやエラ張りなどは、即効性を求める方も多い傾向があります。
医師の管理下で適正に施術を受けたい方
ボトックスは、指定された医師トレーニングを受けた医療機関のみが取り扱える製剤です。
そのため、信頼できる医師の下で丁寧なカウンセリングを受けたい方や、製剤や技術に妥協したくない方には判断基準にもなります。
初めてのボツリヌストキシン注射でも、治療ガイドラインが整った正規製剤での施術は、不安が軽減される可能性があります。
まとめ
コアトックスは、費用面や無添加などの特徴に加え、自然な仕上がりを重視する方に人気の製剤です。
コアトックスに向いている方は、以下のような方です。
- コスト重視の方
- 無添加を重視する方
一方、効果の立ち上がりや製剤の信頼性の面では、ボトックスを選ぶ方もいます。
ボトックスに向いている方は、以下のような方です。
- 安全性と実績を重視する方
- 即効性を求める方
- 医師の管理下で適正に施術を受けたい方
それぞれに特徴があるからこそ、自分の目的や価値観に合った製剤を選ぶことが大切です。
どちらを選択したとしても、効果の出方やリスクには個人差があるため、経験豊富な医師による診察と提案を受けて、慎重に決定することが重要です。