ピコレーザーの目の周りに対する効果とは?シミ・くすみ・クマ治療の流れと注意点
年齢を重ねるとまぶたや目元にシミやくすみができやすくなり、老けて見えることに悩む方も多いでしょう。
シミやくすみの原因にはさまざまなものがありますが、その一つが色素沈着です。色素沈着は、細胞内のメラニン色素が増え、表皮層に残ったままの状態を指します。
ピコレーザーは、メラニン色素を細かく砕く作用があり、シミの改善やニキビ跡などの色素沈着の治療に幅広く用いられています。
特徴的な性能は、他のレーザー治療機に比べて肌への刺激が小さいことです。目の周辺は皮膚が薄く、レーザー治療が難しい部分です。ピコレーザーの使用が適している箇所といえます。
この記事では、シミの改善に効果的なピコレーザーの仕組みや、目元に対する治療の流れについて解説します。
上まぶたのシミや、目の下のクマを治したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
目の周りのシミに対するピコレーザーの効果とは
ピコレーザーとは、1ピコ秒間に1回という非常に短いスパンで照射されるレーザーのことです。
細胞内のメラニン色素を減少させる効果に期待できるため、顔を中心としたシミやくすみの治療に用いられています。
1ピコ秒とは、1秒の1兆分の1のことです。従来のレーザー照射のタイミングと比較するとかなり短いスパンものとなっています。
照射時間が少なくなったことで、肌への負担を軽くすることが可能になっており、より強い出力でレーザーを使用できるのが特徴です。また、治療に必要な時間も10分程度と短時間になっています。
ピコレーザーの仕組み
ピコレーザーを照射することで、表皮層の肌細胞に存在するメラニン色素が粉砕されます。
通常の大きさのメラニン色素は、老廃物を流すリンパ管に入りにくくなっています。そのため、代謝による肌細胞の生まれ変わりでは、スムーズに排出することができません。
しかし、メラニン色素を細かくすることで、体内の異物を食べて排除するマクロファージという細胞が反応しやすくなります。マクロファージに食べられたメラニン色素は、細胞の代謝とともに輸送され、リンパ管を通った後に排出されます。
ピコレーザーは、そのままでは掃除しきれないメラニン色素を細かくして、自然に量を減らしていくことを目指す治療方法です。
目の周りに使用されるピコレーザーの種類
ピコレーザーは肌への刺激が軽減されているため、目元やまぶたのような皮膚が薄い場所にも使用できることがメリットです。
色素沈着が原因とされるクマやまぶたのシミなどの症状に対して用いられています。
一般的なクリニックでは、照射方法が異なる3種類のピコレーザーが使用されており、目の周辺に使用されるピコレーザーは「ピコトーニング」という最も出力の弱いものです。
他には、レーザーとともに衝撃波を加えてメラニン色素を細かくする「ピコスポット」や、密度の高いレーザーを照射し、真皮層でコラーゲンの生成を促す「ピコフラクショナル」があります。
ピコレーザーの種類については、以下の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
→そばかすを消す方法はある?種類や原因・治療方法も解説
→ピコスポット照射後いつから化粧できる?ダウンタイムやアフターケアについて解説
→ピコトーニングとピコフラクショナル は同時に受けられる?併用すると良い治療方法も解説!
目元のシミやクマ改善のための治療回数の目安
シミやくすみを改善するための治療回数の目安は、2週間に1回のペースで合計5~6回程度です。
ピコレーザーは、メラニンを細かく砕いて排出しやすくする治療法であり、術後すぐにシミが薄くなるといった効果が出るわけではありません。そのため、何度かピコレーザーによる治療を繰り返し、徐々にシミを目立たなくしていくことが重要です。
他のレーザー治療に比べて、1回の治療から2回目までの間隔が短く、比較的短期間で施術が完了します。
1回の治療で効果を実感できなくても、2回目、3回目と繰り返すことで、少しずつシミの状態の変化を体験しやすくなります。クリニックの医師と相談しながら、自分のペースで継続して治療していくことが望まれます。
目元のピコレーザーの治療の流れ
目元のピコレーザーの治療を受ける際、どのような施術の流れになるのかを詳しく紹介します。
診断
施術前には、事前に医師の診断やカウンセリングを受ける必要があります。
ピコレーザーは、色素沈着が原因のシミやくすみの治療に適していますが、血行不良が原因のクマには対応できません。
従って、クマやくすみの状態を診察し、原因が色素沈着であるかどうかを確認する必要があります。ピコレーザーを適用できると判断された場合のみ治療が行われるため、医師が無理に使用を勧めることはありません。
クレンジングなど
レーザー照射の前に、メイクを落として肌をきれいな状態にします。
クリニックにクレンジングできる場所が用意されていることもありますが、なるべくノーメイクで受診しましょう。
コンタクトレンズを装着している方は、一度外さなくてはいけません。そのため、洗浄液やケースを持参しましょう。
ピーリング
ピコレーザーの光は、黒い色に反応します。そのため、産毛をピーリングする必要があります。
目元のピーリングを行うことでレーザー照射の効率が高まり、シミの改善につながりやすくなります。
レーザー照射
レーザーから目を守るためのパットを装着した後、シミやクマに向かってピコレーザーを照射します。
ピコレーザーの治療に要する時間は、一般的に10分程度です。
医療用コンタクトで眼球を保護する方法もあり、クリニックによって異なっています。
クーリング
治療後は、肌を休めるために冷たいタオルなどで患部を冷やします。
ピコレーザーは低刺激のレーザーですが、患部に赤みや痛みが多少なりとも発生するため、クーリングが必要な処置になります。
目の周辺へのピコレーザーの注意点
ピコレーザーは色素沈着を解消する治療法のため、血行不良や皮膚のたるみが原因のクマやくすみの治療には対処できません。
たるみによってクマができるのは、目元の筋肉やコラーゲンの減少によって眼窩脂肪が前に張り出してくるからです。そのような状態でクマを改善するには、目元を切開して余分な脂肪を除去する方法が適しているといわれています。
他にも副作用やダウンタイムに関する注意点もあるため、詳しく説明していきます。
ピコレーザーによる副作用のリスク
ピコレーザーを照射した後、治療後患部が赤くなったりヒリヒリしたり、まれに熱傷するなどの副作用が現れることがあります。また、肌が一部分だけ白っぽくなる色素脱失という症状がみられることもあります。
他のレーザーを用いた美容治療にも、副作用のリスクはあります。しかし、レーザーとは熱による刺激を肌に与えてトラブルの解消を目指すものであり、わずかでも肌に影響が出てしまうものです。
ピコレーザーの照射時間は非常に短いため、副作用が現れたとしても数日以内で改善することがほとんどです。もしも、1週間以上経っても赤みや痛みが治まらないときは、すぐにクリニックに相談してください。
ピコレーザーの副作用を防ぐには
ピコレーザーによる治療後にしっかりクーリングすることで、患部の赤みを抑えたり痛みを緩和したりする効果に期待できます。
皮膚を保護するバリア機能には、水分が欠かせません。保湿化粧水やパックを使い、食事や飲み物でも意識して水分をとるようにしてください。
肌の特徴は人によって異なるため、保湿や水分補給で必ず副作用を防げるとは言い切れません。不安な方は、事前の診察の際に自分の肌の状態や、過去の疾患の治療歴などを担当医師に相談してみてください。
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まとめ
この記事では、目の周りのピコレーザーのしくみと治療の流れについて解説しました。
ピコレーザーは、色素沈着が原因であるシミ・くすみ・クマの改善に効果的であり、最も低刺激のピコトーニングを使用することで、肌への刺激も抑えることができます。
ただし、皮膚のたるみや血行不良によってできたクマの治療に関しては、ピコレーザー以外の治療が適しています。
施術時間が短いピコレーザーは、手軽に受けられる治療法であり、複数回施術を受けることでシミやクマを徐々に薄くしていくことが可能です。
目元のシミやくすみにより、老けて見えることにお悩みの方は、ピコレーザーによる治療をぜひ検討してみてください。