たるみの原因は?セルフケアによる予防と医療機関での治療を解説
たるみは老けて見える原因にもなるため、コンプレックスに感じている人も少なくありません。
たるみは加齢とともに目立ちやすくなる傾向がありますが、実はその原因は一つではなく、乾燥や紫外線、筋肉の衰え、皮下脂肪の変化など複数の要因が関係しています。
この記事では、たるみの原因について詳しく解説します。
たるみの予防方法や美容医療による治療方法もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
たるみの原因

たるみの主な原因は以下の4つです。
- 乾燥
- 紫外線
- 筋肉の衰え
- 皮下脂肪の増減
ここでは上記4つの原因についてそれぞれ解説します。
乾燥
乾燥はたるみの大きな要因の一つです。
肌が乾燥すると、真皮層のコラーゲンやエラスチンといった弾力成分の働きが弱まり、ハリが失われてしまいます。
さらに表皮の水分が不足することで外部からの刺激を受けやすくなり、バリア機能も低下します。
この状態が続くと肌は弾力を保てず、しぼんだように見えるたるみが発生しやすくなるのです。
乾燥によるたるみを防ぐには、肌の表面と内側の両方に保湿ケアを行うことが大切です。
ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分を含むスキンケアアイテムを使用し、しっかり肌に潤いを与えましょう。
紫外線
紫外線は、たるみを引き起こす代表的な原因です。
紫外線が肌の奥にある真皮層まで届くことによって、コラーゲンやエラスチンなどの肌の弾力を保つ成分が破壊されてしまいます。
これにより肌全体を下から支える力が弱まり、たるみやシワを引き起こしてしまうのです。
この現象は『光老化』と呼ばれ、加齢による老化とは別に進行します。
紫外線の影響は蓄積されるため、日常的な対策が非常に重要です。
たるみを予防するには、季節や天候を問わず日焼け止めを使用し、帽子や日傘などで物理的に紫外線を遮るのが効果的です。
筋肉の衰え
加齢により顔の筋肉である表情筋が衰えると、顔全体を支える力が低下し、たるみの原因になります。
人の顔には数多くの表情筋がありますが、日常生活ではそのうちの30%程度しか使われていないといわれています。
そのため使われていない筋肉は次第に衰えていき、皮膚や脂肪を支えきれずに垂れ下がってしまうのです。
また顔だけでなく、首や背中の筋肉が衰えることも、フェイスラインに影響を与えます。
たるみを防ぐためには、意識的に表情筋を動かすことが大切です。
姿勢改善や全身のストレッチもあわせて行うことで、より高い予防効果が期待できます。
皮下脂肪の増減
顔の皮下脂肪の量が急激に増えたり減ったりすると、それがたるみの原因になります。
脂肪が増えすぎると、その重みによって支えている筋肉や線維組織に過剰な負担がかかり、皮膚が下に引っ張られることでたるみが生じるのです。
逆に急激なダイエットなどで脂肪が減りすぎた場合にも、肌のハリを保てず、皮膚がたるんだ印象になってしまいます。
これは脂肪と皮膚、骨をつなぐ線維組織が弛緩してしまうことが原因とされるもので、いわゆる『脂肪たるみ』と呼ばれる現象です。
このタイプのたるみを防ぐには、急激な体重の増減を避け、体型を維持することが大切です。
たるみのできやすい部位

たるみができやすい部位として、以下が挙げられます。
| 目元 | 皮膚が薄く仕事や趣味で酷使しやすい部位であるため、たるみが発生しやすい。
目尻、上まぶた、下まぶたに発生することが多い。 |
| 頬 | 顔の中でも特に目立ちやすい部位。
ブルドック顔ともいわれることがあり、コンプレックスを抱える人が少なくない。 |
| 口元 | 口元がたるむと、口角から顎にかけてマ
リオネットラインと呼ばれる線が現れる。ほうれい線と同様に老け顔の症状であるため、悩む女性が少なくない。 |
| フェイスライン | フェイスラインの皮膚がたるむことで、「輪郭がぼやける」「顔が大きくなった」といった変化が現れる。
たるみを改善しシャープな輪郭を取り戻すことで、見た目年齢を大幅に下げられる。 |
これらは顔の中でも特に目立ちやすい部位であるため、早めに対策することが大切です。
初期のうちであればスキンケアや表情筋トレーニングなどで改善できますが、深刻なたるみになると美容医療が必要となる場合もあります。
たるみの予防方法

たるみは一度できてしまうと元に戻すのが大変なため、日頃から予防することが大切です。
自分でできるたるみの予防方法は以下の通りです。
- 表情筋を鍛える
- 紫外線対策を徹底する
- 保湿ケアを徹底する
- 食事でコラーゲンを増やす
- 質の高い睡眠をとる
ここでは上記5つの予防方法についてそれぞれ解説します。
表情筋を鍛える
顔の筋肉、特に表情筋は意識的に動かさないと衰えてしまうため、予防方法として表情筋のエクササイズを取り入れるとよいでしょう。
例えば「あ・い・う・え・お」と口を大きく開いてゆっくり発音する運動や、口角を意識的に引き上げる練習などは日常生活の中でも簡単に取り組めます。
また鏡の前で表情をチェックしながら行うと効果が高まります。
継続的なトレーニングにより筋肉に刺激を与えることで、フェイスラインが引き締まり、たるみ予防につながるでしょう。
紫外線対策を徹底する
紫外線は肌老化を進行させる大きな原因の一つです。
紫外線は日差しが強い日のみでなく、曇りの日や室内でも影響を受けるため、毎日の紫外線対策は欠かせません。
日焼け止めは季節や天候を問わず、朝のスキンケアの最後に必ず使用しましょう。
また、長時間外出する場合は数時間おきに塗り直すことが大切です。
日傘や帽子、サングラスの併用も効果的です。
さらにビタミンCを積極的に取り入れることで、紫外線によるダメージの軽減にもつながります。
保湿ケアを徹底する
乾燥は肌のバリア機能を低下させ、たるみをはじめとするさまざまな肌トラブルの原因になります。
特に肌の水分保持力は加齢とともに徐々に低下していくため、日々の保湿ケアがますます重要になります。
保湿の基本は、洗顔後すぐに化粧水で水分を補い、美容液やクリームで水分を逃さないよう蓋をすることです。
ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなどの保湿成分が含まれた製品を使うとより効果的です。
また肌への摩擦も乾燥を悪化させるため、洗顔やタオルドライはやさしく行いましょう。
保湿ケアを徹底することで肌のハリと弾力を維持でき、たるみの予防につながります。
食事でコラーゲンを増やす
たるみを防ぐには、肌の土台となるコラーゲンの生成を促す栄養を積極的に取り入れることが大切です。
直接コラーゲンを含む食品を摂るのも有効ですが、それ以上に大切なのが、体内でのコラーゲン生成をサポートする栄養素の摂取です。
特にたんぱく質は肌を作る材料となり、アミノ酸として吸収されてコラーゲンの合成に使われます。
またビタミンCはコラーゲン生成に不可欠で、鉄分や亜鉛などのミネラルも肌の代謝を助ける役割を果たします。
これらの栄養素を意識して、日々の食事メニューを組み立ててみましょう。
食事から摂るのが難しいようであれば、サプリメントを活用するのも一つの方法です。
質の高い睡眠をとる
睡眠は肌の再生や修復に深く関わっており、たるみ予防に欠かせない要素です。
眠っている間に分泌される成長ホルモンは、コラーゲンの生成を促し、肌のターンオーバーを正常化させる働きがあります。
特に就寝後の3時間に深く眠ることで、その効果がより強く発揮されます。
しかし寝る直前のスマートフォンの使用や夜更かしが習慣化していると、入眠が浅くなり、ホルモンの分泌が妨げられてしまうため注意が必要です。
睡眠の質を高めるためには、就寝前のブルーライトを避け、ぬるめのお風呂に入る、照明を暗くするなどの工夫が効果的です。
日頃の睡眠習慣を見直し、睡眠の質を高めてたるみを予防しましょう。
たるみに有効な治療方法

深刻なたるみの場合はセルフケアでは改善が難しいケースも少なくありません。
そのような場合は、以下のような治療を受けることで改善できます。
| ハイフ | 高密度焦点式超音波により、深部にある筋膜を刺激し、それによって生じた熱エネルギーでたるみを引き上げる治療方法 |
| 糸リフト | メスを使わずに注射針で皮膚の下に糸を挿入し、たるみを直接引き上げる治療方法 |
| ヒアルロン酸注入 | たるみの気になる場所にヒアルロン酸を注入することで、自然なハリとふっくら感を取り戻す治療方法 |
| 脂肪溶解注射 | 脂肪が多くてたるんでいる部位に脂肪を溶かす薬剤を注入し、老廃物とともに体の外へ排出させる治療方法 |
| IPL光治療 | IPLという光を肌に照射することで肌の奥のコラーゲン生成を促進し、肌全体のハリ・きめをもたらす治療方法 |
治療方法によって得意とするたるみの部位やメリット・デメリットが異なるため、自分の悩みに合ったものを医師と相談の上で検討してみましょう。
まとめ
たるみは年齢や生活習慣の影響で誰にでも起こるものですが、原因を理解し、日常のケアを続けることで予防や改善が可能です。
また進行したたるみに対しては、美容医療の力を借りるのも選択肢の一つです。
自分に合った方法でたるみにアプローチして、若々しくハリのある肌を保ちましょう。