顔のたるみは30代から始まる？原因やサイン・予防＆ケアを紹介

たるみというと、40代頃から始まるイメージがある方もいますが、実は30代から徐々にたるみは始まっています。

最近フェイスラインがぼやける、毛穴が目立つようになってきたなどと感じたら、たるみが始まっているサインかもしれません。

この記事では、30代から始めるたるみの原因やサイン、予防方法、美容医療での治療を紹介します。

美容医療は治療だけではなく予防も可能な場合が多いため、30代からケアしたい方はぜひご覧ください。

30代で顔がたるみ始める原因

たるみの原因は、皮膚だけではなく筋肉や脂肪などあらゆる場所に存在します。

ここでは、30代で顔がたるみ始める原因を部位ごとに紹介します。

皮膚

皮膚の表皮や真皮がたるむと、見た目に大きく影響をもたらし、セルフケアだけでは改善が難しい状態になります。

表皮と真皮の老化は、加齢に伴う自然老化と紫外線による光老化が関係しています。

自然老化は、ターンオーバーの乱れや線維芽細胞の機能低下によるコラーゲンやエラスチンの減少が挙げられます。

一方、光老化は紫外線を浴び続けたことによって真皮層でコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が減少し、徐々にたるみとして現れてくるパターンです。

30代のうちは光老化よりも自然老化による影響が大きく、それぞれの働きが低下することによってゆっくりとたるみが進行します。

筋肉

紫外線の影響は真皮層にまでしか到達しないため、光老化による影響は皮膚だけですが、筋肉層以降の肌は自然老化によって徐々に衰え始めます。

特に、顔に無数にある表情筋は、笑ったり人と話す機会が少ない方ほど衰えやすくなります。

身体の筋肉と同じで、使わなければ衰えていくため、動かす機会が少なくなると表情筋が衰え、顔のたるみに影響を与えるため注意が必要です。

脂肪組織

一般的に若い世代では、脂肪が均一に分布して頬や目の下などにハリを与えている状態です。

しかし、30代を過ぎると脂肪を支える靭帯や筋肉がゆるみ、重力で脂肪が下垂しやすくなります。

特に、頬やフェイスラインの脂肪が下がるとほうれい線が目立ったり、輪郭がぼやけたりするようになります。

また、目の下の脂肪が前方に突出すると、黒クマが現れ疲れている印象を強めることもあります。

脂肪の分布が変化することで、顔全体のバランスが崩れて年齢よりも老けて見えてしまう場合があるため、早めのケアが重要です。

支持靭帯（リガメント）

支持靭帯（リガメント）は、顔の皮膚や脂肪、筋肉を支えている部位です。

顔の骨から皮膚に向かって伸びる繊維状の組織で、皮膚の位置を固定する役割を担っています。

30代になると、コラーゲンやエラスチンの減少によって靭帯がゆるみやすくなり、支えを失った皮膚や脂肪が下がってしまいます。

その結果、フェイスラインが崩れたり、マリオネットラインがでたりするのが特徴です。

さらに、靭帯の衰えによってハリ感が失われることもあるため、日常的にトレーニングなどで弾力を保つ必要があります。

骨

加齢とともに顔の骨は少しずつ吸収され、骨格に変化が現れます。

特に、目の下や頬骨、あご周りの骨量が減少するとされていて、骨が内側に縮むと皮膚や筋肉を支える土台を失うことになります。

そうなると、余った皮膚はたるみとして現れてくるのが特徴です。

まれですが、早い方では30代から骨の吸収が始まってくることもあるため、将来的なたるみを予防する意味でも意識的にカルシウムやビタミンＤを摂取することをおすすめします。

30代で顔のたるみが始まってきたと感じるサイン

30代はまだ鏡を見てもたるみを感じにくい年代ですが、初期のたるみが始まっている可能性はあります。

ここでは、30代でたるみが始まってきたと感じるサインを紹介します。

肌のハリ不足

30代になって肌のハリが徐々に失われてきたと感じたら、真皮層のコラーゲンやエラスチンなどの弾力を保つ成分が減少してきたサインです。

コラーゲンやエラスチンは加齢による減少が一般的ですが、生活習慣やストレス、乾燥などさまざまな外的要因も影響します。

ハリが失われると、指で押したときに戻りが遅くなったり、頬が下に下がったような印象に見えたりすることがあります。

それ以外にも、メイクノリが悪い、疲れて見えると言われるなど、さまざまな変化を感じたら、たるみの初期症状といえるでしょう。

毛穴の目立ち

毛穴にはさまざまな種類があるため一概には判断できませんが、30代になって前よりも目立つと感じる場合はたるみ毛穴である可能性があります。

たるみ毛穴は、皮膚の弾力が低下して毛穴が縦に伸びた楕円形になり、特に頬に発生しやすい点が特徴です。

また、乾燥によって皮脂バランスが乱れると、毛穴が目立つ原因になります。

クマ

クマにも種類がありますが、特に目元の脂肪の位置が変化して影ができる黒クマは、たるみが原因です。

また、血行不良による青クマ、色素沈着による茶クマが悪化することもあり、複数の要因で見た目の印象が左右されます。

クマが慢性的にある状態だと疲れて見えるだけではなく、顔全体の若々しさにも影響することがあります。

フェイスラインがぼやける

頬が下垂したり、筋肉が衰えたりすると、フェイスラインがぼやけてはっきりしないと感じることがあります。

30代は肌内部のコラーゲンやエラスチンの減少が原因で弾力が低下し、さらに頬の位置が変わると輪郭がぼやける原因になります。

むくみや姿勢の乱れもフェイスラインの印象を左右する原因です。

スマートフォンを長時間見る習慣は、首回りの筋肉バランスが崩れるため顔のたるみにつながることがあります。

30代必見！たるみ予防＆改善のケア

30代からたるみが気になると感じる方も、まだ大丈夫と考えている方も、改善だけではなく予防のために日々のセルフケアは欠かせません。

ここからは、30代から行うたるみ予防＆改善のケアについて紹介します。

紫外線対策

たるみの原因のひとつである光老化は、真皮層にまで到達する紫外線の影響によるものです。

紫外線はコラーゲンやエラスチンを破壊して、肌のハリや弾力を低下させます。

30代では紫外線の影響でシミやくすみが出始める方もいますが、実は肌内部で弾力低下が進行しているケースが多い点が特徴です。

そのため、日焼け止めは年中塗布することや、日傘、帽子などのアイテムも効果的です。

スキンケア

30代のスキンケアは、保湿やハリの他にも抗酸化作用を意識することがポイントです。

乾燥はたるみを進行させる要因のひとつであるため、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分でしっかりと保湿しましょう。

また、レチノールやナイアシンアミドなどはコラーゲン生成を助け、ハリや弾力をサポートするとされます。

紫外線ダメージによる酸化ダメージを防ぐためには、ビタミンＣ誘導体などの抗酸化成分を取り入れると効果的です。

筋肉トレーニング

顔の表情筋は、日常生活で使用する部分が限られるため、意識的に動かすことが大切です。

特に口周りや頬の筋肉はたるみに大きく関わるため、予防のためにトレーニングを実施しましょう。

大きく口をあけて「あ・い・う・え・お」と発声したり、笑顔をつくって頬を持ち上げたりすると、表情筋が鍛えられます。

1日3分程度でも毎日持続すると、筋肉のハリを保ち血行促進にも役立つ効果が期待されます。

生活習慣を整える

睡眠不足、偏った食生活などは、顔のたるみを予防するためには改善したい習慣です。

睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、コラーゲンの生成を妨げる可能性があります。

偏った食生活として、例えば糖質を摂りすぎると糖化を招いて肌の弾力低下を早める原因になる恐れがあります。

栄養バランスを考えた食事はもちろん、ビタミンＣ、ビタミンＥ、タンパク質などの肌の材料になる栄養素を積極的に摂ることが大切です。

たるみ予防＆改善におすすめの美容治療

たるみを改善するための方法として美容治療が注目されていますが、予防として受けるのもおすすめです。

ここからは、たるみ予防＆改善におすすめの美容治療を紹介します。

糸リフト

糸リフトは、特殊な溶ける糸を皮下に挿入し、フェイスラインや頬の位置を物理的に引き上げる施術です。

糸に付いたコグ（突起）が皮下組織に引っかかることでリフトアップ効果が得られるとされ、たるみの予防や軽度のたるみに悩む30代にも選ばれることが多い治療です。

また、挿入した糸が溶ける過程でコラーゲン生成が促されるため、ハリ感の向上が期待できる点も特徴です。

フェイスラインのぼやけや頬の下垂など、たるみの初期段階でケアを始めたい方に適しており、ダウンタイムが比較的少ない点も人気の理由です。

ただし、効果の持続期間や仕上がりには個人差があるため、医師との丁寧な相談が重要です。

サーマクール

サーマクールは、高周波（RF）エネルギーを皮膚の深部に届けることで、肌内部のタンパク質に熱変性を起こし、引き締め効果が期待できる治療です。

熱による刺激でコラーゲンの生成が促され、時間の経過とともにハリ感が出てくるのが特徴です。

肌全体を引き締めたい方や、頬・フェイスラインのゆるみが気になり始めた30代の方に選ばれる傾向があります。

広範囲を一度にケアできるため、部分的なたるみではなく「顔全体のゆるみ」を改善したい方にも適しています。

ダウンタイムが少なく、生活に支障が出にくい点もメリットですが、熱エネルギーを使用するため、刺激の感じ方や効果には個人差があります。

ハイフ（HIFU）

ハイフ（HIFU）は、高密度焦点式超音波によってSMAS層（筋膜）と呼ばれる深部に熱を加える治療で、リフトアップ目的で広く利用されています。

たるみの原因の1つである筋膜のゆるみにアプローチできる点が特徴で、フェイスラインや頬の引き締めを希望する方に人気があります。

また、皮膚表面には影響を与えにくいため、ダウンタイムが少ないのも魅力です。

30代ではたるみの初期段階に当たるため、予防目的として取り入れるケースも多く見られます。

施術後は徐々にコラーゲン生成が促され、数ヶ月かけて変化が現れるとされています。効果の出方や持続期間には個人差があるため、事前に適応を確認することが大切です。

肌育注射

肌育注射は、ヒアルロン酸・アミノ酸・ビタミンなど、肌のうるおいやハリをサポートする成分を皮膚に直接届ける治療です。

肌内部の水分量を高めることで乾燥による小じわやハリ不足の改善が期待でき、たるみの初期段階にアプローチしやすい点が特徴です。

また、肌質そのものを整える目的で使用されることが多く、30代のうちから始めることで将来的なたるみ予防として役立つ可能性があります。

特に、頬のハリ不足や毛穴の開きが気になる方に取り入れられることが多い治療です。

使用される製剤や注入方法によって仕上がりが異なるため、医師と相談しながら適したプランを選ぶことが重要です。

まとめ

30代は、見た目ではまだ大きなたるみを感じにくいものの、肌の内部では徐々に変化が進む時期です。

ハリ不足や毛穴の目立ち、フェイスラインのぼやけなど、ささいな変化がたるみの初期サインとして現れ始めます。

原因は皮膚の老化だけでなく、筋肉の衰え、脂肪の下垂、靭帯のゆるみ、骨格変化など多岐にわたるため、日常のケアと生活習慣の見直しを組み合わせることが大切です。

また、早めの段階で美容医療を取り入れることで、将来的なたるみの進行をゆるやかにし、より良い状態を保ちやすくなります。

たるみは急に悪化するものではなく、毎日の小さな積み重ねが予防と改善につながります。