ボトックスで得られる10の効果と副作用や経過を紹介
ボツリヌス毒素から抽出したタンパク質を使用する製剤であるボトックスは、注入した箇所の筋肉の動きを抑制し、シワを改善したりたるみを改善したりする他にも、多汗症やワキガの治療にも効果があります。
メスを使用せずに多くのお悩みを解決できるボトックスですが、副作用はどの程度あるのか?どの程度作用するのか?など解決させたい疑問も多いですよね。
この記事では、ボトックスの10の効果をお伝えしたあとに、副作用や経過についても詳しくご紹介します。
ボトックスを検討している方、ボトックスの効果や副作用を詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ボトックス製剤の特徴について
ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出した天然のタンパク質であるA型ボツリヌス毒素(分解、精製して使用)のことです。ボトックス注射は、神経物質の分泌を抑えて発達しすぎた筋肉に働きかけるという作用があります。
毒素といっても身体に害があるようなものではなく、20年以上前から医療の現場で使用されてきたものです。
過剰に発達した筋肉の働きを弱めることで、笑ったときや顔をしかめたときにできる表情ジワを改善させる効果があります。
※当院で使用している製剤はアラガン社の「ボトックスビスタ」です。
ボトックスで得られる10の効果
ボトックスは注射治療となり、濃度や深さ、量を調節することでさまざまな効果を得られる施術です。
まずは、ボトックスで得られる10の効果をご紹介します。
シワの改善
ボトックスで改善できるシワは、表情筋の動きによって皮膚が折りたたまれることでできる以下のようなシワです。
- 額のシワ
- 眉間のシワ
- 鼻横のシワ
- 目尻のシワ
- 目の下のシワ
- 唇の上のシワ
- 顎のシワ
無表情でも刻まれているようなシワは、ボトックスではなくヒアルロン酸が有効ですが、笑ったときや険しい表情をしたときなどに現れるシワにはボトックスがおすすめです。
ボトックスを表情筋にのみ効かせることで、その部分の動きを止めてシワの発生を防ぐことができます。
あご先をシャープにする
あご先にボトックスを注射すると、あご先にできる梅干しジワとも呼ばれるシワを改善させることができます。
あご先の筋肉というとオトガイ筋というイメージがある方もいらっしゃいますが、あご先にはオトガイ筋以外にも下唇下制筋、口角下制筋といった筋肉が存在します。
これらの筋肉にボトックスを注射することで、あご先がシャープになることや、あごの緊張が解けて長くなることで横から見たときのラインが美しくなります。
エラ張りの改善
エラが張っている方は、咬筋と呼ばれる食いしばったときに出る筋肉が発達しすぎていることで、顔の輪郭が四角に見えてしまっている状態です。
歯ぎしりや食いしばりを気づかないうちにしてしまっている方は、咬筋が発達してエラが張っている状態になっていることが多いです。
咬筋にボトックスを注入することで、筋肉の緊張が解放されてエラ張りを改善させることができます。
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フェイスラインの補正
頬が下膨れしているなどの理由から、フェイスラインにもたつきを感じている方は、筋肉が発達しすぎていることで下膨れしてしまっている可能性があります。
その場合は、頬の筋肉にボトックスを打つことで筋肉の動きを止め、理想的なフェイスラインに近づけることが可能です。
たるみ改善
加齢によって目元や首がたるんでしまったという方には、たるみ改善のボトックスがおすすめです。
通常のボトックス注射ではなく、マイクロボトックスリフトという施術で微量のボトックスを皮膚の浅い層に注射することで、目尻やフェイスライン、首などのたるみを改善させることができます。
三角眉毛の改善
額から上まぶたにかけてたるみが出ている方は、眉の上の筋肉に力を入れて目を開こうとする癖がついてしまいます。また、生まれつきこのような癖がある方もいて、その結果眉の筋肉が発達してしまい三角眉毛になってしまうことがあります。
また、眉の上の筋肉に力を入れる癖が片方だけあり、片側だけ眉が三角眉毛になってしまっているということも。
三角眉毛は、ボトックス注射を行うことで改善でき、さらに額のシワを防止することにもつながります。
ガミースマイルの改善
ガミースマイルとは、わらったときに歯ぐきが見えて目立ってしまうことを言います。ガミースマイルの原因の一つに、上唇を上げる筋肉が関係しています。
ボトックス注射によって、上唇を上げる筋肉を抑制することで、上唇を上げる筋肉の動きが弱くなり、笑ったときの歯ぐきの露出を減らしてガミースマイルを改善することができます。
ただし、骨格や歯の大きさなどが問題である場合、ボトックス注射だけでは効果が得られないケースもあります。
口角を上げる
口元が下がっていると、不機嫌そうに見えたり、疲れていそうと感じさせたりしてしまい、他人にネガティブな印象を与えてしまいます。
口元には、口角を上げる口角挙筋と、口角を下げる口角下制筋が存在します。このうち、加齢によって口角を上げる筋肉は緩んできてしまうことや、口角を下げる筋肉が発達していることなどが、口角を下げる原因となっています。
ボトックス注射によって口角を下げる筋肉を抑制することで、キュッと上がった好印象を与えられる口元を目指すことができます。
ふくらはぎをほっそりさせる
スポーツ選手やヒールを履くことが多い女性は、ふくらはぎの筋肉が発達していて足が太く見えてしまうというお悩みを抱えている方もいらっしゃいます。
ふくらはぎの筋肉を細くすることは難しく、むくみをとることはできても筋肉を細くすることはできません。
ボトックス注射であれば、発達したふくらはぎの筋肉を退縮させて細くすることが可能です。
肩こり改善
肩こりとは、首から肩にかけての緊張状態が続いてだるさや痛みが慢性的になっている状態を指します。肩こりが酷くなると、肩こりから発生する頭痛の原因になることも。
肩こりの原因はさまざまですが、筋肉の過緊張が原因の一つに挙げられます。
首の付け根から背中にかけて広がっている僧帽筋群にボトックスを注射することで、筋肉の緊張を緩和させて肩こりを改善させることができます。
わきが・多汗症の改善
脇に大量の汗をかくことでにおいが気になったり、洋服への汗ジミが気になったりすると、QOLを著しく低下させる原因となります。
わきがは皮膚のアポクリン腺から分泌される汗が原因となり、強いにおいを発生させる症状で、運動をしたときなどに出る汗とは異なる特有のにおいが特徴です。
発汗を促すのは神経伝達物質のアセチルコリンです。脇の下にボトックスを打つことで、アセチルコリン分泌が抑制されて過剰な発汗を抑えることができます。
ボトックスの副作用は?
ボトックスは長年使用されている安全な製剤ですが、なかには以下のような副作用が出る可能性があります。
- 内出血
- 腫れやむくみ
- 吐き気
- めまい
- 表情がなくなる
- 表情に違和感が生じる など
注射治療となるため、針を刺したことによる内出血が起こる可能性があります。また、体質によって腫れやむくみ、めまい、吐き気などを訴える方もいらっしゃいますが、何日か安静にしていることで症状は緩和されることがほとんどです。
そのため、1週間以上副作用が続くなど心配なことがあれば、すぐに施術をしたクリニックに連絡をするようにしましょう。
そして、表情がなくなる、違和感が生じるといった副作用は、医師が使用量や部位を大きく誤った際に起こります。
一度このような状態になってしまうと6~8ヵ月はもとに戻らないこともあるため、クリニック選びは慎重に行うようにしましょう。
ボトックスは変化が出るまでどのくらい?経過を紹介
ボトックスは治療後すぐに効果が出るわけではなく、数日後から徐々に効果が出はじめ、7日後ほどでピークを迎えます。
その後4~6ヵ月は効果が持続するとされているため、数週間経っても効果が表れないという場合は追加の施術が必要となるケースもあります。
効果はいきなりなくなるわけではなく、6ヵ月を過ぎると筋肉収縮が回復してくることで、元の状態に戻ってしまいます。
そのため、ボトックスの効果を長持ちさせたいという方は、約4ヵ月のペースで定期的に施術を受けるようにしましょう。
続けて施術を受けることで、使用されなくなった筋肉が萎縮して持続期間が長くなる方も多くいらっしゃいます。
ボトックスの施術間隔は、医師と相談しながら効果を確認しつつ決めるようにしましょう。
ボトックスの効果を継続させるためには
ボトックスの効果は、シワの改善であれば2~3日後から効果が表れ、3~4ヵ月持続します。この効果を継続させるためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
ここからは、ボトックスの効果を継続させるためのポイントをご紹介します。
繰り返し施術を受ける
前述したように、ボトックスの効果は永久に続くわけではないため、効果が切れる前に次の施術を行いましょう。3~4ヵ月ほどが効果の切れる目安となりますが、個人差があるため最初は医師とよく相談しながら次の施術の時期を決めるのがおすすめです。
繰り返し施術を受けることで、次の施術までの時間が長くなる方もいらっしゃいます。
基本的には3ヵ月以上の間隔をあける必要があるため、自己判断で施術を行わずに医師と相談する必要があることに注意しましょう。
施術後の過ごし方に気を付ける
ボトックス注射の施術を受けたあとは、過ごし方に気を付ける必要があります。
施術直後の製剤が安定していないときにマッサージをしたり、施術箇所に強い刺激を与えたりすると、他の部位にボトックス製剤が流れてしまうことがあります。
そうなると、ボトックスの効果をしっかり感じられない可能性もあるため、施術直後はマッサージなどをしないよう気を付けましょう。
また、ボトックスは熱に弱い性質を持っているため、長時間の入浴やサウナ、激しい運動などは避けるようにしましょう。
施術部位別ボトックスの費用相場
美容目的でのボトックス注射は自由診療であり、クリニックによって使用している製剤が異なることから料金が異なります。
ここでは、施術部位別のボトックスの費用相場をご紹介します。
施術箇所 | 料金相場 |
目尻 | 8,000~60,000円ほど |
眉間 | 8,000~60,000円ほど |
額 | 8,000~60,000円ほど |
エラ | 25,000~100,000円ほど |
顔全体 | 50,000~100,000円ほど |
口元 | 10,000~50,000円ほど |
ふくらはぎ | 50,000~150,000円ほど |
ワキガ | 25,000~60,000円ほど |
まとめ
ボトックスの10の効果、副作用、経過などをご紹介しましたが、参考になりましたか?
ボトックスは筋肉の動きを抑制することでシワやたるみなどを改善させることができる治療です。シワやたるみ以外にも、さまざまなお悩みをボトックスで解消させることができるため、記事内でご紹介した効果をご自身のお悩みと照らし合わせてみてください。
ボトックスは継続することで持続時間が長くなるという例もあります。そのため、何度か施術を重ねると施術間隔が短くなってくる方もいらっしゃいます。しかし、自己判断で施術間隔を決めるのは危険なので、必ず医師と相談しながら治療を進めていくようにしましょう。
継続することで、今後深くなるであろうシワにも効果が期待できる治療です。ボトックス注射を検討している方は、この記事を参考にクリニックに足を運んでみてくださいね。