エラスチンは副作用がある?摂取方法や役割・効果がだせる方法も紹介
エラスチンは肌を構成・維持するために欠かせない成分です。
しかし、サプリメントなどのように外から摂取する場合、副作用など注意しなければいけない点などはあるのでしょうか?
この記事では、副作用やエラスチンの働き・効果、正しい摂取方法などを紹介します。
コラーゲンやヒアルロン酸と比べるとあまり知られていないエラスチンについて、詳しく知って美しい肌作りに役立てましょう。
目次
エラスチンとは
エラスチンとは、コラーゲンと同じく肌を構成する繊維性のタンパク質ですが、その働きは少し違います。
エラスチンがどのような成分なのかを紹介します。
真皮層にわずかに存在するタンパク質
一般的に知られているコラーゲンは網目状に張り巡らされて肌を形作っていますが、このコラーゲンを繋ぎ合わせて全体に弾力を与えているのが、エラスチンです。
皮膚は『表皮』『真皮』『皮下組織』の3層で構成され、そのなかでも肌の美しさを保つ成分が存在する真皮のうち、70%をコラーゲンが占めています。
それに対してエラスチンは、真皮のうちのわずか2~4%という割合で、大変重要な役目を果たしています。
しかし、エラスチンは40代になると20代の3分の1程度に、50代にいたっては20%程度にまで減ってしまい、質も低下していってしまいます。
体内で再生できなくなる
経口摂取から体内で生成に結びつくコラーゲンと違って、エラスチンは自力では増えないといわれているため、肌の不調を整えるには足りない分を補わなければいけません。
エラスチンは赤ちゃんから青年期までに線維芽細胞が生成する成分で、一度エラスチンが生成されると、それ以降は継続して生成されるとは限らないことが分かっています。
25歳辺りをピークとして、それ以降は老化や紫外線による破壊などでほぼ減少する一方です。
エラスチンが生成されたり存在したりするうちは、コラーゲンを積極的に摂取して線維芽細胞の活性化を図り、できるだけエラスチンの量や質を維持することが望ましいです。
エラスチンを破壊する要因
加齢以外でも、以下のような生活習慣などでエラスチンは破壊され、減少します。
- ストレス
- 老化(糖化ストレス)
- 紫外線(酸化ストレス)
- 喫煙
- 睡眠不足
- 食生活
『糖化ストレス』とは、糖分の摂り過ぎによって「身体が焦げるor黄ばむ」ことをいい、糖分を沢山摂ることができなかった昔にはなかった、老化の原因の一つといわれています。
今は破壊されたエラスチンを直接増やす方法はほぼないため、今存在するエラスチンが破壊されないよう、上記に気をつけることが大切です。
水に溶けない
エラスチンは殆ど水に溶けず、抽出もむずかしいため、近年まで研究がなかなかすすまずにきています。
分子構造が大きいため、特に化粧品への応用によって効果が期待できるものではないとされてきました。
そういった理由でこれまではサプリなどで体内にエラスチンとして取り入れることは困難とされてきましたが、今後新しい発見などにより期待できる摂取方法が見つからないともかぎりません。
実際には効果を謳うサプリメントやコスメが販売されているため、誰でも手軽に摂取できる方法が今後発表されることに期待が集まっています。
エラスチンの副作用
さまざまな開発が進められるなか、エラスチンを体内に取り入れる効果を期待して、サプリメントやコスメなどがさまざまな形で提供されています。
そして経口摂取での副作用を考える時に気をつけて欲しいのは、過剰摂取の危険性です。
エラスチンを摂取する際の副作用について紹介します。
内臓に負担がかかる
エラスチンはタンパク質であり消化がよくないため、摂り過ぎることで肝臓や腎臓に大きな負担をかけることとなります。
エラスチンに限らず、サプリメントにはさまざまな添加物が含まれているため、過剰摂取すると副作用の心配は避けられません。
最近は通販の拡大により、個人輸入でサプリメントを購入する人も増えていますが、万が一の場合の補償やフォローが期待できない購入は大きなリスクです。
サプリを取り入れる際は、用法・用量を守った正しい利用が不可欠です。
アレルギー反応
食品に対してアレルギーのある人は、エラスチンに限らずサプリメント利用の際は自身の体質とサプリの成分・詳細をしっかりと把握したうえで検討・利用しましょう。
エラスチンの効果を謳うサプリメントには、魚由来や豚由来などのものがあり、なかには効果の報告がなされている製品もあります。
しかしアレルギーはときに命を危険に晒す可能性があるため、十分な注意が必要です。
体重増加やニキビなどの原因に
エラスチンを成分として提供されるサプリメントは、主成分がタンパク質であることを考えると、脂質や糖質も含まれることが考えられます。
脂質や糖質の摂り過ぎはニキビなどの肌トラブルや体重増加の原因となります。
サプリメントは「摂れば摂った分だけ結果が出る」というものではなく、摂り過ぎはいい結果を生まない場合があることを理解しておきましょう。
エラスチンの役割・効果
エラスチンは体内でどのような役割を担っているのか、摂取することでどのような効果があるのかを紹介します。
単なる美容成分ではなく、生命維持のための重要な働きをする部分もあるため、参考にしてください。
血管に柔らかさとしなやかさを与える
エラスチンが動脈と静脈の血管壁に含まれることで、柔らかさやしなやかさを保っているため、血管の拡張と収縮がスムーズに行われています。
血管が加齢や生活習慣などで固くなってしまい、詰まったり破れたりすると、動脈硬化や心筋梗塞などの恐ろしい病気を引き起こす原因となります。
エラスチンペプチドの経口摂取により血管の柔軟性が改善されたという例の報告もあるため、エラスチンは再生しないとされていても、可能性がないとは言い切れないでしょう。
肌のハリと弾力を保つ
エラスチンは、コラーゲンと共に肌のハリと弾力を保っています。
肌にハリや弾力を与える成分としてはコラーゲンがよく知られていますが、コラーゲンは肌を形作り、エラスチンはそれを編むように束ねることで、弾性を生んでいます。
コラーゲンとエラスチンは切っても切れない関係といえる、どちらも欠かせない成分です。
靭帯の伸縮性を維持する
エラスチンには靭帯の働きをサポートする働きがあります。
靭帯は骨どうしをつなぎ関節を形作っているため、エラスチンのような伸縮性がある成分が必要です。
他にも、靭帯損傷の際の治療として、エラスチンの投与が治癒反応を促進する効果があるといった期待につながる研究成果も報告されています。
エラスチンを増やすには
エラスチンを増やすために、日常でできる方法を紹介します。
エラスチンを増やすことは簡単なことではありませんが、日々積み重ねることが大切です。
→エラスチンを増やす方法は?肌の弾力を取り戻すセルフケアや美容医療を紹介
食事から摂取する
エラスチンは分子が大きく水に溶けない性質があるため、食事を通して摂取することは大変むずかしいといえます。
しかし、エラスチンの研究は肌を構成する他の成分に比べまだまだ新しい発見の余地があり、栄養として積極的に取り入れることが、これから先もまったく効果がないとはいえないでしょう。
エラスチンを多く含む食材は、牛すじ肉や鶏の手羽先、軟骨、カレイの煮つけなどによくある煮凝りなど、他にも血管や肺・皮膚といった弾力のある組織などに多く存在します。
アプローチをあらゆる方面から行い、できるだけのことをすることが、結果につながるかもしれません。
→エラスチンを多く含む食べ物とは?肌のハリを保つための効率的な食べ方のポイント解説
コラーゲンを増やす
コラーゲンを摂取・分解することで発生するコラーゲンペプチドは、線維芽細胞を活性化させます。
線維芽細胞はコラーゲンやエラスチンを生成できる細胞のため、活性化させることでエラスチン生成・維持の一助になるかもしれません。
その際、コラーゲンの摂取量の目安は1日あたり5~10gとされているため、副作用を引き起こさないよう、正しく摂取しましょう。
コラーゲンの摂取方法にはサプリメントやドリンク・ゼリーなどさまざまありますが、いつ飲むかが効果をだすためには重要です。
コラーゲンが生成されるのは『お肌のゴールデンタイム』である22~2時の間のため、その時間帯を狙って、就寝前の1時間~1時間半くらいに、毎日摂取する習慣をつけましょう。
→コラーゲンを摂取しても意味がないって本当?効果的なアプローチ方法を解説!
唯一結果が出せる『再生医療』
エラスチンの直接摂取については、今はまだ研究段階ですが、『再生医療』なら、線維芽細胞の増殖を叶えることで、エラスチンを新たに生成することが可能です。
再生医療には、以下の2つがあります
- PRP皮膚再生療法:自身の血小板を取り出し気になる箇所へ注入、自己修復能力を促進・利用
- 線維芽細胞治療:自身の線維芽細胞を培養・移植
以上の方法はどちらも新たなエラスチンの生成が可能であり、元々自身の血液や皮膚から採取し戻すため、アレルギーの心配もありません。
しかし、費用は高額になりダウンタイムもあることを考慮する必要があります。
まとめ
エラスチンを摂取する際の副作用について、効果や摂取方法なども合わせて紹介しました。
エラスチンを増やすことは今の時点では簡単なことではありませんが、できないことではなく、結果をしっかりだすことも可能です。
そしてこれからの研究で、コラーゲンのように経口摂取で手軽に、そして確実に増やす方法が見つかるかもしれません。
それまでは、私達が自分でできることをしっかり実践していきましょう。