生え際アートメイクの特徴とは?ヘアラインをインクで修正するメリット・デメリット
生え際が後退して額が広く見えたり、部分的に薄毛だったりすることに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
アートメイクは、皮膚の薄い層にインクを定着させることで、眉毛やリップの色を長く維持できる美容治療です。髪の生え際の薄さや形に対する悩みの解消には、生え際アートメイクが活用されています。
この記事では、生え際アートメイク治療の特徴や施術の流れ、メリットデメリットについて解説します。
薄毛や生え際を目立たなくする方法をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
生え際アートメイクの特徴
生え際アートメイクとは、マイクロニードルという特殊な機械を使って髪の生え際にインクを定着させ、ヘアラインの形を修正する美容治療のことです。
髪の毛のラインを皮膚に一本一本インクで定着させていくことで、単純に色を塗るのよりも自然な仕上がりになることが特徴です。
アートメイクの施術方法は、タトゥーを入れる方法と似ています。しかし、アートメイクはタトゥーほど深い位置にインクを定着させないため、半永久的に色が残るということはありません。
アートメイクは、肌がターンオーバーを繰り返すことによって、徐々に色素が薄くなっていくことがタトゥーとの大きな違いです。
生え際の形によっては、特定の髪型にした場合にバランスが悪く見えてしまうことがあります。生え際アートメイクはそのような髪型の悩みを解消するための治療法でもあります。
アートメイクについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
→アートメイク1回目が消えるのはどんな理由?効果を長持ちさせるコツも解説
→アートメイクをアイラインにするメリット、デメリットやデザインなどを紹介
→アートメイクの部位別ダウンタイムの症状とアフターケアについて紹介
生え際アートメイクの施術方法
生え際アートメイクには、生え際全体に施すものや、薄毛や形が目立つ場所だけに施すもの、つむじやこめかみなどの修正に施すものなど、さまざまな種類があります。
ここでは、生え際アートメイクの一般的な治療の流れや注意点を説明します。
生え際アートメイクの流れ
生え際アートメイクの一般的な治療の流れは、以下のようになっています。
- カウンセリング:医師が患者さんの生え際の悩みを詳細にヒアリングし、適切な治療法や施術時の注意点などを説明します。
- 診断:アートメイクは医療行為のため、医師による医学的な観点から施術できるかどうかの診断を行います。
- デザインの決定:デッサンを用いて、どのようなデザインの生え際にしていくのかを医師と患者で相談し、決定します。
- カラー選び:患者さんの本来の髪色に合うように適切なカラーを選びます。
- 麻酔:施術中の痛みを軽減するために、クリーム麻酔を患部に塗布します。
- 施術:マイクロニードルを用いて、施術箇所にインクを注入していきます。痛みが強い場合、麻酔の追加も希望できます。
- アフターケア:医師がダウンタイム中のケアに対するアドバイスやトラブルが起きた場合の相談などに対応します。また、2回目以降の治療計画を患者と相談しながら進めます。
希望の仕上がりに近づけるよう、カウンセリングの際にはデザインや色の希望を医師に詳細に伝えましょう。
患者さんの本来の髪色と大きく異なる明るさのインクを選ぶことは推奨されていません。なぜなら、生え際アートメイクでは、明るい色を濃くすることができても、濃い色を明るくする治療には向いていないからです。
満足のいく仕上がりになるよう、カウンセリングで医師と時間をかけて相談し、生え際アートメイクの特徴や注意点を十分に理解しましょう。
生え際アートメイクが受けられないケース
生え際アートメイクは、皮膚に直接色素を入れる治療のため、皮膚疾患やアトピーを持っている方は施術を受けられません。
金属アレルギーを持っている方もリスクが生じるため、必ず事前にクリニックに申告するようにしてください。
この他、妊娠中の方はホルモンバランスの影響で肌が荒れやすくなるため、アートメイク全般をクリニック側が断るケースがほとんどです。
また、心臓病などの治療のために血液をサラサラにする薬を処方されている方も、ダウンタイム中に内出血が広がってしまうリスクがあるため、アートメイクを避けるべきです。
内出血や腫れを緩和させるための薬もありますが、使用中の薬との相性も考慮しなくてはなりません。
生え際アートメイクを検討している方は、まずかかりつけの医師に判断を仰ぐようにしましょう。
生え際アートメイクに使用するインクの安全性
アートメイクに使用されるインクには、無機顔料と言われる鉱物由来の染色剤が用いられます。原材料は、酸化鉄や二酸化チタンで構成されている場合が多いです。
酸化鉄は毒性が少なく安定した物質であるため、化粧品の着色に用いるのに適した素材です。また、二酸化チタンは皮膚から吸収されることがない物質です。
いずれも皮膚に対する一定以上の安全性があるため、生え際アートメイクで皮膚に影響が出るリスクは少なくなっています。
また、クリニックで使用されるインクは、アメリカやヨーロッパで規定されている安全基準をクリアしているものが多く、より安心して治療を受けることができます。
ただ、インクを調合する場合に殺菌のためのアルコールが加えられることがあります。アルコールでアレルギー症状を起こした経験がある方は、事前に医師に相談してください。
頭皮へのアートメイクの特徴
頭皮のアートメイクは、薄毛や脱毛症の後を目立たなくさせる治療方法です。
薄毛が目立つ部分に色素を定着させ、地肌が露出して見えることを防ぎます。治療法は、ヘアラインに施術する場合とほぼ同じです。したがって、タトゥーとは異なり、永久に色が残るわけではありません。
頭皮のアートメイクは、施術後1〜3年程度で色が徐々に抜けていくため、状態によっては2回目以降の施術も必要になります。
頭皮のアートメイクの場合、もともとの髪の生え方をインクの注入で修正するだけでなく、年齢による薄毛の悩みにも対応できます。
例えば、加齢による薄毛の場合、頭頂部の地肌が目立つ場合が多いです。頭頂の地肌が露出すると、実年齢よりも老けて見えますが、インクで着色することで薄毛を目立たなくすることができます。
頭皮のアートメイクは若い世代だけでなく、中高齢の方の地肌の悩み解消にもおすすめされる施術です。
生え際アートメイクのメリット・デメリット
生え際アートメイクは、髪の生え際のラインや薄毛の悩み解消におすすめされますが、いくつかのデメリットもあります。
メリットとデメリットの両方を理解したうえで、施術を検討するようにしましょう。
生え際アートメイクのメリット
額の生え際に施術することで、顔の表面積を小さく見せることができるため、小顔効果を出すことができます。
額の広さが目立ってしまうことに悩んでいる方にとって、特にメリットの大きな治療方法です。また、額の左右で異なる前髪の生え際の見た目を修正したり、アンバランスなヘアラインの見た目を修正したりすることも可能です。
部分的に薄くなった箇所にインクを着色することで、見た目の若々しさを回復できるほか、フェイスラインの形を整えることで顔全体がすっきりとした印象を与えることもできます。
生え際アートメイクのデメリット
生え際アートメイクは、インクを皮膚に直接注入するため、一度施術をした後に簡単に除去することができません。
色を抜くためには、レーザー治療や除去剤の使用が必要になり、時間がかかってしまうことがデメリットです。そのため、理想とするデザインにならなかった場合、どのようなケアをしてもらえるのか事前に確認しておく必要があります。
また、皮膚にインクを注入した部分が青色や赤色に変色することがあります。インクの変色は、皮膚にもともとあった色素が徐々に抜けていくことで、インクそのものの色味が目立ってしまうことが原因です。
ただし、これは青色や赤色の色素を中心としてインクを調合することが一因であるため、オレンジ系の色素を混ぜて色落ちのリスクを減らすことも可能です。
色落ちや施術後の色の変化が気になる場合は、クリニックで使用しているインクの特性について医師に十分な説明を求めると良いでしょう。
まとめ
この記事では、生え際に施術する生え際アートメイクの特徴や注意点について解説しました。
生え際アートメイクは、額の広さが気になっている方や、生え際のラインがアンバランスで悩んでいる方におすすめする美容治療です。
また、年齢が原因の薄毛の見た目改善にも対応できます。植毛のように永久に効果を維持できるわけではありませんが、地肌の露出を抑えるのには効果的です。
ただし、一度皮膚に注入したインクを除去するのは困難なため、施術前に治療方針やケアについてしっかり確認することが大切です。
生え際の悩みを気持ちよく解消できるように、事前のカウンセリングに十分な時間を使い、納得したうえで生え際アートメイクを受けましょう。