ピコレーザーでかさぶたにならない理由と対処法を紹介
「ピコレーザーでシミ取りをしたけれど、かさぶたにならないのはなぜ?」とお悩みではありませんか?
ピコレーザーを受けにクリニックへ行くと、レーザー照射後は数日でかさぶたができると医師や看護師から説明を受けます。にもかかわらず、数日経過してもかさぶたができないと、本当に効果が出るのかと不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ピコレーザーでかさぶたにならない理由と、かさぶたにならなかった場合の対処法をご紹介します。ピコレーザーを検討している方や、施術を受けたもののかさぶたにならなかった方は、ぜひ参考になさってください。
目次
ピコレーザーでかさぶたにならない理由
そもそも、ピコレーザーの施術後にかさぶたができるのは、レーザーを照射することでお肌が軽いやけどをした状態になるからです。
ただし、すべてのケースでかさぶたができるわけではなく、失敗しているわけでもありません。ここでは、ピコレーザーでかさぶたにならない理由として考えられるものを5つご紹介します。
照射モードがかさぶたにならない種類だった
ピコレーザーには、以下の3種類の照射モードがあるのをご存知ですか?
- 濃いシミやそばかすをピンポイントで改善する「ピコスポット」
- 薄いシミやそばかす、肝斑などを改善する「ピコトーニング」
- ニキビ跡や毛穴の開き、シワなど肌質を改善する「ピコフラクショナル」
ピコレーザーは、従来のレーザー治療と比べてかさぶたができにくく、できたとしても目立ちにくいのが特徴です。とくに、薄いシミや肝斑の治療に用いられるピコトーニングを受けた場合は、かさぶたができないことも多いです。
同じシミ取り治療でも、ピコレーザーの照射モードによってはかさぶたができない可能性もあるため、心配しすぎないようにしましょう。
出力が弱すぎた
ピコレーザーとは、1兆分の1秒という非常に早いスピードでレーザーを照射できるレーザー治療器のことで、いくつかの種類があります。
そのため、クリニックによって導入しているマシンが異なるのですが、出力が弱いマシンを導入している場合はかさぶたが形成されない可能性も。そのような場合、シミに対するレーザーの威力が弱く、メラニン色素を破壊しきれません。つまり、シミが消えないということです。
また、ピコレーザーは照射直後患部が白くなる現象が起き、これがシミの組織を破壊できたサインになります。しかし、出力が適切ではなくサインを確認できないまま治療を終えてしまうと、シミの組織を破壊できず、かさぶたにもならない可能性もあるでしょう。
出力が強すぎた
濃くはっきりとしたシミにピコレーザーを照射した場合、レーザーの反応が過剰になってしまい、レーザーを照射すると同時にシミの組織が消えてなくなったり飛び散ったりして、かさぶたにならないことがあります。
そのような場合、シミはレーザーを照射した時点ですでに破壊されているので、シミが残ってしまうことはありません。ただし、お肌へのダメージが強いため、色素沈着が起こる可能性がある点に注意が必要です。
濃いシミに対する治療では、ピコレーザーのマシンの種類によっては、最低出力で治療を行った場合でも威力が強すぎる恐れがあります。色素沈着を避けたいのであれば、出力を幅広く設定できるマシンを選びましょう。
かさぶたができない種類のシミだった
シミの種類によっては、レーザーを照射してもかさぶたができない場合もありますが、心配しなくても大丈夫です。
以下のような場合は、ピコレーザーを照射してもかさぶたになりません。
- 太田母斑
- 異所性蒙古斑
- 扁平母斑
- 真皮メラノーシス(ADM)
- 刺青
- 薄いシミ
- 濃いシミ
ひと口にシミといっても、さまざまな種類があります。
ピコレーザーを照射してかさぶたになるのは、レーザーによって破壊されたメラニン色素が排出されるからです。そのため、皮膚の表面ではなく深い部分にできているシミにレーザーを照射しても、かさぶたができないことがあります。
かさぶたにならなくても、皮膚の深い部分にしっかりとレーザーが届いているので、シミは徐々に改善されていくでしょう。
思っていたかさぶたと見た目が違う
かさぶたというと少し厚みがあって乾燥した、すり傷が治っていくときのようなものを思い浮かべる方がほとんどです。それは、傷口から出た浸出液が固まり、皮膚が再生するのを助けるために保護するためのかさぶたで、医学用語では「痂皮(かひ)」と呼ばれます。
ピコレーザーを照射したときにできるのは、薄い茶色の膜が張っているようだったり、細かく点状に色が変化したり黒っぽくなったりなど、すり傷が治っていくときにできるような厚みのあるかさぶたではありません。
しかし見た目は違っても、浸出液が固まって皮膚を保護していることに変わりないため、同じように医学用語で痂皮、つまりかさぶたと呼ばれているのです。
ピコレーザーでかさぶたにならなかったときの対処法
出力の弱すぎる照射やシミの種類など、さまざまな理由でピコレーザー後の患部がかさぶたにならないこともあります。そのような場合、十分な効果が得られるのか心配になってしまいますが、そのまま焦らず様子をみていれば、1ヶ月ほどでシミがなくなっていくことがほとんどです。
とはいえ、まれにシミが改善されなかったり、逆に濃くなってしまったりすることもあるため、ピコレーザーでかさぶたにならなかったときの対処法を知っておきましょう。
アフターケアを丁寧に行う
ピコレーザーの施術後は、かさぶたの有無にかかわらずアフターケアを丁寧に行うことが非常に重要です。以下は、ピコレーザー後のアフターケアの注意点です。
- クレンジングや洗顔はこすらず丁寧に行う
- スクラブ入りの洗顔料は使わない
- 保湿力の高い化粧水と乳液でたっぷり保湿する
- 日焼け止めや帽子、日傘を使用するなど紫外線対策をする
洗顔やスキンケアは普段よりも丁寧に行い、外出時はもちろん家の中でも紫外線対策を徹底すると、炎症後色素沈着が生じにくく、よりピコレーザーの効果を得やすくなります。
自宅でのセルフケアだけでは不安なときは、ピコレーザーの施術を受けたクリニックへ相談し、医療機関専売品のコスメや飲む日焼け止めを利用したり、内服外用薬を処方してもらったりするとよいでしょう。
おすすめの医療機関専売品コスメや飲む日焼け止め、内服外用薬については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、それぞれ参考になさってください。
→飲む日焼け止め「ヘリオケア」の効果とは?よくある質問も紹介
→出来てしまったシミに効く薬とは?内服薬と外用薬、併用がオススメの施術も紹介
経過をみて再度治療を行う
上記でご紹介したように、シミの種類によってはピコレーザーの施術後にかさぶたができません。そのような場合、通常はかさぶたができたときと同じように時間の経過とともにシミは無くなっていきます。
しかし、もともとのシミの状態や患者さんの体質などで目立たなくなるまでに時間を要することもあるため、1〜3ヶ月ほど経過をみて、再度治療を行う場合があります。
中には、5〜8回ほど治療を行わなければならないケースもあるので、担当の医師とよく相談しながら納得のいく治療を受けるようにしましょう。
ちなみに、シミの種類によっては健康保険の適用となります。たとえば、太田母斑や異所性蒙古斑は5回まで、扁平母斑は2回までで、いずれも3ヶ月以上間隔をおいて治療をした場合に限られるなど条件があります。
まずは施術を検討しているクリニックで相談し、保険の適用について尋ねてみるとよいでしょう。
照射モードを変えて繰り返し治療を行う
痛みや色素沈着のリスクを考慮して、あえて出力を落として施術を行った場合は、かさぶたにならずシミも改善しきれない可能性があります。
医師個人やクリニックによって考え方は異なりますが、そのような場合は出力の弱い照射モードに変更し、シミがなくなるまで繰り返し治療を行うのもひとつの方法です。
たとえば、ピコスポットの出力を落として施術を行ってシミが残ってしまった場合は、ピコトーニングに切り替えて数回施術を受けるなど、柔軟に考えるようにしましょう。
まとめ
ピコレーザーでかさぶたにならない理由と、かさぶたにならなかった場合の対処法をご紹介しました。
そもそもシミは、1回の治療できれいになくならないケースがほとんどです。そのため、ピコレーザーでかさぶたにならなかったからといって失敗したわけではありませんし、すぐにシミが消えなかった場合も、決して失敗したとはいえません。
通常、シミ治療は数回にわたって行い、回数を重ねるごとにお肌がきれいになっていきます。今回ご紹介した対処法を参考に、ピコレーザーでシミやくすみのない美しいお肌を取り戻しましょう。