アートメイクとタトゥーの違いは?施術方法や施術目的を比較
アートメイクとタトゥーはどちらも皮膚に傷をつけて色素を注入する施術ですが、この2つの違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
この2つの施術の大きな違いは色素を入れる深さにあり、アートメイクは皮膚の浅い層(表皮層)、タトゥーは皮膚の深い層(真皮層)に色素を入れる特徴があります。
この記事では、アートメイクとタトゥーの違いについて詳しく解説します。
施術方法や施術目的、施術回数、効果の持続期間など細かな違いをまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
アートメイクとタトゥー(入れ墨・刺青)とは
アートメイクとタトゥーはどちらも、皮膚に傷をつけて色素を注入するという共通点があります。
主な違いは施術目的で、アートメイクは化粧の一種とも捉えられるもので、タトゥーはファッションの一部として捉えられるものです。
ここではアートメイクとタトゥーの定義についてそれぞれ解説します。
アートメイク
アートメイクは、皮膚の浅い層(0.02mm〜0.03mm程度)に色素を注入して着色する施術です。
皮膚に直接色素を入れるため汗や水で落ちることはありませんが、時間が経過するにつれて徐々に色素が薄くなっていきます。
眉毛やアイライン、リップ、ヘアライン、ほくろなどの施術が可能です。
アートメイクをすることで、すっぴんでもメイクをした後のような状態を保てます。
以下の記事ではアイラインのアートメイクの特徴やメリットをまとめているため、ぜひこちらも参考にしてみてください。
→アートメイクをアイラインにするメリット、デメリットやデザインなどを紹介
タトゥー
タトゥーは皮膚の深い層(2mm程度)に色素を注入して着色する施術です。
アートメイクよりも深い層に色素を入れるため皮膚のターンオーバーの影響を受けず、半永久的に消えないのが特徴です。
アートメイクとタトゥー(入れ墨・刺青)の違いを7つの項目で比較
アートメイクとタトゥーは似たような施術にとらえられがちですが、実際にはさまざまな違いがあります。
- 施術方法
- 施術目的
- 施術者
- 効果の持続期間
- 施術回数
- リスクや安全性
- ダウンタイム
ここでは上記7つの項目でアートメイクとタトゥーを比較してみましょう。
施術方法
針を使用して色素を入れていく点は同じですが、アートメイクとタトゥーの施術方法の大きな違いは、色素を入れる皮膚の深さです。
皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3つの層で構成されており、タトゥーは真皮層(1~2mm程度)に色素を入れるのに対し、アートメイクでは皮膚の表皮層(0.02mm〜0.03mm程度)に色素を入れます。
皮膚の表皮層はターンオーバーという現象によって定期的に組織が入れ替わるため、色素を入れてから1~3年程度で徐々に色が抜けていく特徴があります。
対して真皮層はターンオーバーの影響を受けないため、タトゥーは半永久的に色素が残ったままの状態となるのです。
施術目的
アートメイクとタトゥーは施術目的が大きく異なります。
それぞれの施術目的を簡単にまとめると以下の通りです。
アートメイク | タトゥー |
---|---|
|
|
アートメイクは顔のお悩みやメイクの時短のためにする人が多い一方で、タトゥーはおしゃれ目的でする人が多い特徴があります。
施術者
アートメイクはアートメイク専門クリニックや美容クリニックなどの医療機関でのみ受けられる施術となっており、医師や看護師などの資格を持つ人が施術を行います。
医療機関でしか受けられない理由は、医療行為として針を使って施術を行うためです。
一方タトゥーは彫師と呼ばれる施術者が施術を行い、アートメイクのような特別な資格は必要ありません。
効果の持続期間
アートメイクとタトゥーは色素を入れる深さが異なるため、効果の持続期間にも違いがあります。
アートメイクの場合、肌のターンオーバーによって1〜3年程度で徐々に色が薄くなっていきます。
なお、あくまでも上記の期間は目安となり、施術部位や技法、針の深さ、体質などにより異なる点に注意が必要です。
タトゥーは皮膚の真皮層に色素を入れるため、自然に色が薄くなっていくことは基本的にはありません。
半永久的に色が残るため、デザインや色を入れる部位を慎重に検討する必要があるでしょう。
施術回数
アートメイクとタトゥーは施術回数にも違いがあります。
タトゥーはサイズやデザインにもよりますが、小さなものであれば1回の施術で完了する場合がほとんどです。
一方、アートメイクは基本的に2〜3回程度の施術を受ける必要があります。
2回以上の施術が必要な理由は以下の3つです。
- 色素をしっかり定着させるため
- デザインを微調整するため
- 変色や退色を防ぐため
2回目以降の施術は1回目の施術から1〜3か月以内に行うのが一般的ですが、施術スケジュールについてはクリニックと相談して決めることになります。
リスクや安全性
アートメイクとタトゥーどちらも皮膚に針で傷をつけて色素を注入するため、次のようなリスクがあります。
- 傷跡が残る可能性がある
- 肌トラブルが起こる可能性がある
- アレルギー反応が起こる可能性がある
- 血液感染症にかかるリスクがある
タトゥーはアートメイクよりも深い層に針を刺すため、コラーゲン組織を傷つけたり、血管・神経を損傷させるリスクがあります。
上記のようなリスクは、施術環境や色素の品質、施術者の技術力などが関係しているため、タトゥーやアートメイクの契約をする前に、リスク管理が徹底されているかを確認する必要があります。
医療機関なら安全基準を満たしておりリスク管理も徹底されているため、より安全に施術を受けたいならアートメイクを選ぶと良いでしょう。
ダウンタイム
ダウンタイムとは、美容施術を受けた後に起こる赤みや腫れなどの副作用の症状が落ち着き、普段通りの生活に戻るまでに必要な期間のことです。
アートメイクは1週間程度のダウンタイムがあり、小さなかさぶたや腫れが出ることがあります。
ダウンタイムを短くするためには、施術部位を強くこすらないようにして、激しい運動は控えて安静に過ごすことが大切です。
タトゥーのダウンタイムは1か月程度で、しっかりとしたかさぶたができます。
一般的に施術から2週間は入浴を控える必要があり、かさぶたが自然にはがれたら入浴可能になります。
アートメイクはこんな方におすすめの施術
アートメイクは次のような方におすすめの施術です。
- すっぴんに自信を持ちたい方
- 眉や唇などのパーツに悩みがある方
- 流行に合わせて修正したい方
- メイク時間を短縮したい方
ここでは上記4つについてそれぞれ解説します。
すっぴんに自信を持ちたい方
アートメイクは、すっぴんに自信を持ちたい方におすすめの美容施術です。
すっぴんの状態でもメイクをした後のような仕上がりになるため、すっぴんに自信を持てるようになります。
例えばすっぴんでもメイク後のはっきりとした眉毛にしたり、目を大きく見せたりすることが可能です。
眉や唇などのパーツに悩みがある方
アートメイクは、眉や唇などの顔のパーツに悩みがある方におすすめです。
例えば「眉のバランスの悪さが気になる」「唇の薄さがコンプレックス」など。
アートメイクの施術実績が豊富なクリニックなら、自分の顔に合うデザインで施術してもらうこともできます。
顔立ちに合った眉や唇などを手に入れたい方は、アートメイクを検討してみてはいかがでしょうか。
流行に合わせて修正したい方
アートメイクは1~3年程度で自然と色が抜けていくため、流行に合わせて修正できます。
タトゥーのように半永久的に色素が残る施術だと、時代遅れのデザインになってしまう懸念点がありますが、自然と色が抜けるアートメイクなら、時代に合わせたデザインに整えられるのです。
アートメイクは、時代に合ったメイクデザインをしたい方におすすめの美容施術です。
メイク時間を短縮したい方
アートメイクは、メイク時間を短縮したい方にもおすすめです。
眉やアイライン、唇などにアートメイクをすれば、その部分のメイク時間を短縮できます。
メイクにかける時間を短縮できれば、空いた時間を有効活用できるようになるでしょう。
まとめ
アートメイクとタトゥーの違いについて解説しました。
アートメイクとタトゥーはどちらも皮膚に色素を入れる施術ですが、施術方法や施術目的、効果の持続期間などさまざまな違いがあります。
タトゥーの場合、一度入れたら基本的にずっと消えることはないため、慎重に検討しましょう。
美容目的で眉毛を整えたい、くすんだ唇の色をカバーしたいなど、美容目的であればアートメイクがおすすめです。
アートメイクは1~3年程度で自然と色が抜けていくため、時代に合わせてデザインを修正できます。
なお、アートメイクは医療行為であるため、施術を受ける際は必ず信頼できる医療機関を選びましょう。