たるみ治療で選ぶべきレーザーやハイフの特徴と機器を使用しない治療を紹介
年齢を重ねるにつれて、気になってくる肌のたるみは、フェイスライン、目元などさまざまな部分に現れてきます。
とくに50歳を過ぎた方の肌悩みの1位はたるみだといわれていて、どんなに日々のスキンケアを丁寧に行っていても、加齢によるコラーゲンやエラスチンの減少などによって肌はたるんできてしまいます。
そこで検討したいのが、美容医療を用いたたるみ治療です。
技術の進歩とともに、たるみ治療として選べる美容医療は増加していて、メスを使用しない美容皮膚科での治療も多数存在するため、自分の症状や希望に合わせて治療を選ぶことができます。
この記事では、たるみの種類、たるみ治療に用いられる機器、機器を使用しない治療をご紹介します。
実際の年齢よりも老けて見えてしまうたるみに悩まされているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
たるみの種類
たるみにはいくつか種類があり、種類によって治療の内容や機器を選ぶ必要があります。
まずはたるみの種類をご紹介します。
皮膚のゆるみによる弾力低下
皮膚の真皮には、コラーゲン、エラスチンが網状に形成している間をヒアルロン酸が埋めているような構造になっており、肌のハリや弾力は真皮に存在するコラーゲンやエラスチンによって維持されます。
真皮にある線維芽細胞によって、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が作り出されることで、新陳代謝がスムーズに行われ、ふっくらと弾力のある肌を保つことができます。
しかし、主に紫外線、乾燥、活性酸素、加齢などによって線維芽細胞の働きが阻害されてしまうと、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が破壊され、それらが新たに作られにくくなります。
主に肌のハリに影響するコラーゲンが生成されなくなると、皮膚が脂肪などの組織を支えきれなくなり、たるみにつながります。
皮膚がゆるむことで起こるたるみは、顔全体、頬に発生しやすく、治療方法としては真皮の線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成するような治療が行われます。
皮下脂肪によるたるみ
皮膚のすぐ下の皮下組織にできる脂肪を皮下脂肪といい、通常誰にでもついている脂肪ですが、食べ過ぎや運動不足が原因で、過剰に皮下脂肪が蓄積してしまうことがあります。
二の腕やお腹周り、ももの裏側などの普段あまり動かさない部分につきやすいといわれている皮下脂肪ですが、耳の下あたりから顎先にかけてや、口角の下あたりにも皮下脂肪がついてしまうことがあります。
顔に皮下脂肪が増えることで、皮膚が脂肪を支えきれなくなり顔のたるみにつながりやすくなります。
とくに、加齢によってコラーゲンやエラスチンが減少すると、若い頃は皮膚のハリによって支えられていた皮下脂肪が支えきれなくなり、たるみとして現れるようになります。
皮下脂肪によるたるみは、皮下脂肪を分解すると同時に、コラーゲンやエラスチンの生成を促すような治療が効果的です。
筋肉のゆるみ
顔の皮膚と皮下組織の下には、表情筋と呼ばれる小さな筋肉が多数存在します。顔の筋肉は、加齢によってゆるみが発生し、筋肉がゆるむことで顔のたるみにつながります。
日本人は表情筋全体の3割ほどしか使っていないとされていて、日常的に表情筋をあまり動かしていないことも、筋肉が衰える原因となります。
筋肉が衰えると、筋肉の上にある脂肪や皮膚を支えきれなくなることで、顔全体のたるみにつながります。
筋肉の衰えによるたるみは、目の下やほうれい線、フェイスラインに発生しやすく、治療は筋肉と皮下脂肪の間にあるSMAS筋膜を刺激する必要があります。
たるみ治療に用いられる機器
たるみ治療は、皮膚、皮下脂肪、筋肉それぞれにアプローチできる機器を使用して、たるみの種類に応じた治療を行う必要があります。
ここからは、たるみ治療に用いられる機器について詳しくご紹介します。
サーマクールFLX
サーマクールFLXは、高周波(RF)を照射することで、皮下脂肪にまでアプローチできる機器です。
従来のサーマクールは、効果はあるものの痛いというイメージをお持ちの方も多かったのですが、最新機種であるサーマクールFLXは、痛みを軽減させるためのバイブレーターが改良され、痛みを感じにくい治療となっています。
痛みを感じづらくなったことで、より高い出力での施術が可能となったことから、従来の機器に比べて効果を感じることができるようになっています。
サーマクールは真皮へ高周波をあてることで、傷ができたことによる創傷治癒作用を利用し、コラーゲンの生成を促す治療です。
サーマクールはたるみ以外にも以下のような症状を改善することができます。
- 小じわ
- ニキビ
- 毛穴の開き
- ツヤ、ハリ
施術をした当日から効果を感じられるのが特徴ですが、1~3ヵ月経過することで徐々にコラーゲンが生成されるため、治療効果を一番実感できるのは1ヵ月以上経ってからとなり、その効果は半年~1年程度持続します。
トリニティプラス
トリニティプラスは、1台で3役をこなす複合治療機器で、光(IPL)、高周波、赤外線、ダイオードレーザーを組み合わせて照射できるのが特徴です。
たるみ治療では、赤外線と高周波の相乗効果によって、真皮全体に熱ダメージを与えることによって、コラーゲンの増生を促します。
コラーゲンが増生されることによって、内側からハリを取り戻し、リフトアップ効果が期待できる治療です。
トリニティプラスは、組み合わせによって以下の症状を改善できる治療です。
- しみ
- スキンタイトニング
- しわ
- 毛穴
- 脱毛
- 傷跡
それぞれ専用のアプリケーターを組み合わせることで、症状や期待する効果に合わせて照射を行います。
照射後はすぐに効果を感じることができ、ダウンタイムも少ない治療として人気があります。
ウルセラ
ウルセラは、たるみ治療の機器としては世界ではじめてFDAの認可を受けている、高密度焦点式超音波(HIFU)を用いて超音波の熱エネルギーを照射する治療です。
SMAS筋膜にまで熱を届けることができるのが特徴で、1.5mm、3.0mm、4.5mmと3つのトランスデューザーを使い分けることで、3層の治療が可能です。
超音波はピンポイントで皮膚の内側にだけ作用するため、周辺組織を破壊することなく皮膚を支える土台であるSMAS筋膜を引き締めることができます。
ダメージを受けた部分では肌内部でコラーゲンが生成され、治療後1~2ヵ月かけて徐々にリフトアップ効果を実感することができます。
たるみ治療としても、たるみの予防としても効果があり、手軽に行える痛みのない治療として人気があります。
機器を使用しない治療
レーザーやHIFUといった機械を使用した治療方法をご紹介しましたが、症状の度合いによっては機器を使用しない治療を行うことで、たるみが改善するケースもあります。
ここからは、機器を使用しない治療について詳しくご紹介します。
水光注射
水光注射は、ヒアルロン酸、アミノ酸、抗酸化成分を配合した薬剤を、表皮のすぐ下にある真皮の浅い層にダイレクトに注入する治療です。
ヒアルロン酸を広範囲に注入すると、肌にハリが出ることに加えて、ヒアルロン酸の生体内反応によって体内のコラーゲンの増生を促すことができます。
水光注射に使用される薬剤は、お悩みによってカスタマイズすることが可能となっており、美白、しわ、アンチエイジング効果なども期待できます。
水光注射はダーマシャインという機械を使用して施術が行われます。手打ちでは注入量を均一にできなかったり、圧力を一定に保つことができなかったりするのに対して、ダーマシャインは針の長さや注入量、皮膚吸引圧、吸引タイミングをあらかじめセッティングすることができます。
そのため、ダーマシャインを使用して水光注射の施術を行うことで、均一に薬剤をまんべんなく注入することが可能となります。
PRP皮膚再生療法
PRP皮膚再生療法は、患者さん自身から採取した血液の中から、血小板や白血球を取り出し、注入することで皮膚の再生を促す治療となります。
PRPは「Platelet Rich Plasma」の略称で、血小板の修復効果を応用して美肌へ導く治療方法です。
自身の血液を使用するため、副作用はほぼなく、美容医療だけではなく整形外科や形成外科、歯科などでも用いられているのが特徴です。
血小板に含まれる成長因子によって、細胞を活性化させ、増殖させることでコラーゲンを新たに作り出し、血管や肌を若返らせることができます。
まとめ
たるみの種類、たるみ治療に用いられる機器、機器を使用しない治療をご紹介しましたが、参考になりましたか?
たるみにはいくつかの種類があり、症状によって選択する治療方法が異なります。
カウンセリングで医師と治療方法を相談し、自身の希望に合わせて治療を選ぶようにしましょう。
重度のたるみには、HIFUによる治療でSMAS筋膜まで届くウルセラがおすすめです。
切らないたるみ治療は、痛みを感じることなく施術が可能であるさまざまな治療法があるため、自分にぴったりの治療を選ぶようにしましょう。