ヒアルロン酸注射は効果なし?治療部位ごとに効果が現れない原因を解説
ヒアルロン酸注射をシワやほうれい線の改善、鼻や唇の整形を目的に行った場合、思うように効果が現れないケースがあります。
例えば、注射した位置が悪かった、注入するヒアルロン酸の量が多すぎたなどの原因が施術後の仕上がりに影響するといわれています。ヒアルロン酸を注射する部位によっては、効果が現れにくいため、施術前に正しい知識を得ておくことが大事です。
この記事では、ヒアルロン酸注射の効果が現れない理由や思ったような仕上がりにならない原因などを紹介します。
目次
ヒアルロン酸注射の効果が現れない主な理由
ヒアルロン酸注射はさまざまな美容治療に用いられます。主な治療箇所や施術の目的は以下の通りです。
- シワ、ほうれい線を目立たなくする
- 目の下のクマを目立たなくする
- 鼻筋の形を整える
- 唇に自然なふくらみを持たせる
しかし、ヒアルロン酸を注射しても、思ったような効果を得られなかったり、逆効果になってしまったりすることもあります。
そのようなときに考えられる原因について詳しく解説します。
シワ・ほうれい線の治療に効果が現れない理由
シワやほうれい線の治療を目的としたヒアルロン酸注射で効果が現れない原因は、顔の皮膚にできたラインが深すぎることが考えられます。
例えば、深すぎるシワや、頬にはっきり現れているほうれい線を解消するためには、ヒアルロン酸の注入では対応しきれない場合があります。
ほうれい線ができる主な原因は、乾燥によるこじわです。乾燥した肌に紫外線などのダメージが加わることで肌のハリが失われ、顔全体がたるむことでほうれい線がどんどん深くなっていきます。
また、加齢によって運動量が減ることに伴い、顔の皮下脂肪が急激に減少することもほうれい線が目立つようになる原因の一つです。
脂肪が落ちたことによるほうれい線の改善は、ヒアルロン酸では十分な効果を期待できません。深刻なシワやほうれい線には、ヒアルロン酸注射だけではなく、脂肪注射など他の治療方法を検討してみてください。
目の下のクマの治療に効果が現れない理由
目の下にクマができる原因の一つとして、目を開けたり閉じたりする眼輪筋という筋肉の衰えが挙げられます。
眼輪筋が弱ることで、眼窩脂肪という目元の皮下脂肪が前方に張り出してしまい、目元がくぼんで影ができることでクマが現れます。
皮下脂肪の前突を改善するために、くぼみとなっている箇所にヒアルロン酸を注射する治療法があります。しかし、この方法は非常に丁寧な施術が求められるものです。わずかでもヒアルロン酸の量や注射する位置がずれると、却ってクマが目立つこともありえます。
目元のたるみによってできたクマの治療には、眼窩脂肪を摘出してくぼみを解消する手術の方が向いています。
鼻筋の治療に効果が現れない理由
鼻筋の形を整えるためにヒアルロン酸注射を行っても効果が現れない原因は、注入したヒアルロン酸が徐々に体内に吸収されていくためです。
鼻のラインをまっすぐにする、鼻に高さを出すといった治療に対してまったく効果がないというわけではありませんが、永続的な効果を期待することはできません。
早ければ1年、一般的には2~3年で注射したヒアルロン酸の効果が失われるといわれています。また、団子鼻の形の修正や小鼻を小さくする治療には、ヒアルロン酸注射だけでなく、切開手術を併用することも必要です。
唇の整形に効果が現れない理由
唇の形を整えるために注入したヒアルロン酸は、比較的早く体内に吸収されてしまいます。そのため、長期間効果を維持することは難しいといわれています。
一般的に、注射してから数か月程度でヒアルロン酸の効果が薄れ始め、長くても2年程度しか唇の形を維持できません。
クリニックによっては、ある程度硬度のあるヒアルロン酸を用いることで、1~2年程は整えた形を維持しようとする働きに期待できる場合もあります。
唇の整形に関して、ヒアルロン酸注射は永続的な効果が得られる治療法とはいえないため、定期的なヒアルロン酸注射を継続する必要があります。
ヒアルロン酸注射については、以下の記事でも詳しく説明しています。参考にしてください。
→ヒアルロン酸で効果のある目の下の症状は?リスクやクリニックの選び方も紹介
→ほうれい線はヒアルロン酸で改善する?施術の特徴や向いている方・Q&Aを紹介
→ヒアルロン酸を打ち続けることのデメリットとは?ヒアル顔にならないための3つの対策法
ヒアルロン酸注射の効果が理想と乖離するケース
ヒアルロン酸注射による治療が理想と乖離する事例は、いくつか考えられます。
- 量が多すぎて顔が膨らむ
- 顔の左右の輪郭がアンバランスになる
- 注入した箇所とそうでない箇所の色見が変わる
- 笑うと表情が不自然に見える
それぞれの原因とどの部位の治療で起こりやすい事例なのかを紹介します。
ヒアルロン酸の量が多すぎて顔が膨らむ
ヒアルロン酸の注入によって額に丸みを出す、こめかみの凹みを改善する、口角から頬にかけてのたるみを改善するといった目的で施術を受けたとき、注入する量によって患部が膨らみ過ぎてしまうケースがあります。
ヒアルロン酸注入後に患部が腫れたり膨らんだりするのは、周辺の水分を吸収して一時的にむくみが出ることが原因の一つです。ヒアルロン酸の量を誤ってしまうと、顔がパンパンになったり輪郭が大きくなったりするリスクがあります。
額の丸みが出過ぎたり、凹んでいたこめかみが逆に出っ張ったりした症状が見られた場合、ヒアルロン酸を溶かす薬を注射することで状態を改善することが可能です。そのようなケースでは、治療を受けたクリニックに速やかに相談してください。
左右の輪郭がアンバランスになる
頬や口角周辺のマリオネットラインと呼ばれる部分に対し、丸みを出すためにヒアルロン酸を注射した場合、顔の輪郭が左右アンバランスになることがあります。
もともと人の骨格や筋肉、脂肪の付き方は左右対称ではなく、微妙に異なっています。そのため、注射後に顔の左右の輪郭が若干異なっているのは当たり前のことです。
しかし、ヒアルロン酸の注入で顔が膨らむケースと同様に、注入する量や注入する位置がずれてしまうことで、輪郭のずれが悪化してしまうかもしれません。
治療後の見た目の変化があまりにも気になる場合は、ヒアルロン酸の溶解注射で先に入れたヒアルロン酸を一度除去することをおすすめします。
顔の色見が変化する
ヒアルロン酸を注射した箇所の皮膚が青く見える場合があり、これをチンダル現象と呼びます。
チンダル現象の原因は、ヒアルロン酸を注入した箇所が浅く、皮膚の下から透けて青っぽく見えてしまうからです。
皮膚の薄い目元に注射した場合、チンダル現象が起こりやすくなります。こうした症状を改善するためにも、最初に入れたヒアルロン酸を取り除き、再度治療をしなおすことが必要です。
表情が不自然になる
ヒアルロン酸を注射箇所にシコリができた場合、笑ったときにヒアルロン酸が動かず、顔がひきつって見えたり表情が不自然に見えたりすることがあります。
ヒアルロン酸注射の後に患部にシコリができる原因は、注入した箇所でヒアルロン酸が凝固してしまうからです。あるいは、人の体がヒアルロン酸を異常なものだと感知して異物反応を起こすことで免疫細胞が反応して、一時的に炎症が起こるなどの原因とが考えられます。
ただし、ヒアルロン酸はもともと人の体内で生成されるものであり、異物反応が起こることは稀です。
加えて、凝固してしまったヒアルロン酸も時間が経つと自然にほぐれて違和感がなくなる場合があります。施術後に表情が不自然に見える場合、しばらく様子を見た上で改善しないようであれば再受診をしましょう。
2回目以降のヒアルロン酸注射で効果を体感できない原因
ヒアルロン酸は、いずれ体内に吸収されて効果がなくなっていくものです。そのため、継続的な効果を求める場合には、定期的に注射を繰り返すことが望ましい美容治療法です。
しかし、2回目以降のヒアルロン酸注射で徐々に美容効果を感じられなくなったり、不自然な仕上がりになったりするケースもあります。
2回目以降の施術後に輪郭のバランスが崩れたり、皮膚が伸びてシワになったりした場合は、担当医と相談して適切な措置を取ることが大切です。
また、施術前には希望するデザイン(仕上がり)の確認を行い、適切な頻度と回数でヒアルロン酸注射を受けるようにしましょう。
まとめ
この記事では、ヒアルロン酸注射に効果が現れない原因や、仕上がりの理想と乖離する原因について解説しました。
ヒアルロン酸注射は、肌のさまざまな悩みを解決するために効果的な治療方法です。もともと体内で作られる保湿成分のため、副作用やトラブルが起こりにくい方法でもあります。
しかし、注入する量が適切ではなかったり、注入する位置がずれてしまったりした場合には、思うような仕上がりにならないこともあります。
ヒアルロン酸は時間が経つと自然と体内に吸収されるため、効果を長く持続させたい場合には定期的な注入が必要です。
鼻の整形やシワ改善を長期間維持したい場合には、ヒアルロン酸以外の治療方法も検討してみてください。