幹細胞注射・点滴の費用はどれくらい?他の美容医療との比較も紹介
人の体の中や動物、植物にも存在する幹細胞は、今医療面だけではなく美容面でも注目されている細胞です。
肌の若返りを期待して幹細胞治療を行いたいと考えている方も多く、美容クリニックでの治療に注目が集まっています。
しかし、幹細胞注射は高額な医療とされているため、どれくらいの費用が必要になるのかと疑問をもっている方も少なくありません。
この記事では、幹細胞注射や点滴の費用をご紹介した後に、他の美容医療との比較も併せてご紹介していきます。
幹細胞注射、点滴の費用が気になるという方、他の美容医療とどう違うのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
幹細胞とは
失われた細胞や、ダメージを受けた細胞を再び生み出したり補充したりする能力をもっている細胞を幹細胞と呼びます。幹細胞には自分を複製することができる能力と、他の細胞に変化することのできる能力があり、人の体の中や動物、植物にも存在しています。
幹細胞には、多機能幹細胞と組織幹細胞の2種類があります。
ES細胞やiPS細胞はどんな細胞にもなれる「多能性細胞」、血をつくる造血幹細胞や神経系をつくる神経幹細胞はきまった組織にしかなれない「組織幹細胞」です。
骨髄や脂肪に存在する間葉系幹細胞は、筋肉、軟骨、神経、脂肪などに分化することができることから、幹細胞治療に用いられているのは主に間葉系幹細胞となります。
幹細胞注射・点滴の費用
幹細胞治療は、保険が適用されるケースと自由診療になるケースがあります。しかし、間葉系幹細胞を用いた治療はほとんどが自由診療となり、料金が高額になります。
ここからは、幹細胞注射、点滴の費用についてご紹介します。
幹細胞治療が保険適用になる場合
幹細胞治療で保険が適用されるのは、骨髄移植などの造血幹細胞移植や脊髄再生治療です。
造血幹細胞移植は数百万の治療ですが、保険が適用されて高額療養費制度も利用することができるため、日本でドナーが見つかって骨髄移植をする場合は約15万円で治療を受けられます。
脊髄生成治療は、脊髄損傷を起こしている患者さんの幹細胞を培養して注入する治療で、1回分の薬で1500万円ほどですが、保険が適用されるため300~450万円ほどの治療費を支払ったうえで、高額療養費制度が利用できます。
美容や医療で幹細胞注射を行う場合
美容や医療で幹細胞治療を受ける場合、ほとんどが間葉系幹細胞を用いた治療となりますが、発生する費用は全額自己負担となり保険が適用されません。
治療内容によって大きく価格は変動しますが、安くて数十万円、高額なもので1000万円以上する治療もあります。
しかし、治験によって費用を負担しなくてもよい場合もあります。治験にかかる費用は大学の研究費で支払われるため、原則患者さんが費用を支払う必要はありません。
幹細胞注射・点滴の流れ
幹細胞注射や点滴は以下のような流れで行われます。
- カウンセリング
- 血液検査
- 脂肪採取
- 幹細胞の培養
- 幹細胞の投与
まずは患者さんがどのようなことに悩んでいるのかを確認することや、治療の概要やリスク、効果などを医師から説明されるカウンセリングを受けます。
その後血液採取によって感染症の有無などを確認し、腹部の皮下脂肪から脂肪を採取。採取された脂肪は細胞培養センターにて培養され、3~4週間ほどで数千万~数億個の幹細胞になります。
培養された幹細胞を注射や点滴で投与します。
注射は小ジワやほうれい線、関節や筋肉などお悩みのある部分に直接投与するもので、点滴は血管内に幹細胞を取り込むことで脳や肺、肝臓、血管などさまざまな部分に働きかける治療です。
他の美容医療との比較
幹細胞治療は他の美容医療と比べてどのような違いがあるのでしょうか?
以下は、持続期間、副作用、効果が表れるまでの期間を一覧にしたものです。
持続期間 | 副作用 | 効果が表れるまでの期間 | |
幹細胞治療 | 根本的な治療のため長期的 | ほぼなし | 1~12か月ほど |
ヒアルロン酸注射 | 6~12か月ほど | 少ない | 即日 |
ボトックス注射 | 3~4か月ほど | あり | 1~2週間 |
PRP療法 | 6~12か月ほど | ほぼなし | 6~12か月ほど |
幹細胞培養上清液 | 2年~2年半ほど | ほぼなし | 2~3週間ほど |
白玉注射(白玉点滴) | 1~2か月ほど | 少ない | 2~3週間ほど |
ここからは、他の美容医療との比較を費用面も含めて詳しくご紹介していきます。
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸は、もともと体内に存在する成分です。保水性が高く肌のハリを取り戻すなどの効果が期待できる治療で、アレルギー反応などを起こす心配もないのが特徴です。
1回の注射はヒアルロン酸の種類や注入する部位、クリニックによって異なりますが、10,000~100,000円ほど。効果の持続期間は6~12か月ほどなので定期的に治療を受ける必要があります。
ヒアルロン酸の施術は10分程度で終了となり、ダウンタイムも少ないことで知られています。
しかし、ヒアルロン酸は一度に大量に打ちすぎると不自然な顔になってしまうなど、リスクもある治療なので、信頼できるクリニックで治療をすることが重要となります。
ボトックス注射
ボトックスはボツリヌス毒素から抽出されたたんぱく質で、注入した箇所の筋肉の動きを止めて神経の伝達をブロックさせるため、表情筋が原因で起こっているシワに効果的です。
料金は28,000~80,000円ほどと、注入する箇所や量、クリニックによって違いがあります。
ボトックスはシワの解消以外にも、肩こりの解消や鼻を高くする施術など、筋肉に働きかけることでさまざまなお悩みを改善できる治療です。
1か所5分程度で終了する施術ですが、複数個所に注入する場合はその分時間がかかります。
また、筋肉の動きを抑制する治療のため、ボトックス注射に慣れていない医師が施術を行うことで左右非対称の顔になってしまったり、笑顔が不自然になったりしてしまうこともあります。
そのため、ボトックス注射は施術に慣れている医師がいるクリニックを選ぶようにしましょう。
PRP療法
PRP療法は「Platelet Rich Plasma」の略で、多血症版血漿療法のことです。患者さん自身から採取した多結晶版血漿を注射することで、痛んだ組織の修復などが期待できます。
自分の血液を利用してコラーゲンの産生をはかる治療で、血液に含まれる白血球や血小板の傷を治す働きが応用されています。
料金は1回あたり100,000~500,000円ほどとなっていて、1年~数年単位で効果が持続する治療として人気です。
血液の採取や濃縮作業を含めると、カウンセリングからトータルで30~40分ほどかかる治療となります。
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幹細胞培養上清液
幹細胞培養上清液は、体内に存在する間葉系幹細胞を培養する際に、培養液から幹細胞を取り出して減菌等の処理を行った液体のことです。
幹細胞が活性化、成長、増殖するために放出しているサイトカインと呼ばれるたんぱく質は、老化で衰えた機能を回復する後押しをしてくれます。
費用相場は1回10,000~数万円ほどで、数回の施術がセットになっているクリニックもあるため、事前にホームページなどで確認してみるようにしましょう。
施術の所要時間は約15分で、2~4週間ほどで再度治療を受けることで、高い効果が維持できる治療です。
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白玉注射(白玉点滴)
白玉注射、白玉点滴は、メラニンの生成を抑制する作用や、抗酸化作用があるとされているグルタチオンを主成分とした美容医療で、美肌効果や美白効果、エイジングケアに用いられる治療です。
白玉注射、白玉点滴は、1回の治療で効果を感じられるわけではなく、効果を実感するまでに10回程度治療を受ける必要があります。
費用相場は注射なのか、点滴なのかということや、グルタチオンの濃度によっても変わってきますが、1回4,000~10,000円ほどとなります。
白玉注射は1回5分程度、白玉点滴は1回30分程度で施術は完了します。
まとめ
幹細胞注射や点滴の費用をご紹介した後に、他の美容医療との比較も併せてご紹介しましたが、参考になりましたか?
幹細胞注射や点滴はまだまだ高額な医療となりますが、お悩みやケガ、病気の症状を根本的に改善させることができる治療です。
高額な医療だからこそ効果は実感できるものとなるため、他の美容医療との比較をしながら、この記事を参考に幹細胞注射、点滴の治療をぜひ検討してみてください。