ジュベルックが妊娠中に受けられない理由とは?治療の注意点なども紹介

『ジュベルック』は、次世代型の注入剤として注目されています。
ニキビ跡や毛穴の開き・小ジワやたるみ・クマなど幅広く改善するスキンブースター製剤で『肌育注射』とも呼ばれています。
韓国で開発され、米国FDAの承認も受けているジュベルックですが、妊娠中には受けられないため、残念に思っている妊婦さんもいるのではないでしょうか?
この記事では、そもそもジュベルックとはどういった注入剤なのか、ジュベルックが妊娠中に受けられない理由や、他にどのような注意点があるのかなどを紹介します。
正しい条件下で施術を受けてこそ、新しい美容施術で得られる効果は楽しみに感じます。ぜひ参考にしてください。
目次
ジュベルックとは
ジュベルックは肌のハリはくすみの他、ニキビ跡や毛穴など肌の凹凸・たるみ・小じわなど女性に多い肌悩みに効果がある美容施術です。
まずはジュベルックについて、成分の詳細や効果の特徴、副作用や治療にかかる回数などについて紹介します。
→「ジュベルックとは?メリットデメリット・リスクや効果の持続期間なども解説」
非架橋ヒアルロン酸による注入剤
ジュベルックは、有効成分であるポリDL乳酸(PDLLA)と非架橋ヒアルロン酸製剤を結合させて注入し、肌の土台の再構築を促す比較的新しい治療として注目されています。
ポリDL乳酸は、手術用の縫合糸や糸リフトなどにも使われている、トウモロコシやジャガイモ、サトウキビなどのでんぷんを原料とした医療用ポリマーです。
アレルギーを起こしにくく、人体に悪影響を及ぼすことなく代謝される生分解性高分子です。
ポリDL乳酸は線維芽細胞を刺激してコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進し肌にボリュームを補い、非架橋ヒアルロン酸は注入の刺激によって真皮再生を促して保水力を高めます。
結合させることでこのようにそれぞれの強みを引き出せるため、注入剤としての役割も果たします。
→「ジュベルックはクレーターにも効く?効果や施術方法について徹底解説」
効果が長期に持続する
ポリDL乳酸は施術後、1~2年ほどの時間をかけて水と二酸化炭素に分解され吸収されていくため、従来のヒアルロン酸と比べると効果が長いという特徴があります。
医師による局所注射の手打ちを例とした場合は、一般的に1ヶ月ごとの施術で3回が推奨されています。効果を実感できるのも、3回目の施術辺りからです。
そして施術を始めて6ヶ月くらい経過する頃には効果がさらに上がり、その後1年半ほどかけて分解されていきます。
その間効果は持続しますが徐々には薄れていくため、いい状態を持続したい場合は最後の施術から半年~1年が経った頃に追加施術し、その後は定期的な治療を行うのがおすすめです。
推奨する治療回数や効果が出る時期は施術方法によってそれぞれ違いがありますが、どの場合でも効果は変わらず長期的に持続します。
ジュベルックの副作用
ジュベルックのポリDL乳酸は、周辺の細胞に刺激を与えないよう粒子が丸く作られているため、副作用のリスクは低めです。
美容施術の注入治療はしこりや炎症などの副作用が心配されますが、ジュベルックの丸い粒子=成分構造が、肉芽形成や皮下硬結といった副作用を起こりにくくしています。
他にも、美容施術でよく見られる内出血や赤みなどが見られます。施術方法によって多少差はありますが、数日から1週間程度で治まります。
→「ジュベルックのダウンタイムはどれくらい?期間とアフターケア方法を解説」
ジュベルックの施術方法
ジュベルックには上で紹介した医師による手打ちを含め、いくつかの施術方法があります。以下は一例です。
- 医師による手打ち……気になる箇所へピンポイントで注入。クマにも効果を発揮
- 水光注射……9本の極細針によるスタンプ型注射器で広範囲に注入
- ポテンツァ……極細針による熱エネルギー照射。創傷治癒促進で肌悩みを改善
- ダーマペン……16本の極細針によるペン型。針の長さを調節できる
ジュベルックの効果やダウンタイム時の副作用などは、上記のどの方法を選ぶかによって変わるため、悩みや希望に合わせて選択します。
妊娠中にジュベルックの施術ができない理由
ジュベルックは以下のような理由で、妊娠中に受けることができない施術です。
ジュベルックに限らず、美容施術として推奨していない理由もあるため、参考にしてください。
麻酔を使用する場合がある
ジュベルックは施術で麻酔が使用される際、胎児への影響を考えた場合の安全性が確立されていないため、施術ができないと判断されています。
ジュベルックは注入治療であり、施術中は何度も針を刺すため、どの施術方法を選択しても麻酔の使用を検討することがほとんどでしょう。
麻酔は部分麻酔・麻酔クリーム・局所麻酔、または麻酔クリームと局所麻酔を組み合わせるなど、痛みに配慮して使用されます。
麻酔に関しては出産前の虫歯治療にも使用されますが、それは出産に必要な治療に使用する『有益性投与』であり、美容施術は病気の治療ではないため同様には考えません。
ないとは言い切れない影響を避けるため、妊婦に対するジュベルックは禁忌とされています。
→「ジュべルックは痛いの?どんな痛み?軽減する方法とその他の副作用リスクを解説」
妊娠中は使用できる薬に制限がある
妊娠中は使用できる薬に制限があるため、ジュベルックの施術により感染症などを発症した場合に対応できない可能性があります。
ジュベルックは皮膚に針を刺して行われる施術のため、強い炎症や感染症を引き起こすことがまれにあります。
思いもよらない症状で取り返しのつかない事態に発展する可能性が、無いとは言い切れません。
安全性が確立されていない
ポリDL乳酸の使用に関して、胎児や乳児に関しては安全性の確立にはまだ至っていません。
ポリDL乳酸は生体適合性が優れている成分で、人間が摂取した場合の分解・吸収については安全性が確立されています。
危険性があるという報告がないとしても、胎児や乳児に影響が及ばないとは言い切れないとするなら、妊娠中の施術は避けた方がいいでしょう。
施術のストレスや刺激が影響する可能性がある
ジュベルックに限らず、美容施術では施術のストレスや刺激・ダウンタイムの痛みや腫れなどの不快症状によって胎児の発育に悪影響がある場合があります。
妊娠中は肉体的にも精神的にも繊細な時期であり、ストレスを与えることは好ましくありません。
胎児を健やかに育てるためには、母体に負担をかけないよう注意が必要です。
肌トラブルを起こしやすい
ジュベルックを含む美容施術において、肌が敏感になっている妊娠中は施術によってさらにトラブルを生む可能性があるため、望んだ効果が得られない可能性があります。
妊娠中はホルモンバランスが大きく変化するため、乾燥しやすい・シミができやすいなど肌トラブルを起こしやすくなっています。
そこで刺激の強い美容施術を行うことは、肌悩みを解決するどころか悪化させる可能性があります。
授乳中・妊活中も施術できない
妊娠中にジュベルックの施術が受けられない理由を紹介しましたが、授乳中や妊活中も同様に施術はできません。
授乳中の局所麻酔に関しては、生後3ヶ月程度であれば母乳への影響はほとんどなくなります。
しかしそれ以外の理由については、母乳を与えている期間中は避け、授乳が終わったら改めて施術を検討することとなります。
妊活中もいつ妊娠してもいいとのことで行う活動であるため、胎児への影響が全くないとは言い切れないのであれば施術はやめておいた方がいいでしょう。
他にもあるジュベルックの禁忌
ジュベルックは妊娠中だけでなく、他にも以下に当てはまる人が施術を受けられません。
施術方法の種類についても受けられない人がいるためまとめました。
ジュベルック | ・ヒアルロン酸に対してアレルギーがある人 ・施術の希望部位に皮膚疾患、感染症などがある人 ・麻酔など使用薬剤に過敏症がある人 ・甲状腺機能障害や糖尿病、心臓病、肝臓病など疾患がある人 ・金属アレルギーのある人 ・ケロイド体質の人 ・妊娠中、授乳中 |
水光注射 | ・重度の糖尿病の既往歴がある人 ・金属アレルギーの人 ・膠原病の既往歴がある人 ・ヒアルロン酸に対してアレルギーがある人 ・敏感肌の人 ・妊娠中、授乳中 |
ポテンツァ | ・施術の希望部位に炎症がある人 ・金属アレルギー ・ペースメーカーや金の糸が入っている人 ・皮膚が弱い、疾患がある ・妊娠中、授乳中 |
ダーマペン | ・糖尿病、重大な疾患のある人 ・ケロイド体質の人 ・膠原病の人 ・金属アレルギーの人 ・感染性疾患がある人 ・重症なニキビがある人 ・ヘルペス、出血性の疾患がある人 ・妊娠中、授乳中 |
ジュベルックの場合はいくつか施術方法がありますが、選んだ施術方法によっては受けてはいけない条件が増える場合があります。
妊娠・授乳の時期を避けて条件をクリアした上での施術を検討し、懸念がない状態でジュベルックを受けることは、より希望に近い結果を手に入れることにつながるでしょう。
まとめ
ジュベルックのような新しい施術が登場すると、その効果に期待が高まるのは当然のことで、それは肌悩みを持っていれば妊娠中の人でも同じことがいえます。
しかしジュベルックに限らず、妊娠中・授乳中の美容施術についてはその多くが受けてはいけないか、または推奨されていません。
しかしそれは母体と胎児・乳児の安全を願ってのルールとして、必ず守って頂きたいことです。
この記事が施術が可能な時期まで納得して待つためのお手伝いになれば幸いです。
さまざまな手が尽くされた中で問題のない出産・授乳を終えたら、滑らかで瑞々しい肌への道を改めて検討してください。