サーマクールFLXとは?施術手順と術後の注意点を紹介
メスを使用せずに、高周波を照射するだけでたるみが改善できると話題の「サーマクール」。
その最新機種である「サーマクールFLX」は、従来のサーマクールよりも照射深度や照射パワーが強化されただけではなく、痛みも大幅にダウンし、治療時間も短縮しています。
しかも効果の持続性もアップしており、従来よりも肌の引き締め効果を長く実感できるようになっています。
そんな画期的なたるみ治療器であるサーマクールFLXですが、パワーアップしたのと同時に「術後気をつけなければいけないことも増えているのではないか」と、不安になられる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事ではサーマクールFLXの基礎知識と施術手順、術後の注意点について詳しくご紹介します。サーマクールFLXの施術を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
サーマクールFLXの基礎知識
サーマクールFLXは、第3世代「サーマクールCPT」の登場から約8年後に登場しました。従来のCPTに比べて熱ボリュームが1.3倍、深達度が180%アップしたため、施術後すぐの引き締め効果がよりいっそう高まっています。
手術や注入系など、メスや針を使用する施術は受けたくないという方にとって、非常に嬉しい美容医療なのではないでしょうか。
ここではまず、サーマクールFLXの基礎知識をご紹介します。
サーマクールFLXのメカニズム
サーマクールFLXは、高周波(RF波)エネルギーを皮膚に照射することで、真皮層内に熱を生じさせ、コラーゲン線維を収縮させるマシンです。これにより引き締め効果が期待できるだけでなく、新しいコラーゲンの産生も促進するため、徐々に若々しい肌へ変化させます。
これまでのサーマクールは、主に皮下2.5mmから3.0mmの深さまで熱せられましたが、サーマクールFLXは4.3mmにまで到達し、より皮膚の深い部分に熱変性を起こせるようになりました。
また、高周波エネルギー照射中と施術前後に冷却ガスを吹きつけることで皮膚表面を保護し、火傷や痛みの心配も軽減しています。
サーマクールFLXの効果
今やたるみ治療の代表といっても過言ではないほどの人気を誇る「サーマクール」は、コラーゲン線維の収縮と、創傷治癒過程で起こる長期的なコラーゲン産生という2つの反応でアンチエイジングを叶えます。
以下は、サーマクールFLXの主な効果です。
- たるみや小じわの改善
- 毛穴の開き改善
- ニキビ、ニキビ痕の改善
- 肌質改善
- フェイスラインの引き締め
- 小顔効果
サーマクールFLXは、顔だけでなく目元や体に施術を行えるのも特徴です。効果は施術後2ヶ月から3ヶ月後ほどで最大化し、その後は約6ヶ月から1年間近く続くとされています。また、継続して施術を受けることで、より高い効果を得られます。
サーマクールFLXの禁忌
サーマクールFLXは、「たるみが気になるけれど手術はしたくない」「1度で高い効果を得られる施術が受けたい」という方におすすめです。
しかし以下の方は、サーマクールFLXの施術を受けられないのでご注意ください。
- 施術部位に金の糸やプレートなどの金属が入っている方
- 妊娠中もしくは授乳中の方
- 施術部位に傷跡や化膿がある方
- 出血性疾患やケロイド体質の方
- 肌の乾燥や炎症が強い方
- その他医師に不適切だと判断された方
サーマクールFLXは、骨格や脂肪のつき具合によって頬がこけるなどの症状が現れることもあります。医師が不適切だと判断した場合には、残念ながら施術は受けられませんが、自分に適した施術を受けることがもっとも大切ですので、医師の指示に従いましょう。
サーマクールCPTとFLXの違い
サーマクールには「サーマクールCPT」と「サーマクールFLX」がありますが、サーマクールCPTは3代目の機器、サーマクールFLXは4代目の機器です。
サーマクールFLXは、サーマクールCPTに比べて熱がより深くまで伝わることや、照射中に肌を冷却できることで痛みが軽減されているのが特徴。
また、ムラのない施術が可能となったことから、照射時間は25%ほど短縮されて施術時間が短くなっているのもポイントです。
サーマクールとHIFU(ハイフ)の違い
サーマクールのようにたるみ治療に用いられる機器にHIFU(ハイフ)がありますが、この2つは熱の届く範囲が違います。
真皮層に熱を与えて肌を引き締めるサーマクールに対して、ハイフは真皮層より下のSMAS筋膜に熱を与えることで、肌を引き締めていきます。
また、サーマクールは体全体に使用できる施術ですが、ハイフは顔から首までの施術が一般的。(機器によっては体に使用できるものもあります)
サーマクールとハイフの併用もおすすめで、サーマクールで全体的に引き締めたあとに顔の細かい部分をはハイフで引き上げるという方法もあります。
サーマクールとハイフの併用については、こちらの記事もご覧ください。
→ウルセラとサーマクールでたるみ改善!他施術との違いや併用症例を紹介
サーマクールのデメリットや注意点
サーマクールは効果の高い治療ですが、デメリットもあることを理解して施術を受けるようにしましょう。
ここからは、サーマクールのデメリットや注意点をご紹介します。
他の美容医療に比べて痛みが強い
サーマクールは、他の美容医療の治療に比べると痛みが強いといわれています。実際には麻酔をしてから施術を行うため、多少痛みは軽減されますが、痛みを感じるという方も多いです。
サーマクールは高周波による熱作用で皮膚内部に軽いやけどを起こし、それが治っていく過程で肌質を改善させる仕組みなので、施術終盤になると肌への熱が蓄積して痛みを感じやすいといわれています。
あまりにも痛みが我慢できない方や、もともと痛みに弱い方に対しては、麻酔の量を調整したり、出力を下げたりすることで対応できるため、カウンセリングの際に確認してみるようにしましょう。
最適な施術回数での治療が必要(やりすぎ注意)
サーマクールは、やりすぎてしまうと肌の引き締め効果が強く出すぎてしまい、頬がこけたように見えてしまうことがあります。
頬がこけてしまうと、やつれている、老けているという印象を与えてしまうため、過剰に施術を受けることは控えましょう。
施術回数や頻度については、個人差があるので必ず医師に相談して決めることをおすすめします。
サーマクールの副作用について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→サーマクールはやりすぎると頬がこける?リスクと効果を得るための3つのポイント
サーマクールFLXの施術手順
サーマクールFLXは、施術者によって結果が違ってくる施術であるため、まずは信頼できるクリニックを探すことからはじめるのがおすすめです。
よく「サーマクール認定医」という言葉を目にしますが、サーマクール認定医とは、メーカーのトレーニングプログラムを修了した医師のことです。機器の原理をしっかりと理解し、メーカーが推奨する安全かつ効果的な方法を習得しているためひとつの目安として考えるとよいでしょう。
それでは、サーマクールFLXの一般的な施術手順についてご紹介します。
カウンセリング、医師の診察
カウンセリングでは、カウンセラーや担当医が照射する範囲や施術後の仕上がりなどについての要望を聞き、入念に診察したうえでサーマクールFLXが適しているかを判断します。
そして患者さんの要望にどの程度応えられるのか、具体的な施術の流れ、術後の経過などについても詳しく説明されるので、気になることや疑問点は必ず質問してみましょう。
麻酔クリームを塗布
メイクをして来院された方は、カウンセリング後にしっかりとクレンジングと洗顔をします。洗顔後は施術室へと移動し、施術部位にマーキングをしてから麻酔クリームを塗布します。
麻酔クリームは、施術内容や患者さんの体質、痛みへの耐性などによって塗布する量や範囲を変えてくれるので、安心して施術を待ちましょう。
サーマクールFLXを照射
麻酔クリームが効いてきたところで専用ジェルを塗り、いよいよサーマクールFLXを照射していきます。施術時間は、顔全体でおよそ15分です。
サーマクール認定医が、それぞれの患者さんの肌に最適な設定で施術を行うため痛みはわずかですが、我慢できないほどの熱さや痛みを感じる場合には申し出るようにしてください。
アイシング
施術終了後は、必要に応じて5分から10分程度施術部位をアイシングします。アイシングすることで術後の腫れを抑えられます。
クリニックによっては専用のリラクゼーションルームを利用できたり、パックなどがサービスで利用できたりするので、ゆったりと過ごすとよいでしょう。
帰宅
クーリング後は、肌の状態を確認して終了します。施術後すぐにメイクをして帰宅できるので、そのままお出かけも可能です。
サーマクールFLX術後の注意点
サーマクールFLXは、安全性が確立された高周波機器です。効果の高さに対してリスクや副作用、ダウンタイムが少ないことでも評価されています。
施術後の生活にもとくに禁止事項はありませんが、これからご紹介することに注意するとしっかりと効果を感じられるでしょう。
血行がよくなることは要注意
サーマクールFLXは、施術当日から洗顔やメイク、シャワーなどが可能なため、日常生活にほとんど支障がないのも特徴です。
ただし、稀に腫れが生じる可能性もあるので、以下のような血行を促進する行為については注意しなければいけません。
- 激しい運動
- 過度の飲酒
- 長時間の入浴
- エステやマッサージ
万が一赤みや腫れが生じた場合でも、2日から3日のうちに引くことがほとんどです。
十分に保湿を行う
サーマクールFLXは、施術後肌が乾燥しやすくなります。肌の水分不足によりシワが増える原因になることもあるため、十分に保湿を行って肌を労ってあげてください。
おすすめのケアは、化粧水をたっぷりとコットンに含んで肌全体に乗せるローションパックです。自分の肌の調子に合わせて行えばよいですが、施術後1週間程度は朝晩の2回、それ以降は夜のみにしてもよいでしょう。
以下は、おすすめのローションパックの方法です。
- 化粧水を手で肌に伸ばし浸透させる
- 化粧水をたっぷりと浸透させたコットン(大判がおすすめ)を4等分に割く
- おでこと両頬の計3箇所に割いたコットンを貼っていく
- 残りの1枚を半分に割いて鼻と顎に貼る
- 肌が露出している箇所が気になる場合は小さく割いたコットンを貼っていく
- 5分から10分程度そのままにする
- コットンが乾かないうちに剥がして完了
コットンを長い時間肌につけておくと、コットンが乾燥して逆に肌の水分を奪ってしまうので、あまり長く放置しないようにするのがポイントです。また、パックの後は擦ったり叩いたりせずに優しく馴染ませるようにしましょう。
トラブルは早めに医師に相談
サーマクールFLXは、術後わずかな発赤や熱感、痒みや痛みなどが生じることもあります。また、稀に毛嚢炎やシミが一時的に濃くなる、色素沈着などが生じる可能性もあるので、気になる症状がある場合は早めに施術を受けたクリニックへ相談するようにしましょう。
以下は、サーマクールFLXの施術で起こりがちなトラブルとその対応の例です。
- 火傷:炎症が抑えられるステロイドクリームを処方
- 色素沈着:ハイドロキノンクリームやトレチノインクリームを処方
- 凹み:ヒアルロン酸注入など
これらのトラブルは、施術中の熱さを我慢しすぎた方に起こりがちです。熱さは効果と比例する面もありますが、熱すぎる施術は火傷の可能性が高まるため注意してください。
まとめ
サーマクールFLXの基礎知識と施術手順、術後の注意点について詳しくご紹介しました。
サーマクールFLXは副作用やダウンタイムが少ないにもかかわらず、効果が高いことで話題の施術です。患者さんの症状や既往症、骨格、皮膚の厚みなどによっては施術が受けられない場合もありますが、たるみには抜群の効果を発揮するため非常におすすめです。
術後は今回ご紹介した注意点を守ることで効果を高められるので、サーマクールFLXの施術を受けた際はぜひ参考にしてみてください。