プラセンタ注射をやめたらどうなる？注射を続ける効果とデメリットについて解説

プラセンタ注射とは、哺乳類の胎盤から抽出された成分を皮下注射する美容治療の一種です。プラセンタには、アミノ酸や成長因子などエイジングケアや皮膚の健康を維持するために効果的な成分が多く含まれています。

疲労回復やホルモンバランスの調整など多くの効能を持つプラセンタ注射ですが、一度注射をやめるとどのような反応が起こるのでしょうか。

この記事では、プラセンタ注射の主な効果と中断したときに起こる反応について解説しています。

プラセンタ注射を行う際の注意点についても説明しているため、注射を検討している方は参考にしてください。

プラセンタ注射の効果

プラセンタとは、哺乳類が妊娠した際に、お腹の子どもに栄養や酸素を与えて育てるために形成される特殊な臓器のことです。日本語では胎盤と言いますが、美容医療の分野では英語のプラセンタという呼称が定着しています。

胎盤には血管が多く通っており、血液や栄養が豊富な臓器です。また、細胞分裂に必要な酵素や細胞の原料となる多種類のアミノ酸、ビタミンやミネラルなど美容に欠かせない成分も多く含まれています。

歴史上の人物も、薬として用いていた記録が残っているほど、プラセンタに高い効能が含まれていることが古くから認識されています。

プラセンタ注射とは、胎盤に含まれている栄養や美容成分を抽出した美容注射です。医薬品として厚生労働省の認可を受けており、医療機関でしか取り扱うことはできません。

アンチエイジング効果

プラセンタには、高い抗酸化作用、抗炎症作用、肝細胞再生作用といった働きがあると考えられています。これらの成分によって、シミが薄くなったり肌のハリが改善したりする効果を期待できます。

抗酸化作用とは、体内の活性酸素によって細胞が傷つけられるのを防ぐ働きのことであり、肌細胞が老化することに抵抗する力を持っています。

これらの作用によって、年齢を重ねたことによって起こる肌の変化を緩和し、若々しい見た目を維持することにつながります。

美肌効果

プラセンタに含まれている成長因子が肌のターンオーバーを活性化し、傷ついた細胞を修復することで美肌効果を期待できます。

また、保湿成分を補い真皮層の中で弾力を作る網目構造を正常化させることができ、乾燥予防につなげることも可能です。

古い角質が皮膚に残ってくすみや毛穴のつまりが黒ずむことを防ぐこともできるため、美しい肌の状態を保つために効果的です。

疲労回復効果

プラセンタには細胞の材料となるアミノ酸が豊富に含まれているため、筋肉や脳の疲労回復に対しても効果的です。

アミノ酸は筋肉や血液の原料であるタンパク質を作るために不可欠なものであり、壊れた細胞の修復に欠かせません。また、血流の改善やをよくしたり免疫機能を活性化する作用もあるため、疲労回復に対して適しています

ホルモンバランスの乱れを調整

プラセンタ製剤そのものにホルモンの成分は含まれていません。しかし、女性ホルモンのエストロゲンの分泌を促すことで、月経のバランスを整えたり更年期障害の症状を緩和する作用をもたらします。

プラセンタについては以下の記事でも解説しています。参考にしてください。

→プラセンタは肌に塗っても効果がある？プラセンタ配合化粧品の選び方など解説
→プラセンタサプリは美肌効果がある？種類や期待できる効果を詳しく解説
→プラセンタ内服薬は飲み続けると効果がでやすい？プラセンタ注射との違いも解説

プラセンタ注射をやめた後に起こる反応

プラセンタ注射をやめると、徐々に美容効果が減少していきます。つまり、シワ改善目的で注射を行っていた方は再び乾燥や小じわが気になるようになり、毛穴のつまり解消を目指していた場合なら角栓ができやすくなるなどの反応が起こります。

あるいは、注射をしていたころに比べて肌が荒れやすくなったり疲れやすくなったりする場合もあります。とはいえ、注射をやめた途端にこうした反応が必ず起こるということではありません。

プラセンタは特定の肌トラブルにピンポイントで効果のある治療方法ではなく、一種の代替療法だからです。

体によい成分を摂取することで健康な状態に導くということが治療の根本であり、ニュアンスとしては漢方薬に近いものです。

したがって、美容成分の注射を中止すると、もともとの体調や肌の状態に戻っていく可能性が高いということであり、注射を行っていたことの影響というわけではありません。

また、続けていた薬剤の投与をやめた場合、退薬症状といって薬を使わない事による反動が起こる場合もありますが、プラセンタ注射にはそうした症状が起こることは稀です。

プラセンタ注射を行う期間と頻度

プラセンタ注射の効果は長期間持続しません。そのため、効果を得るために定期的にクリニックで注射を繰り返す必要があります。

プラセンタ注射の効果が続く期間は、2〜3日程度から数週間と幅がありますが、1ヶ月以内には効果が無くなってしまうと考えていたらいいでしょう。

プラセンタ注射を行う頻度の目安

シワ改善やアンチエイジングなど、目的や一人ひとりの症状に合わせて注射の頻度は異なりますが、おおむね2〜3週間に1回の注射が推奨されています。

また、疲労回復や更年期障害の解消などを目的にする場合なら、状況が改善したあとの注射のインターバルを長くすることも可能です。

最初のころは1週間単位での注射を行い、体調を見ながら1ヶ月単位の施術に切り替えるなどの調整をすることもできます。ライフスタイルや肌と体の状態に合わせて、いつ注射を行うべきかクリニックの医師に相談してください。

プラセンタ注射の注意点とデメリット

プラセンタの美容成分や効果については、はっきりと証明されていないものもあるため注意が必要です。

様々な美容成分が含まれていることは分かっていますが、量がかなり少ない場合もあり、エイジングケアなどに適しているのかはまだ研究途中です。

また、美容注射としてのプラセンタの感染症に対する安全性も確証されていません。生物製剤といって、ヒトをはじめとした生き物から採取した成分をもとに作られた医薬品には、様々な感染症のリスクが伴ってしまいます。

したがって、プラセンタを注射してしまうとその後献血は一切できなくなってしまいます。献血を行う希望がある方は、注射を行うことを避けるようにしてください。

プラセンタの点滴については要注意

医療用に流通しているプラセンタ製剤は、皮下注射か筋肉注射によって投与するもののみです。注射用製剤を生産している会社から、同じ薬品を点滴で与えてもよいという認定は出されていません。

そのため、点滴によるプラセンタの投与を行うというクリニックには注意が必要です。

筋肉に注射する場合と、血管内に投与する場合では同じ薬品でも吸収のスピードや効果の現れ方が異なります。

皮下注射や筋肉注射は、プラセンタの栄養因子や調節因子を効果的に補給する方法であり、持続期間もある程度ながくなる方法です。

過去にはプラセンタを静脈点滴で投与した場合にアレルギー反応が起こったという事例もあり、血管から吸収させる場合の反応の現れ方はまだまだ未確認です。

プラセンタ注射を続けることのデメリット

プラセンタ注射には、打ちすぎという制限は基本的にありません。極端にいえば、毎日一回ずつ注射し続けても問題はないということです。

とはいえ、先に説明したようにプラセンタ注射はやめてしまうと肌質や体調がそれ以前の状態に戻りやすくなるため、何度も注射を繰り返すと精神的になくては困るという状態になりかねません。

プラセンタは保険適用外であり、実費で注射を受ける必要があります。自宅で注射を行うことは絶対に避けるべきですし、出費を考えると毎日病院で治療を受けることは現実的ではありません。

あくまでも、肌質や体調と相談しながら、具合が悪くなった場合の対処法の一つとして考えることが重要です。

まとめ

プラセンタ注射を中断するとどのような反応が起こるかについて解説しました。プラセンタは医薬品ですが、科学的に合成された薬剤とは異なり、効果が一律で現れるものではありません。

ただ、高い美容効果があることはある程度認められており、一度注射をやめてしまうと肌の状態や体調が以前の状態に逆戻りしてしまうリスクがあります。

そのため、プラセンタ注射は一定の間隔を置いて継続しなくてはいけません。また、あまり頻繁に注射を行うと、費用の負担などのデメリットもでてきます。

プラセンタ注射にはまだ解明されていない作用も多く、献血ができなくなるなどの注意点もあるため、あくまで美容法の一つと考え、あまり依存しないようにすることも大切なポイントです。