コラーゲンによる腎臓負担とは?副作用や効果的な摂取方法を詳しく紹介
肌に瑞々しさやハリを与えるとして、サプリメントやドリンクなどの気軽な方法で積極的に摂取されている人気の成分『コラーゲン』。
しかし、嬉しい効果が期待できる反面、摂り方を間違えると腎臓負担などのトラブルを引き起こす可能性があることを、忘れてはいけません。
この記事では、コラーゲンを摂取する上での副作用や、正しい摂取方法、より効果を得るためのポイントなどを紹介します。
効果のある成分は薬同様、守った方がいい用法・容量があるという例として、ぜひ参考にしてください。
目次
コラーゲン摂取の効果
コラーゲンはサプリメントやドリンク、食品・美容治療など、その摂取方法はどれもよく知られているものばかりですが、多くは「経口摂取」が気軽に選ばれています。
ここでは経口摂取で得られるコラーゲンの効果や、そのしくみなどを紹介します。
コラーゲンの美肌効果
コラーゲンは元々人間の体内で生産できる成分ですが、加齢などの要因で徐々に減少・不足します。
人間の肌は『表皮』『真皮』『皮下組織』で成り立ち、それぞれ役割があります。
- 表皮:バリア機能があり、外部からの刺激や水分蒸発などから生体を守る
- 真皮:皮膚を支え、形や弾力を保つ
- 皮下組織:外部刺激に対する緩衝、保温、エネルギーの貯蓄
コラーゲンは真皮成分の約70%を占める繊維状のタンパク質で、ベッドのスプリングのような編み目を形成し、組織や細胞を繋ぎ合わせる役割があります。
加齢などによりコラーゲンが不足すると、肌の弾力性や柔軟性が失われて固くなり、たるみやシワの原因となります。
コラーゲンを積極的に増やすことは乾燥や肌荒れを改善し、肌のハリや潤いを保って若々しい肌を育むことにつながります。
コラーゲンは経口摂取が期待できない?
近年、コラーゲンの経口摂取はコラーゲンを生成する役割のあるコラーゲンペプチドとして吸収することでコラーゲン生成の効果が期待できることが分かっています。
コラーゲンは分子が大きく、口から摂取しても分子の小さなアミノ酸に分解されてしまうため、コラーゲンとしてそのまま吸収できないといわれてきました。
しかし、経口摂取したコラーゲンの一部は、アミノ酸より少し分子の大きい『コラーゲンペプチド』に分解されます。
コラーゲンペプチドは線維芽細胞を活性化する特徴があり、コラーゲンやヒアルロン酸の生成に役立ちます。
さらに、コラーゲンペプチドの状態で経口摂取した場合、そのまま体内に吸収されることも分かったため、近年はコラーゲンペプチドを成分としたサプリなどが多く出回っています。
→コラーゲンを摂取しても意味がないって本当?効果的なアプローチ方法を解説!
コラーゲン摂取による副作用
コラーゲンに限らず、どのような成分でも摂取方法を間違えれば副作用が現れる可能性があります。
そして、コラーゲン摂取による副作用の原因の多くは、摂り過ぎによるものです。
ここでは、コラーゲンペプチドを含むコラーゲン摂取による副作用について紹介します。
肝臓や腎臓に負担がかかる
コラーゲンの摂取量が過剰になると、その消化は腎臓や肝臓に負担をかけることになります。
コラーゲンは骨や皮膚を作るタンパク質であり、そのままでは消化されず、胃や十二指腸などで分泌される消化液が必要であるなど、消化しにくい成分です。
そして不要なタンパク質は最終的には肝臓で尿素になり、腎臓から尿として排泄されます。
タンパク質であるコラーゲンを摂り過ぎると、内臓、特に肝臓や腎臓に大きな負担をかけることになり、便秘やむくみの原因となります。
太りやすい
コラーゲンを多く含む食品に共通する問題は、脂質が多いことです。
鶏皮や豚肉、スッポンや魚の皮、うなぎなどカロリーが高くなりがちな食品が多いため、摂り過ぎると当然太りやすくなります。
そして、摂り過ぎたコラーゲンはアミノ酸に分解されますが、アミノ酸はブドウ糖と同じで1gにつき4kcalの熱量のため、例えサプリメントで摂取しても、摂り過ぎると高カロリーとなります。
肌トラブル
コラーゲンを摂り過ぎることで肌トラブルを起こす原因は、ビタミンBの不足と、皮脂の過剰な分泌です。
コラーゲンは上述の通り脂質を多く摂りやすいため、毛穴から余分な皮脂を分泌してニキビなどが増える原因となります。
またコラーゲンを摂り過ぎると、分解のために必要なビタミンBを大量に消費してしまい、肌のバランスが崩れ、ニキビ肌に拍車をかけます。
そしてもう一つ引き起こされる問題は、摂り過ぎて余ったコラーゲンが糖と結びつき、コラーゲンが機能しなくなって肌が弾力を失う『糖化』です。
摂りやすく工夫されているゼリーやドリンクなどは甘いものが多いため、ノンシュガータイプを選ぶなどの注意が必要です。
アレルギー症状
コラーゲンは食品からの摂取量が多くないため、アレルギー体質の場合でもリスクは低いとされていますが、過剰に摂取した場合はアレルギー反応が強く起こる可能性があります。
アレルギー反応は、何かをきっかけにして食べ物を『異物』と判断して排除する働きのため、過剰摂取が原因となるケースもないとはいえません。
また、コラーゲンは豚由来と魚由来があるため、摂取するものを選ぶ場合は体質と成分をしっかり把握して選ばなければいけません。
アレルギーは一歩間違えると命取りとなる場合もあるため、違和感などがあれば自己判断せずに医師に相談しましょう。
コラーゲンの効果的な摂取方法
コラーゲンは過剰摂取によって腎臓負担などの副作用が起こる場合もありますが、適切な摂取方法が守られれば、本来は美肌を目指すことができる成分です。
コラーゲンを適切に、かつ効果的に摂取する方法を紹介します。
適量を守る
18歳以上の女性におけるタンパク質の必要摂取量は、1日50gと推奨されていますが、コラーゲンに関しては、同じタンパク質といえど明確な基準はありません。
幾つかのヒト試験によると、美容や健康に効果があるとされるコラーゲン摂取量の目安は、1日5~10gとされています。
この結果を踏まえると、これ以上は過剰摂取となり、即効性や美肌効果がより高まるとはいえないでしょう。
むしろこれ以上摂取することで分解されずに体内に蓄積したり、肝臓や腎臓に負担をかけたりと、副作用が起こる原因になり得ます。
サプリメントやドリンクを取り入れる際も、製品の用法・容量をきちんと守ることが大切です。
ビタミンCと鉄分を一緒に摂る
コラーゲン(コラーゲンペプチド)を経口摂取する際は、線維芽細胞がコラーゲンを生成するために必要なビタミンCと鉄分を一緒に摂る必要があります。
そして摂取したコラーゲンの分解には上述の通りビタミンBも必要です。
コラーゲンだけを摂取しても必要な成分が不足していると、新たなコラーゲンを生成することは叶いません。
ビタミンCが多く含まれる食材はピーマンやブロッコリー・キウイフルーツなど、鉄分の多い食材はレバーや赤みの肉・魚などがあります。
食事で意識的に取り入れたり、サプリメントなどを利用して、効率よくコラーゲンの効果を高めましょう。
毎日継続する
コラーゲンは、今日摂取して明日実感できるような即効性のある成分ではないため、毎日継続して摂取することをおすすめします。
生成に必要な成分を身体に用意して、新しいコラーゲンが生成されてはじめて美肌へと向かっていきます。
しかも、コラーゲン生成に必要なコラーゲンペプチドは体内に摂取してから24時間で消えてしまうといわれています。
効果の実感までは2~3ヶ月ほどかかりますが、コツコツと続けていきましょう。
摂取する時間も重要
コラーゲン生成が一番期待できる時間帯は、成長ホルモンが最も分泌される22時から2時頃のため、この時間を狙って摂取するのが効果的です。
『お肌のゴールデンタイム』といわれているため、サプリメントやドリンクを寝る前に飲むと、習慣にしやすいでしょう。
逆に、睡眠時間が乱れていると、成長ホルモンの分泌が乱れるため、コラーゲンの生成も低下してしまいます。
規則正しい生活習慣やホルモンバランスが、よりコラーゲンの生成を助けることにつながるため、効率のよい体調へと整えましょう。
美容医療はダイレクトに効く
コラーゲン摂取は内面からの働きかけのため、効果が実感できるまで時間がかかったり、できてしまったシワについては改善が難しかったりするなど、不満が残る部分は否めません。
そして残念なことに、化粧品に配合されるコラーゲンは分子が大きいため、肌の奥までの浸透は叶いません。
この、シワやたるみに直接アプローチし、即効性が期待できるのは、コラーゲン注入や肌再生医療によるコラーゲン再生を実現する『美容医療』です。
→幹細胞を用いた再生医療で得られる美容効果と治療の流れを紹介
→ステムセルブースターセラム(Stemcell Booster Serum)の特徴や効果・使い方を紹介
その美容医療も、コラーゲン注入は1年~1年半、肌再生医療でも2~3年程度と、効果は永遠ではありません。
しかし老化や生活習慣に抗う方法としては、目に見える効果を発揮できる頼もしい手段といえるでしょう。
まとめ
腎臓負担・副作用・肌トラブルなど、コラーゲンを摂取することで見舞われるかもしれない症状があることを不安に思っている人は少なくないと思います。
しかし紹介した通り、正しく摂取できれば大きな問題ではないことが、分かって頂けたかと思います。
内側からの摂取と外側からの医療、両方からのアプローチが、最大限にできる努力としてより美に近付くことにつながるなら、検討してみたくなります。
この記事を読んで、正しいコラーゲン摂取を実施して頂ければ嬉しいです。