アートメイクは金属アレルギーでもできる?受ける条件や注意点を解説
アートメイクは汗や涙で落ちることがなく、朝の準備などで大幅に時間を短縮できるメリットのある施術です。
眉毛や唇、髪の生え際やアイライン・ほくろなど、化粧を落としてもメイクをしているように整うため、素顔に自信がもてます。
しかしアートメイクに使用される色素には金属が含まれるため、金属アレルギーをもつ人は不安に思うのではないでしょうか?
じつは金属アレルギーでも、アートメイクが可能な場合は多くあります。
この記事では、金属アレルギーでもアートメイクの施術を受けていいのか、受けるとしたらどうすればいいのか、注意点などを解説します。
目次
アートメイクと金属アレルギー
ここでは、アートメイクのどの部分に金属が使用されているのか、そもそも金属アレルギーとはどのような症状なのかなど、アートメイクと金属アレルギーについて解説します。
アートメイクで使われる金属
アートメイクで使われる金属には、医療用の針と色素があります。
アートメイクは専用の医療針(ニードル)で肌に細かい傷をつけ、そこにアートメイク専用の色素を注入する施術です。
専用ニードルは基本的に金属製ですが、医療用のためアレルギーを起こしにくい素材が使用されています。
そしてアートメイクで使用する色素には、水などの溶媒に溶けて周辺に滲んでしまう『染料』と、溶媒に溶けず発色のよい『顔料』の2種類があります。
染料は金属フリーですが滲んでしまうため、アートメイクには適切ではないと考えられ、顔料が一般的に用いられています。
顔料にはごく微量の金属成分が含まれていますが、健康被害が報告されているような金属は使用されていません。
金属アレルギーとは
金属アレルギーとは、汗や唾液によって金属が溶け金属イオンとなったものを身体が異物とみなし、皮膚が炎症などの免疫反応を起こす接触性皮膚炎です。
原因物質となる金属を、一例としてアレルギー頻度の高い順に並べると以下の通りです。
- 水銀
- ニッケル
- コバルト
- スズ
- パラジウム
- クロム
- 銅
- 白金(はっきん)
- 亜鉛
- 金
金属アレルギーをもっている人は、上記が金属製品に合金成分として含まれている場合、接触することでアレルギー症状を発症します。
他にも皮製品の加工工程での金属使用や、金属を含む豆・チョコレートなどの食べ物やワインなどの飲み物、タバコなどで誘発される場合もあります。
金属アレルギーでもアートメイクを受けるために
金属アレルギーをもっている人がアートメイクを受けるには、事前に以下のことについて確認しましょう。
パッチテストを受ける
アートメイクのパッチテストでは、耳のうしろなどの髪で隠せる目立たない場所に、ごくわずかの色素を実際に入れて結果を見ます。
色素を入れて48時間、様子を観察し、異常がないかチェックします。
また、普段金属アレルギーの症状が軽い所為で自覚できていない場合、アートメイクのパッチテストや施術前の問診で判明する人もいます。
逆に、普段アクセサリーなどでよくかぶれるためアレルギーだとしている人がいますが、そのかぶれの理由は金属アレルギーではない場合もあります。
高純度の金属(18金以上)やステンレス・チタン・ニッケル・クロムでアレルギーを起こすことが分かっている人は、事前に申し出ましょう。
そしてパッチテストの結果、赤みや痒みが出た場合は、施術が受けられない可能性があります。
なお、パッチテストは施術の他に別途費用がかかる場合があります。
色素の金属物質量を事前に確認
クリニックによって使用している色素が違うため、取扱製品を事前に確認しておきましょう。
金属アレルギーの人は、使用される色素に含まれる金属成分が多ければ多い程症状の発症リスクが高まります。
安価な色素や昔からある色素は金属成分が多いものがあり、反対に比較的新しく出回るようになった色素は金属成分が抑えられています。
医療機関で施術を受ける
アートメイクは全ての部位において医療資格が必要な施術のため、医師や看護師が施術を行う医療機関で受けましょう。
施術中や施術後、金属アレルギーの人に異変があった場合、医療機関であれば対応が可能であるため安心です。
なおアートメイクの費用相場は10万円前後ですが、医療資格者がないにもかかわらず、クリニックの半額程度で施術を行っている違法サロンが存在します。
アイラインなどは目の近くを施術するため、無資格など安全が保証されない状態での施術を受けて角膜に傷をつけられたケースもあります。
信頼できるクリニックであれば相場を大きく下回る金額では施術しないため、費用と同等の価値がある施術をしかるべき医療機関で受けましょう。
→アートメイクのデメリットとは?医療機関で受けないリスクも紹介
金属アレルギーでアートメイクする際の注意点
金属アレルギーの人がアートメイクを検討する際、確認しておくとよいことや条件・注意点などを紹介します。
ダウンタイムがある
アートメイクは医療行為であり美容施術のため、金属アレルギーがある人も、そういった問題がない人も『ダウンタイム』があります。
ダウンタイムとは、施術してから状態が落ち着くまでの間、肌に副作用などのさまざまな症状や変化がある期間のことです。
アートメイクで見られるダウンタイムの症状は以下の通りです。
施術部位 | 症状 | 期間 | 注意点 |
眉 | ・赤み、腫れ ・ヒリつき |
1~2週間 | ・メイク、洗顔、クレンジングは避ける ・濡らさない、触らない |
アイ ライン |
赤み、腫れ | 約1週間 | メイクやコンタクト装着を控える |
リップ | ・皮がむける ・口唇ヘルペス |
1週間~10日 | 紫外線を避け刺激物を控える |
ヘア ライン |
・赤み、腫れ ・痛み |
1~2週間 | ・クリニックによって数日は洗髪が禁止 ・洗髪の際は爪を立てない |
ほくろ | ・赤み、腫れ ・痛み |
約1週間 | 薄い皮ができた場合は無理に取り除かない |
どの部位にも以下のことがいえるため、数日は様子を見ましょう。
- かさぶたになった場合は無理に剥がさない。治りかけは痒い
- 施術直後は色が濃い・色ムラ・線が太いなど感じるが徐々に落ち着く
また、口唇ヘルペスに罹った場合は施術を受けたクリニックを受診し対応してもらいましょう。
→アートメイクの部位別ダウンタイムの症状とアフターケアについて紹介
重度の金属アレルギーの場合は受けられない
金属アレルギーは重度になると水ぶくれや潰瘍・ただれ、全身の倦怠感や発熱・呼吸困難などの深刻な症状を引き起こす場合があります。
金属アレルギーの重症度は軽度・中程度・重度とあり、軽度では痒みやかぶれ・ぶつぶつ程度です。
しかし重度の人のアレルギー症状は、例えパッチテストといえどアナフィラキシー症状が出るケースも稀にあります。
そういった重度の金属アレルギーの場合はもちろん、アートメイクの施術を受けることはできません。
アートメイクを受けられない他の条件
アートメイクの施術は、金属アレルギー以外でも受けられない条件があります。
花粉症を発症している場合は施術中に目などを掻いてしまったり、掻くことで感染症を引き起こしたりする恐れがあります。
薬物アレルギーをもつ人は、施術の際の麻酔クリームや麻酔薬に反応してしまう可能性があります。
麻酔の観点からすると、妊娠中や授乳中の人もリスクを伴います。
ケロイド体質の人は施術後に傷がきれいに治らず残りやすいため、クリニックによってはアートメイクを受けられません。
他にも、持病や内服薬を服用している、がん治療中など、アートメイクを検討する際に気をつけなければならないのは金属アレルギーだけではありません。
ここに挙げた条件以外にも心当たりのある人は、自己判断せずクリニックにしっかりと相談しましょう。
MRI検査が受けられなくなる場合も
アートメイクの施術を受けるとMRI検査が受けられないという話をよく聞きますが、以下に気をつけたうえで検査が可能です。
- アートメイクの施術直後は避けること
- アイラインのアートメイクはやけどのリスクが高め
- 検査前にアートメイクをしていることを医師に申し出る
以上の3つを念頭に置いてMRI検査を受けましょう。
アートメイクをしているとMRI検査が受けられないといわれる理由は、MRIで照射される強力な電磁波が、アートメイクの色素に含まれる金属に反応してやけどや検査結果の乱れなどにつながるとされているからです。
しかし現在日本で広く使用されている色素には、一般的にごく微量の金属しか含まれていないため、検査結果には殆ど影響がないと考えられています。
ただ、わずかでも含まれている金属に反応して、ピリピリと感じる可能性はあります。
そして、アートメイクで上下ともアイラインを入れている場合、目を開けてMRI検査を受けるとアイラインが輪状になり誘導電流が発生しやすくなるため、発熱リスクが高まってやけどをする危険性があります。
MRI検査を受ける可能性を考えて、アートメイクの施術前にクリニックが取り扱っている色素が、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可やCEマーク(EU加盟国の基準を満たすものに付けられる基準適合マーク)がある金属成分の少ない色素かどうか確認しましょう。
信頼されている基準で認められた色素を使用することは、金属アレルギーの人がより安心にアートメイクを受けることにも繋がります。
まとめ
施術に使われる医療機器や色素、アートメイクを受けるために気をつけることや注意点について詳しく知ると、金属アレルギーの人でもアートメイクの施術を受けられることが分かりました。
できるだけ金属成分が少ない色素を使うことは金属アレルギー発症のリスクを下げます。
そのなかでもDmitry KhatkinのPMUブランド『COLORICA(カロリカ) 』は、完全オーガニック、鉄分フリーのため安心です。
他にも、MRI検査で磁場の影響を一切受けない、酸化鉄を用いないなど、安心できる条件で選ばれている色素があります。
金属アレルギーでアートメイクを検討している人は、安全な色素の選択にもこだわっているクリニックをおすすめします。