エラスチンを増やす方法は?肌の弾力を取り戻すセルフケアや美容医療を紹介
「最近肌に弾力が足りない」「ハリがなくなってきた」などのお悩みは、年齢を重ねるごとに増えてくるものです。そのような場合、エラスチンが減少しているかもしれません。
肌の弾力やハリというと、コラーゲンを思い浮かべる方が多いですが、実はエラスチンも重要な役割を担っているため、美肌を目指すのであればエラスチンを増やす方法を知っておくことが大切です。
この記事では、エラスチンの役割や増やす方法を紹介します。日常の中でできるセルフケアだけでなく、美容医療でエラスチンを増やす方法も紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
エラスチンの減少はたるみ・シワの原因になる
エラスチンは、コラーゲンと同じく肌の弾力やハリの維持に欠かせない成分です。
さまざまな働きがあり肌にとって非常に重要な物質ですが、サプリメントや化粧品などによく使用されるコラーゲンと比べて、あまりなじみがないという方も多いのではないでしょうか。
ここではまず、エラスチンの役割などについて紹介します。
エラスチンとは
エラスチンとは、肌の弾力やハリを維持するために必要なタンパク質のひとつです。全身へ血液を運ぶ大動脈や伸び縮みする肺、関節の曲げ伸ばしに必要な靭帯、皮膚の真皮などに多く含まれています。
しなやかで弾力性に富み、加えていた力を外すと元に戻る性質をもっていることから、『弾性繊維』とも呼ばれていて、コラーゲン繊維に絡みついてまとめる役割を担っています。
水などに溶け込みにくく扱いにくい物質であるため、コラーゲンやヒアルロン酸と比べてあまり研究が進んでいませんでした。しかし近年、エラスチンを溶剤に溶かし込む方法が確立されたことから、急速に研究が進んでいます。
エラスチンは自力で増えない
エラスチンの分泌量は、25歳頃がピークです。その後は徐々に減少し、40歳を過ぎる頃から急激に減少します。
また、加齢だけでなくストレスや紫外線、喫煙などによっても減少しますが、エラスチンは自己再生ができないため、一度壊れてしまうと元には戻らない点に注意が必要です。
体内で作り出すことができるコラーゲンに対し、エラスチンは乳児期から青年期にかけて線維芽細胞の中で一度作られたあとは、基本的に自力では増えません。
エラスチンの減少はたるみ・シワの原因になる
エラスチンが減少すると、肌の弾力が失われてたるみやシワの原因になります。
加齢や紫外線などによって発生した活性酸素が線維芽細胞を刺激することにより、エラスチンを分解する『エラスターゼ』という酵素が産生されると、エラスチンが変性したり減少したりするため、肌が硬くなり、たるみやシワができてしまいます。
肌以外では、血管の老化によって動脈硬化や心筋梗塞、脳血栓などの重篤な病気になったり、靭帯の伸縮性が失われて怪我をしやすくなったりする可能性も。
40歳を過ぎてエラスチンが著しく減少し始めてからは、特に注意が必要です。
エラスチンを増やす方法は? 取り方は?
一度減ってしまうと自力で増やすことが難しいエラスチンを増やすには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、普段の生活の中でエラスチンを増やす方法を紹介します。
エラスチンを増やす食品を食べる
エラスチンがもっとも多く含まれるのは、豚や牛などの動物の大動脈血管です。しかし日常の食卓に取り入れるのは難しいため、代わりにコラーゲンの生成を促進するような食品を食べる方が現実的だといえます。
コラーゲンは、エラスチンを増やすカギです。
コラーゲンにはエラスチンのもととなる線維芽細胞を活性化する働きがあり、線維芽細胞が活発に働くことで、エラスチンの生成が促進されるため、結果的にエラスチンの増加につながります。
コラーゲンの材料となるのは『リジン』や『プロリン』などのアミノ酸です。それらのアミノ酸にビタミンCや鉄分、女性ホルモンなどが加わると、線維芽細胞の中でコラーゲンが生成されます。
以下は、コラーゲンの生成に必要な成分を多く含む食品の例です。
【タンパク質】
- 豚モツ
- 牛スジ
- 鶏皮
- 手羽先
- 軟骨
- うなぎ など
【ビタミンC】
- キウイ
- イチゴ
- ブロッコリー
- 赤ピーマン
- 黄ピーマン など
【鉄分】
- レバー
- 赤みの肉
- カツオ
- 牡蠣
- イワシ など
体内でコラーゲンが生成されるまでには1〜3ヶ月程度かかります。
また、上記の食品を食べたとしてもすべてがそのままエラスチンになるわけではなく、十分な量に増やすのは難しいといわれていますが、継続して摂取することで良い状態を保つことにつながります。
サプリメントで摂取する
エラスチンを食品からそのまま摂取するのは難しいとされているため、サプリメントで摂取するのがおすすめです。
エラスチンの研究が始まったのは最近ですが、すでにさまざまなメーカーからエラスチンや、より小さい分子構造に分解したエラスチンペプチドを配合したサプリメントが販売されています。
しかし、それらのサプリメントから摂取したエラスチンは、体内への吸収が難しいと考えられているため、効果を期待しすぎないことが大切です。
最近の研究では、線維芽細胞の活性化がコラーゲンやエラスチンなどの生成を促進することがわかっています。
上記でもご紹介した通り、コラーゲンにはエラスチンのもととなる線維芽細胞を活性化する働きがあるため、コラーゲンのサプリメントを摂取するのもひとつの方法です。
コラーゲンサプリもエラスチンサプリと同様、経口摂取による皮膚への効果が立証されているわけではありませんが、摂取するのであれば、コラーゲンがアミノ酸に分解される過程で発生する『コラーゲンペプチド(低分子コラーゲン)』が配合したサプリメントを選ぶとよいでしょう。
サプリメントで摂取した成分を、肌のターンオーバーが活発になるといわれている22時から2時頃に体内で活用するためには、ベッドに入る1〜1時間半前くらいに飲むのがおすすめです。
化粧品やスキンケアでエラスチンの増加をサポートする
化粧品やスキンケアでも、エラスチンの増加をサポートできます。
エラスチンが配合している化粧品を塗っても、直接肌のエラスチンが増えるわけではありませんが、『ネオダーミル』や『ナールスゲン』などの線維芽細胞を刺激する成分を補うことで、エラスチンの増加をサポートしてくれる可能性があります。
また、エラスチンの増加には、コラーゲンペプチドが配合されている化粧品を使うのもおすすめです。通常のコラーゲンでは分子が大きく肌の内部まで浸透しないため、分子の小さいコラーゲンペプチドを選びましょう。
それに加えて『ビタミンC誘導体』や『レチノール』を取り入れると、コラーゲンの働きをサポートしてくれます。
正しい生活習慣がエラスチンの減少を緩やかにする
エラスチンを増やすために食べ物やサプリ、化粧品などに気をつけても、生活習慣が乱れていては意味がありません。
エラスチンの減少を緩やかにするためにも、以下のことに注意して生活することをおすすめします。
- 毎日6〜8時間程度の睡眠をとる
- 毎日20分程度の軽い運動を続ける
睡眠不足は肌のターンオーバーの乱れを招くだけでなく、線維芽細胞の働きを低下させるなど、肌に多くの負担をかけてしまいます。眠る1〜2時間前にはテレビやスマホを見るのをやめ、リラックスして過ごすなど、毎日しっかりと良質な睡眠をとるように心がけましょう。
また、20分程度の軽い運動を毎日続けることも大切です。ウォーキングやヨガ、スイミングなど、自分が継続しやすい運動を取り入れるようにしてください。
エラスチンは美容医療でも増やせる
毎日の生活の中でできることに加えて、美容医療を取り入れるのもひとつの方法です。
エラスチンを直接摂取する方法は確立されていませんが、エラスチンを生成する線維芽細胞を増やす再生医療はすでに行われています。
おすすめは『PRP皮膚再生療法』です。
自身の血液から高濃度の血小板を抽出して肌に直接注入することで、皮膚の組織を再生し、たるみやシワなどのエイジングサインを改善します。
自身の血液を使用するため、副作用やリスクもなく、治療から1〜3ヶ月後には効果を実感できるようになります。
PRP皮膚再生療法の効果や施術の流れ、料金相場などについては、こちらで詳しく紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
→prp療法の美容効果は?いつから実感できる?持続期間・副作用なども紹介
→PRP療法とは?美容クリニックでの施術の流れやクリニックの選び方について紹介
→PRP療法を美容目的で受けるときの料金相場と安さで選んではいけない3つの理由
なお、当院のPRP皮膚再生療法についての詳しい情報は、こちらのページをご覧ください。
まとめ
エラスチンの役割や増やす方法を紹介しました。
エラスチンは、コラーゲンやヒアルロン酸と同じく肌の真皮層に存在し、肌の弾力やハリを作り出す成分です。40歳を過ぎる頃になると急激に減少してしまい、自己再生もできないため、外部から積極的に補う必要があります。
食べ物やサプリメント、化粧品やスキンケアなど自宅でできるセルフケアを行うことで、エラスチンの生成をサポートすることが大切ですが、体内のエラスチンを確実に増やしたいのであれば、美容医療を取り入れるのがおすすめです。
エラスチンを増やして美肌を手に入れたい、たるみやシワを改善したいという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。