ピコレーザーで失敗するとシミが悪化する?症状や対処法・予防法を解説
ピコレーザーはシミやくすみ、黒ずみをはじめ、従来のレーザー機器では難しいとされていた肝斑の治療まで可能な最新のレーザー治療です。肌をハリ改善やトーンアップ効果も期待できるので、施術を検討している方も多いのではないでしょうか。
ただ、痛みやダウンタイムがほとんどないといわれるピコレーザーも、シミの種類や濃さによって適切な出力で治療を行わなければいけません。そのため、施術を行う医師の知識や技術力が少ないと最大限の効果が得られなかったり、時には強い痛みを伴ったりすることも。
また、患者さんが医師の指示に従わなかったり、術後の過ごし方を誤ったりした場合も、失敗のリスクが高まってしまう可能性もあります。
そこでこの記事では、ピコレーザーで失敗したときの症状や対処法、予防法をご紹介します。ピコレーザーの施術を検討している方や、失敗したかもと感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
ピコレーザーで失敗したときの症状
ピコレーザーは、従来のレーザー機器と比べて照射時間が短く、肌への負担も軽減されています。
これまでは熱によってメラニンを破壊する仕組みでシミなどを改善していましたが、ピコレーザーは熱ではなく衝撃波(光音響効果)でメラニンを細かく粉砕するため、術後のカサブタや炎症後色素沈着のリスクを抑えつつ肌悩みを改善できるのです。
しかし、ごく一部ではシミが増えたり濃くなったりなど、期待した効果が得られないケースもあります。
ここでは、ピコレーザーで失敗したときに現れる症状を具体的にご紹介します。
シミが増えた、目立つようになった
従来のレーザーよりも短い時間で効率的にシミを除去できるはずのピコレーザーですが、施術を受けたにもかかわらず、シミが増えたり色濃く目立つようになったりするケースもあるようです。
シミが増えたり目立つようになったりした場合、以下の2つの原因が考えられます。
- 照射モードを見誤った
- 出力が強すぎた
ピコレーザーは、照射時間が短く皮膚へのダメージが少ないため、炎症後色素沈着が起こりにくいとされている治療です。
3種類の照射モードがあり、それぞれに適した症状が異なりますが、シミの種類の判断を誤ったり、症状に対して適した照射モードで施術を行わなかったりした場合、肝斑の悪化や炎症後色素沈着の原因になるので注意しましょう。
また、適した照射モードで施術を行った場合でも、出力が強すぎてしまうと、肝斑が悪化したり炎症後色素沈着が起こったりすることもあります。
肝斑の治療を行う際は、ピコレーザーの照射モードのうち「ピコトーニング」が用いられます。ピコトーニングは弱い出力のレーザーを複数回照射することで、肝斑を悪化させず徐々に改善するものです。強い出力で照射してしまうと、肝斑が悪化する恐れもあります。
さらに、強い出力での施術は肌を軽いやけど状態にして「炎症後色素沈着」を引き起こすケースも。炎症後色素沈着は、数ヶ月で引いていくことがほとんどですが、半年以上経ってもなくならない場合は、早めに医師に相談しなければいけません。
これらのことから、ピコレーザーは適切な照射モードと出力が揃って、はじめて最大限の効果が得られることがおわかりいただけるでしょう。
シミが消えない
ピコレーザーは、シミに対して高い効果を発揮するレーザー治療ですが、出力が弱すぎた場合、メラニン色素を破壊しきれずにシミが残ってしまうことがあります。そればかりか、潜伏しているシミが再発し、同じ場所に現れる恐れも。
ただしピコトーニングは、弱い出力の施術を複数回重ねていくことで徐々にシミを薄くしていくものです。もともと薄いシミであれば、1回の施術でも改善される可能性もありますが、顔全体のシミがすべて消えることはないと理解しておきましょう。
なお、強い出力のレーザーをピンポイントに照射して濃いシミを消し去る「ピコスポット」を受けてシミが消えなかった場合は、照射後のセルフケアが原因である可能性が高いです。
ピコスポットの施術を受けると、数日後に薄いカサブタができることがあります。無理に剥がすと修復途中の皮膚が剥がれて傷跡が残り、同じ場所に炎症後色素沈着が起きてしまう恐れもあるので注意しましょう。
皮膚の炎症が続く
ピコレーザーは、従来のレーザー治療よりも肌へのダメージが少ないのが特徴です。
施術後に痛みや赤み、腫れ、むくみが生じてもほとんどの場合は自然と治っていきますが、稀に患部の痛みや赤みが消えないこともあります。
そのような場合、潜在的な肌トラブルがあったり、ピコレーザーとの相性が悪かったりなどの原因が考えられます。
強い赤みや腫れなどの症状が現れた場合、そのまま放置してしまうと炎症後色素沈着や傷跡が残ってしまう恐れもあるため、早めに施術を受けたクリニックへ相談するようにしましょう。
ピコレーザーで失敗したときの対処法
ここまで、ピコレーザーで失敗したときの症状について解説してきましたが、実際に失敗してしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
ここでは、ピコレーザーで失敗したときの対処法をいくつかご紹介します。
施術後半年から1年ほど様子を見てみる
ピコレーザーの施術後に炎症後色素沈着が起きてしまった場合、半年から1年ほど様子をみてみるのもひとつの方法です。
炎症後色素沈着は、炎症が続いた期間や炎症のレベルによって消えるまでの期間が違ってくるため、場合によってはさらに長期間待つ必要があるかもしれませんが、基本的な紫外線対策やスキンケアをしっかりと行いながら様子をみてみましょう。
ピコレーザー後のセルフケアについては、こちらで詳しくご紹介しています。
→ピコレーザー後のお肌はどうなる?注意点と後悔しないためのセルフケア
クリニックでハイドロキノンやトレチノインを処方してもらう
ピコレーザーの失敗で生じた炎症後色素沈着には、外用薬を使用した治療が有効です。主に用いられるのは「ハイドロキノン」と「トレチノイン」の2種類。
ハイドロキノンは、美白剤や漂白剤とも呼ばれる薬です。メラニン合成酵素であるシロジナーゼを阻害してメラニンの生成を抑制する効果が期待できます。ビタミンCやビタミンE、トラネキサム酸などの内服薬を併用することで、さらに高い効果が得られます。
トレチノインとは、ビタミンA誘導体のことで、肌のターンオーバーを促進してメラニンの排出を促す薬です。非常に強力な作用があり、使用すると赤くなったり角質がポロポロ取れたりなどの副作用が現れることもあります。
これらの外用薬をセットで使うと、約1〜数ヶ月で炎症後色素沈着が薄くなる可能性もあるので、クリニックで処方してもらえないか相談してみるとよいでしょう。
シミへの効果が期待できる内服薬や外用薬については、こちらで詳しくご紹介しています。
→出来てしまったシミに効く薬とは?内服薬と外用薬、併用がオススメの施術も紹介
他のシミ取り治療を受ける
シミを改善できる美肌治療は、ピコレーザー以外にもたくさんあります。
ピコレーザーの性能が低いということは決してありませんが、患者さんの症状や肌質に合わないこともあるため、ピコレーザーの施術でシミが消えない場合は、他のシミ取り治療を検討してみるとよいでしょう。
たとえば、QスイッチヤグレーザーやQスイッチルビーレーザー、レーザートーニング、フォトフェイシャルなどがシミに効果を発揮する施術です。
シミにもさまざまな種類があり、それぞれに適した治療法が異なるので、どの施術が適しているか医師としっかり相談してから選ぶようにしましょう。
ピコレーザーの失敗を予防するためにできること
ピコレーザーの失敗を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
- 信頼できるクリニックで施術を受ける
- 事前に皮膚や全身の健康状態を正しく医師に申告する
- 医師の指示にきちんと従う
ピコレーザーに限らず、美容医療の施術を受ける際は、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。料金が安いだけで選んでしまうと失敗してしまう恐れもあるので、必ず事前にクリニックの実績や施術件数、口コミをチェックしましょう。
また、問診やカウンセリングでは、皮膚や全身の健康状態を医師に正しく申告しなければいけません。
今現在の肌状態がよい場合でも「虫に刺されると腫れやすい」「他の美容医療を受けたとき赤くなった」など、体質に関わることは必ず伝えるようにしましょう。
実際に施術を受けた後は、医師の指示にきちんと従ってダウンタイムを過ごすことが大切です。
術後は患部を触らない、紫外線対策をしっかり行うなどの注意点を守り、軟膏や内服薬が処方されたときは医師の指示通り使用して肌の回復に努めましょう。
まとめ
ピコレーザーで失敗したときの症状や対処法、予防法をご紹介しました。
ピコレーザーで失敗すると、シミが増えたり濃くなったり、消えなかったりなどの症状が現れます。中には炎症が起きて痛みや赤みが消えないこともあります。
万が一ピコレーザーで失敗したと感じた場合、そのまま半年から1年ほど待ってみるのもひとつの方法ですが、赤みや腫れが続いたり症状がひどくなったりするようであれば、早めに施術を受けたクリニックへ相談するようにしましょう。
ただし、ピコレーザーの失敗は、クリニックの選び方やカウンセリング、術後の過ごし方で避けられる場合もあります。
今回ご紹介した対処法や予防法を参考に、ピコレーザーの施術で美しい肌を手に入れてくださいね。