グルタチオンの効果と体への影響は?メリット・デメリットや副作用について解説
グルタチオンは、美白・美肌効果のほかに医薬品としての役割も果たす美容成分で、アンチエイジングの効果も期待できる物質です。
自由診療のほかさまざまな病態や症状の治療に用いられていて、美容医療ではグルタチオン注射・グルタチオン点滴のことを『白玉注射』や『白玉点滴』などの名称で呼ぶケースが多いです。
この記事では、グルタチオンの効果や身体への作用について紹介します。利用を検討している人はぜひ参考にしてください。
目次
グルタチオンとは
グルタチオンとは、グリシン・グルタミン酸・システインの3つのアミノ酸からなるペプチド化合物です。
人体の細胞内に存在することで体内に広く分布し、肝臓で作られるため特に肝臓に多く含まれます。
人の身体が外的要因を受けても健康を損なわないように保つ働きがありますが、20代以降は加齢に伴い減少するといわれています。
内服・注射・点滴の3つの投与方法があり、胃腸からはほとんど体内に吸収されないため投与の際は点滴もしくは注射を用いるのが一般的です。
身体に嬉しい多くの働きを担い、美容医療ではシミの発生抑制や美白・美肌効果などを目的として利用されます。
白玉注射・白玉点滴について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→白玉点滴(白玉注射)は本当に効果ある?リスクや副作用・継続する重要性について解説
グルタチオンの効果と作用
グルタチオンには、以下のような効果と作用があります。
抗酸化作用
グルタチオンは抗酸化作用が非常に高いため、体内の細胞が酸化することで発生するさまざまな老化現象から身体を守る効果があります。
ヒトの体内では、生命活動に必要なエネルギーを生成する過程で活性酸素が生じますが、これが増えすぎることで正常な細胞を攻撃すると、老化が促進してしまいます。
グルタチオンには、活性酸素を還元して老化を抑制する抗酸化作用があるため、脳卒中・心筋梗塞・糖尿病などの病気や全身的な老化を防ぐのに有効です。
美白・美肌効果
グルタチオンは、メラニンの発生を抑制する作用とメラニン色素が黒くなるのを防ぐ2つの作用でシミの発生・定着を防止し美肌に導く効果があります。
加齢や紫外線などにより肌の細胞内にあるグルタチオンが減少すると、色素沈着を抑制できなくなるため、シミの定着につながります。
しかし注射や点滴でグルタチオンを補給することで、肌にシミが残り続けるのを予防できるほか、耳や頭皮の美白にも効果的です。
解毒作用
グルタチオンには、解毒作用によって疲労やストレスを軽減したり、アルコール摂取によって生じるアセトアルデヒドを効率よく分解したりする作用があります。
肝臓や腎臓の働きを阻害するミネラルが体内に侵入した際、グルタチオンが肝臓でそれらのミネラルを変換して排泄を促すため、疲労やストレス・頭痛を予防するのに効果的です。
また、肝臓で毒素を無毒化する働きがあるため、二日酔いの予防にも効果を発揮します。
さらに、薬物を分解して体外に排出するため、薬物中毒に対しても効果がある優れものです。
医薬品的効果
グルタチオンは、以下のようなさまざまな疾患の予防・改善に有効だとされています。
- アセトン血性嘔吐症
- 白内障
- 脳卒中
- 不妊
- 糖尿病
- 低血糖症
- 関節炎
- パーキンソン病
- 発がん抑制作用
- 抗がん剤による神経障害
- 多発性硬化症
- 線維筋痛症
- 気管支喘息
- アレルギー
- 慢性肝疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 原因不明の急性・慢性湿疹
- 慢性疲労症候群
- レビー小体型認知症
グルタチオンはアンチエイジング効果と抗酸化作用によって医薬品的効果を発揮する成分ですが、20代をピークに加齢によって減少していきます。
経口摂取でも補えますが、胃腸で分解されるため、体内に効率よく取り入れるには点滴や注射による摂取が効率的です。
グルタチオンの副作用
グルタチオンを美容目的や医薬品として補給する場合、以下のような副作用を引き起こすおそれがあります。
- 頭痛
- 発疹
- 吐き気
- 胃痛
- 嘔吐
- 食欲不振
- アナフィラキシー
- 血圧低下
- 貧血
- 脈拍異常
グルタチオンはほとんど副作用が出ないとされていますが、まれにこれらの症状を伴う場合があります。
アナフィラキシー・血圧低下・貧血・脈拍異常はさらに重篤な副作用とされていますが、確率は非常に低いため基本的には心配ありません。
万が一副作用のような症状が出た場合は、医師に相談して指示を仰ぎましょう。
グルタチオンはこんな人におすすめ
グルタチオンは、以下のような人におすすめです。
- シミやくすみなどで悩んでいる人
- 肌を美しく保ちたい人
- 疲労がたまりやすい人
- 飲酒の頻度が多く二日酔いしやすい人
- アレルギーや発疹に悩まされている人
- 老化を予防して若々しさを保ちたい人
- グルタチオンが効果的な疾患を予防したい人
グルタチオンの美白効果は、顔だけではなく体中のさまざまな部位に効果を発揮します。
またアンチエイジング効果と免疫力を高める効果があるため、健康と若々しさを維持したい人におすすめです。
肝臓の働きを助ける役割があることから、お酒を飲む前にグルタチオン点滴をすることで二日酔いの軽減に効果が期待できます。
グルタチオンの投与方法
グルタチオンを摂取する方法は3つあります。
それぞれメリットとデメリットがあるため、自分に合った方法で摂取するのが望ましいです。
はじめての利用でどの方法がいいか分からない場合は、医師に相談してみましょう。
内服
グルタチオンを摂取する方法で最も手軽なのが、内服薬による方法です。
服用から効果が出始めるまでに時間を要しますが、通院の手間が軽減できます。
また、点滴や注射との併用も可能なため、はじめての人も試しやすいのが特徴です。
グルタチオンを内服薬として処方してもらうには、美容皮膚科やその他の診療科、オンライン診療などを利用する方法があります。
また、グルタチオンの処方に関してはこちらの記事もあわせてご覧ください。
→グルタチオンを処方してもらうには?必要な条件や理由、注意点を解説
点滴
グルタチオン点滴は、グルタチオンを摂取する手法のひとつで、白玉点滴と呼ばれることもあります。
点滴によって高濃度のグルタチオンを一度に多く投与できるため、効果が長期間持続します。
しかし、一回の点滴に時間がかかることや定期的に通う手間が発生するのがデメリットです。
注射
グルタチオン注射は、グルタチオンを注射によって投与する方法で、白玉注射と呼ばれることもあります。
点滴と比較すると短時間で施術が完了するのがメリットですが、一度に多くの量を摂取できないため点滴よりも持続期間が短いです。
また点滴同様に、通院の手間が発生するデメリットがあります。
グルタチオンの効果的な投与頻度と回数
グルタチオンは、疲労回復目的で摂取する場合は投与から数時間、美白目的で摂取する場合は通い始めてから約2〜3ヶ月後に効果を実感できます。
1回目の点滴では、疲労回復による身体のスッキリ感などが顕著に感じられます。
美容目的でグルタチオンを摂取する場合、1〜2週間おきに6〜10回のペースで点滴を行うのが目安ですが、早く効果を実感したい場合、最初の2〜4週間は短い間隔での点滴が可能です。
効果があらわれるまでの期間には個人差がありますが、全身の美白に効果的なため、イベント前に肌を綺麗にしたいなどの計画を立てる際にも有効です。
効果を実感した後は、月に1〜2回ほどの頻度で定期的に受けると、肌を若々しく保てます。
まとめ
今回は、グルタチオンの効果と身体への作用について紹介しました。
グルタチオンを身体へ直接供給する白玉点滴や白玉注射は、「透明感のある肌を手に入れたい」「歳をとっても若々しい美肌でいたい」を叶える美容法です。
また、アンチエイジング効果や抗酸化作用などで身体のあらゆるトラブルを予防・改善できます。
効果を実感するまでには6〜10回ほど施術を受けることが推奨されていて、その後は1ヶ月に1〜2回ほどの頻度でメンテナンスに通うのがおすすめです。
内服薬もありますが、注射や点滴のほうが濃度が高く吸収効率が良いです。
さらに、点滴と注射では点滴のほうが多くの量を一度に注入できるため、効果をできるだけ持続させたい場合は点滴、時間がないなかで通う場合は注射を選びましょう。