ハイフで癌になるって本当なの?メリット・デメリットと一緒に紹介!
ハイフはリフトアップや脂肪溶解などに効果があるとされています。
ハイフに興味を持ち調べていく中で、ハイフで癌になるといった内容を見聞きした方もいるのではないでしょうか。
今回はハイフの施術に興味を持ったり施術を検討していたりする方に向け、ハイフで癌になるというウワサの真偽や、ハイフのメリット・デメリットについて紹介していきます。
ウワサの真偽を確かめ、施術を受けるかどうかの判断材料にしてください。
そもそもハイフとは
ハイフ(HIFU)とは、一点に集中させた超音波を施術部位にピンポイントで照射し、たるみの改善やリフトアップを目指す美容医療の施術の一種です。
ハイフ(HIF)の正式名称は、「High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波治療法)」といい、頭文字を取ってハイフ(HIFU)と呼ばれています。
ハイフは、肌の表面にはダメージを与えずに肌の内部にある真皮層や脂肪層、筋膜などに熱エネルギーを届けられる点が大きな特徴です。
熱エネルギー(65~70℃程度)によるダメージを受けた肌内部の組織は、創傷治療の過程でコラーゲンの生成が促進され、肌の深い部分からのリフトアップ効果が得られます。
ハイフは保険適用外の自由診療です。そのため、費用相場はクリニックによって違いがあり、使用する機種やショット数によっても差が生じます。
大まかな目安としては、顔の一部で5~10万円、顔全体で10~30万円程度です。
【関連記事】
⇒ハイフの効果や持続期間、効果を高める方法を解説!他施術との併用症例も紹介
⇒ウルセラとサーマクールでたるみ改善!他施術との違いや併用症例を紹介
ハイフは癌になる可能性が高いって本当なの?
ハイフについてネットで調べると、「ハイフを受けると将来的に癌になりやすい」や「ハイフを何度も受けると癌になる」といった口コミを目にするでしょう。
しかし、ハイフ治療を紹介するサイトなどではリスク・副作用に癌のリスクに関する記載はありません。
実際、癌になるのは本当なのでしょうか。
ハイフが癌の原因になる科学的な根拠はない
結論として、現時点でハイフが癌の原因となる科学的な根拠や因果関係はないとされています。
なぜなら、日本国内においてハイフによる癌の発症事例はなく、ハイフが皮膚や臓器・器官に影響を与えるものではないとされているからです。
ハイフは施術として皮膚にあてますが、発せられる熱エネルギーそのものは皮下組織や筋膜に直接照射されるため、照射部位以外への影響はありません。
ウルセラ治療も同様に癌の原因とは言い難い
ハイフで癌になると言われるようになった原因の1つに、ウルセラ治療を受けた方が舌癌になったというウワサがあるからです。
ですが、こちらもウルセラが直接的に癌の原因になることは認められておらず、元々舌癌だった方がウルセラを受けたからではないかとされています。
憶測だけが独り歩きし、ウワサとして広まってしまった形です。
【関連記事】
⇒ウルセラと他のHIFU機器の3つの違いと施術を受ける際の注意点を紹介
ハイフの技術はもともと癌治療のために開発された
ハイフの歴史は長く、医療現場では1940年ごろからハイフ機器自体が登場し活用されています。
医療現場で用いられていたハイフが美容医療に用いられるようになったのは、21世紀以降です。
1999年以降には癌の治療にも用いられています。
現在、美容医療として受けられているハイフ技術は癌治療に用いられる技術を応用したものです。
ハイフ機器の仕組みそのものは、美容治療・癌治療で違いはありません。
ハイフが癌の治療になる2つの事例
ハイフ機器は、美容医療だけでなく癌の治療にも用いられ、命を救う場面でも活躍しています。
ここでは、ハイフが癌の治療に用いられる事例を2つ紹介します。
①前立腺癌の治療
ハイフが癌の治療に用いられるようになったのは、1999年ごろからです。
一般的に、前立腺癌の治療では、癌が残らないよう前立腺全体を焼きます。
処置の手段として、皮膚表面に影響を与えないハイフであれば、手術による身体への負担軽減が可能です。
負担の軽さを実現しつつ、治療成績は開腹手術と同等程度が確立されています。
さらに、ハイフ施術であれば万が一癌が再発した際にも繰り返しの治療が可能です。
放射線治療の場合は被ばくのリスクがありますが、超音波を利用するハイフの場合は、影響を気にする必要はありません。
ハイフは美の追求だけでなく、身体への負担の軽さから前立腺癌の治療としても活躍しています。
②膵癌の治療
膵癌は膵臓にできる癌で、2020年には癌の死亡者数4位を記録しています。
罹患者は年々増加していて、30年前と比較すると10倍以上です。
膵臓がんは切除が難しいものが多く、日本人の命を脅かす疾患だといえるでしょう。
2008年から化学療法とハイフ療法を併用した膵癌治療が始まりました。
ハイフ治療を併用した治療は、化学療法単独よりも平均生存期間の延長効果が認められています。
また、膵癌のハイフ治療は治療効果の高さだけでなく、患者にかかる負担の軽さも特徴です。
痛みをほぼ感じないため、ハイフ治療は麻酔などを使用せず行われ、施術時間も30分~1時間程度と短くて済みます。
ハイフの副作用
ハイフで癌になる可能性はほとんどありませんが、副作用・リスクがある点には注意が必要です。
誰にでも生じるわけではなく、稀に発生する可能性があるものとして捉えておくようにしましょう。
不安な方は事前のカウンセリングの際に副作用・リスクについてしっかりと確認するようにしてください。
①やけど、水ぶくれ
通常のハイフ治療ではやけどや水ぶくれが出現する可能性は非常に低いです。
しかし、骨に近い部位に施術をした場合には、発生する可能性が高くなる点を認識しておきましょう。
やけど、水ぶくれの原因は出力の上げすぎや施術者の技術力不足などさまざまです。
やけど、水ぶくれが出現した際には、外用薬を塗布し患部を保護すれば徐々に皮膚は再生しますが、傷跡が残るリスクは捨てきれません。
②神経損傷
神経損傷は、ハイフ治療の中で最も危険な副作用です。原因としては、超音波の発する熱エネルギーによって神経を損傷してしまうことが考えられます。
神経を損傷すると、見た目には変化がなくとも、しびれや違和感といった症状が感じられます。
顔には多数の神経が通っていることから、ハイフ施術には専門的な知識・技術が欠かせません。
神経損傷は照射部位の誤りなどによって引き起こされるため、どこで施術を受けるかが非常に重要です。
③脂肪の収縮
ハイフの超音波が皮下組織に影響を与えると、脂肪の収縮が引き起こされる危険性があります。
事例として起きてはいませんが、理論上は起きる可能性があるため注意しておきましょう。
皮膚が薄い人や脂肪が少ない人は、ハイフの熱エネルギーを受けやすいため注意が必要です。
ハイフのメリット
ハイフのメリットは大きく2つです。
肌の内部の幅広い部分へアプローチが可能
ハイフの最大のメリットは、ほかの美容医療機器ではアプローチできないSMAS筋膜に熱を加えられる点です。
SMAS筋膜だけでなく、ほかの美容医療機器でもアプローチ可能な脂肪層や真皮層にも、もちろん効果があります。
肌のハリを出したり、コラーゲンの生成による小じわの軽減ができたり、肌の引き締めができたりします。
肌へのダメージが少ない
ハイフ治療は、従来の治療法と比較して肌へのダメージが少ない点もメリットです。
肌へのダメージが大きい治療はダウンタイムが長期化したり、強い赤みや腫れ等の症状が出たりします。
ハイフ治療は、ダウンタイムがほとんど必要ないため、お休みが少ない人でも気軽に施術可能です。
ハイフのデメリット
ハイフのデメリットは大きく3つです。
治療後の肌トラブルに注意
ハイフ治療後は、熱の影響により肌のバリア機能が低下します。
肌のバリアが低下すると、普段なら問題にならない刺激も肌トラブルの原因となるため、治療後は保湿ケアやUVケアを入念に行いましょう。
また、紫外線を浴びると炎症が起きて色素沈着の原因になるばかりでなく、たるみの原因にもなりますので紫外線対策は万全にしておく必要があります。
施術当日は身体を温めない
身体が温まると血流が良くなり、炎症が強くなる可能性があります。
治療当日は身体を温めず、激しい運動などもしないようにしましょう。
赤みや腫れが起きる場合がある
ハイフ治療でも、まれに赤みや腫れが起きる場合があります。
これには個人差があるため、不安な方は事前のカウンセリングなどで相談し、しっかりとチェックしてもらいましょう。
まとめ
ハイフで癌になるウワサの真偽について解説しました。
ハイフを受けると癌になるというウワサに、化学的な根拠や因果関係は現状ではありません。
もともとハイフの歴史は医療機器として始まり、美容医療としての活用は近年になってからです。
また、近年では化学療法とハイフ治療を組み合わせた癌の治療などもあり、癌の原因ではなく癌の治療としてハイフが用いられています。
ただし、ハイフには副作用・リスクの可能性がまったくないわけではありません。
治療実績が豊富にあり、経験豊かな医師が在籍しているクリニックで受けるようにしましょう。