リベルサスの胃腸障害と上手に付き合う!副作用の受け止め方や乗り越え方をご紹介
経口投与という手軽さで食欲を抑える効果が得られるリベルサスは、昨今のメディカルダイエットの中でも注目を集めています。
しかし、いざ利用しようと考えたとき、どのような内服薬やサプリであっても副作用が気になりませんか?
リベルサスを服用する際にも副作用がありますが、その中でも頻度が高いと言われているのが「胃腸障害」です。
希望する体重に至るまでの間、副作用として訪れるかもしれない胃腸障害の不安を少しでも軽くするために、副作用がなぜ起こるのか、どうすれば軽減できるか、本当に辛い時に試して欲しいことなどをご紹介します。
目次
リベルサスとはどんな薬?
外国では肥満症の治療薬として承認されているリベルサスについて、副作用の有無を交えてご紹介します。
本来は2型糖尿病の治療薬
リベルサスは本来、2型糖尿病の治療薬で、経口投与できる薬剤として2020年6月に国内でも承認された、食事制限や運動などで症状が改善しない患者さんのために処方される経口薬です。
食欲を抑えることで体重を減少させ、消化吸収を緩やかにする「胃排泄遅延」という効果により「腹持ちが良くなる」ので、血糖値のコントロールが可能になります。
脂肪分解を助け基礎代謝も上がるので、服用中は痩せやすい体質になりますが、あくまでも医師の処方が必要な薬ですので、ダイエット目的で使用する場合でも、クリニック等での受診と処方が必要です。
世界初の経口GLP-1受容体作動薬
糖尿病は、インスリンが正常に分泌されなかったり、働かなかったりする病気です。
GLP-1とは「痩せホルモン」と呼ばれる、もともと私たちの体の中に存在している物質で、食事を摂ると小腸から分泌され、膵臓に対してインスリンを分泌するよう働きかけます。
リベルサスはこのGLP-1を外から補う薬で、主成分は「セマグルチド」です。
セマグルチドを経口薬にするためには胃で分解されないようにするという難しさがありましたが、SNAC(サルカプロザートナトリウム)という吸収促進剤を含有することでその課題を克服し、リべルサスという世界初の食欲を抑える経口薬になりました。
セマグルチドとSNACのどちらも、副作用として胃腸障害の頻度が高い薬なので、リベルサス服用時も同様の副作用が見られます。
しかしリベルサスには3mg・7mg・14mgの3種類があり、1日1錠という制約の元、最初は一番軽い3mgを4週間かけて服用します。
その後も4週間ごとに段階を上げていくという制約を守って服用することが決められているので、初めから用量の多い処方を受けて副作用が強く出てしまうことはほとんどないといえるでしょう。
リベルサスの効果について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→リベルサスの効果はいつから?確実に痩せるためにすべきことも紹介
→リベルサスってどのくらい痩せるの?結果を出すための正しい飲み方と注意点
リベルサスの副作用「胃腸障害」
リベルサスの服用については、胃の不快感や消化不良などの胃腸障害を感じる方が多いとされています。
具体的な症状や、少しでも軽減に繋がる方法、他の副作用などについてご紹介します。
リベルサスの副作用で頻度が高い「胃腸障害」
リベルサスだけではなく、どんな薬でも副作用があります。
リベルサスの副作用として頻度が高い胃腸障害は、下痢や便秘・腹痛、軽度の吐き気や嘔吐で、特に下痢や腹痛・吐き気は、5%以上の方が悩まされています。
飲み始めの時期と用量を増やした時に症状が出やすいですが、これは本来の効果が強く出過ぎているものと考えられています。
少なくとも1週間、長くても3週間ほど飲み続けることで、段々と身体が慣れていき、症状が消えてくるのが大半です。
「副作用が辛い…」そんなときの対処法
副作用があることを知っていて、飲み続ければそのうち治まることが分かっていたとしても、ただそれに黙って耐えるのは、軽度といえど辛いことです。
リベルサスが引き起こす胃腸障害について、少しでも症状が軽減できると思われる対処法をご紹介します。
薬の副作用であることと、その方の体質や体調などの関係もあり、効果がない場合もあるかもしれませんが、辛い時はぜひ試してみてください。
下痢・腹痛
腹痛の時は、衣類やベルトなど、身体を締め付けているものを緩めた方がいいということは、一般的に知られていると思います。
横になる場合は膝を曲げてなるべく腹壁の緊張を緩めると、余計な腹圧を掛けずに済むので、効果があるかもしれません。
左側を下にすることで、消化系の臓器である胃や膵臓への負担を軽くすると、消化が促進されるといわれていますが、リベルサスには消化を緩やかにするという薬効があるので、あまり期待はできないかもしれません。
それでも飲み始めの時期は身体が慣れるまで、おかゆや汁物、すり下ろしたりんごや脂肪分の少ないタンパク質など、風邪を引いた時のような内容の食事で、胃腸に負担をかけないようにしてみましょう。
そして下痢に関しては、繰り返すと脱水症状が心配されますので、服用後30分(できれば2時間)以降の時間帯で、水分を多めに摂るようにしましょう。
吐き気や嘔吐
リベルサスには、食べ物の消化を遅らせ胃に長時間留める効果があり、副作用として吐き気や嘔吐を感じる方も多くいらっしゃいます。
腹痛の時と同様、左側を下にするような対策は効かないかもしれませんが、膝を曲げ横になることで多少楽になるでしょう。
他にも、清涼感のあるペパーミントを含む飲み物や、ショウガ紅茶などは、胸やけや胃もたれに効果があるとされています。
冷たい水でうがいをしたり、呼吸を深くしたり、頭を冷やすのも効果的ですが、逆にカフェインなどの刺激物は避けるようにしましょう。
嘔吐する場合は下痢と同様、繰り返すと栄養不足や脱水症状を引き起こしてしまいますので、吐き気が治まるタイミングがある場合は、その隙に水分を摂るようにしながら、医師に相談しましょう。
他にもある!リベルサスの副作用
リベルサスの副作用は胃腸障害の他にも、比較的軽微なもので、以下のような症状があります。
- 神経系障害……頭痛、めまい、味覚異常
- 糖尿病網膜症
- 全身障害……倦怠感、脱力感
ここにあるもの以外にも人によって違う症状もあり、稀ではありますが重篤とされている副作用もあるので、以下にご紹介します。
低血糖
リベルサスは空腹時には作用せず、食事を摂るなどして血糖値が上がるとインスリンの分泌を促進するので、低血糖は起こしにくいとされていますが、以下のような低血糖の症状がある場合は注意が必要です。
- 冷や汗・顔が青ざめる
- 激しい空腹感や倦怠感
- 手足の震え
- 視覚異常
ブドウ糖を原材料としたラムネなどを摂ると、応急処置になるのでおすすめですが、以上のような症状が強く現れた場合は医師への相談が必要です。
急性膵炎
リベルサスは膵臓に働きかけて効果を得る薬ですので、膵臓に過度の負担がかかると急性膵炎になる場合が稀にあります。
激しい腹痛が続いて嘔吐を繰り返したり、背中が痛いなどの症状がある場合は、リベルサスの服用を中止し、すぐに担当の医師に相談してください。
リベルサスの使用に注意が必要な方・使用できない方
リベルサスは、使用に注意が必要な方と、飲んではいけない方がいます。
【リベルサスの使用に注意が必要な方】
- 膵炎・重度の胃腸障害がある
- 脳下垂体や副腎機能が不全である
- 栄養不良状態・衰弱している・激しい筋トレや過度なアルコール摂取などで、低血糖を起こす恐れがある状態
- 胃を摘出している
- 妊娠予定、または妊娠している、授乳中
- 小児・高齢者
【リベルサスの使用ができない方】
- リベルサスに対して過敏症の既往歴がある
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡・前昏睡、1型糖尿病
- 重症感染症や手術などの緊急の対処が必要
特に使用ができない方に関しては、リベルサスの禁忌とされているので、自己判断で服用することは絶対に避けましょう。
リベルサスの副作用について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
→リベルサスは低血糖の危険性がある?重大な副作用や避けるべきことなどを紹介
医師の指示のもと、正しい服用を
薬の副作用は、必ずしも全ての人に現れるわけではなく、逆に副作用がないからといって薬が効いていないというわけでもありません。
正しい服用を守り、副作用と上手に付き合って、納得できる結果を出すために、以下のことに注意しましょう。
リベルサスには正しい飲み方がある
リベルサスは特に、飲食した物との組み合わせで作用を阻害されるなど、副作用を招きやすい薬です。
リベルサスを飲むときの水の量は約120ml、ヤクルト約2本分程度と、少なめに決められています。
服用する時の水が多すぎると効き目に影響し、ジュースやお酒など水以外で飲んだり、服用後最低でも30分、時間をおかなければならない時間内に何かを胃に入れたりした場合も、効果が発揮されない場合があります。
薬やサプリとの飲み合わせなどについても、受診の際にお薬手帳を見せたり申告したりするなどして、前もって医師に伝えておきましょう。
副作用があったらまず医師に相談を
副作用がある場合、勝手に服用を止めると効果が失われる場合もあるので、例え軽微でもまずは医師に相談しましょう。
我慢するべき副作用なのか、もしかしてアレルギーなのか、薬の調整で解決できるのかなど、医師の判断を仰ぎましょう。
嘔吐を伴う激しい腹痛症状が出る急性膵炎の場合は服用を中止してすみやかに受診します。
正規ルートで入手する
副作用を医師に相談しながら安全にリベルサスを服用する為には、正規ルートである医療機関やクリニックでの処方が必須です。
粗悪品や偽物を服用した場合、副作用なのか薬害なのかは、医師にも判断がつかないかもしれません。
健康被害を受ける危険性を避けるため、個人輸入や個人購入などでリベルサスを入手するのは避けましょう。
まとめ
リベルサスの副作用として頻度が高い胃腸障害との付き合い方、他にも気を付けたい副作用など、服用中の体調について誰もが気になる部分について解説・ご紹介しました。
痩せたいという願望を叶えるのも、美しさを得るのも、まずは健康が土台になければいけません。
副作用を少しでも軽減するためにも、正しい入手方法と服用方法、そして信頼できるクリニックを選びましょう。