ほうれい線にボトックスは効果ある?リスクは?ヒアルロン酸との違いも比較
ボトックスは、シワの改善に効果があるとして人気の施術です。眉間や額、目尻など、年齢とともに深刻になるエイジングサインが気になる方は、一度は受けたことがあるのではないでしょうか。
ほうれい線も、加齢によって現れる代表的なエイジングサインのひとつです。笑っていないのにくっきりと目立ってしまう場合、美容クリニックでの治療を検討している方もいらっしゃるかもしれませんが、ボトックスではほうれい線を解消できない場合もあります。
この記事では、ボトックスのほうれい線への効果やリスクなどについてご紹介します。ほうれい線に対して効果があるとされるヒアルロン酸との違いも比較しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
ほうれい線にボトックスは効果ある?
ボトックスは、シワの治療や多汗症、肩こりの解消など、美容クリニックではさまざまな治療に使用される製剤です。当然、ほうれい線にもボトックスが効果的だと思われる方も多いかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。
ここでは、ほうれい線へのボトックスの効果やリスクについてご紹介します。
ボトックスとは
そもそも、ボトックスとはアメリカの医薬品メーカー・アラガン社が製造販売を行っている「ボトックスビスタ」というボツリヌストキシン製剤のことです。
現在、多くのメーカーからボツリヌストキシン製剤が販売されていますが、ボトックスは世界的なトップブランドであるため、ボツリヌストキシン製剤を用いる治療の代名詞となっています。
美容皮膚科や美容外科では、ボトックスを用いて以下のような治療を行っています。
- 表情ジワの改善
- エラ張りの改善
- 肩こりの改善
- ふくらはぎの痩身
- 多汗症やワキガの改善
ボトックスは、もともと顔面痙攣を治療する薬として開発されましたが、シワへの効果が確認されたため、表情ジワなどの治療にも使われるようになりました。一回の治療で数ヶ月は効果が続くので、定期的に注射を打てば、元に戻ってしまう心配もありません。
ボトックスの効果や副作用、効果持続期間などについては、こちらで詳しくご紹介しています。
→ボトックスの効果が持続する期間は?長持ちさせる5つのコツを紹介
ほうれい線へのボトックスの効果とは
ほうれい線はシワだと思われている方も多いですが、実はシワではなく口角が上がったときに生じる「溝」です。正式名称は「鼻唇溝(びしんこう)」といいます。
つまり、ほうれい線はシワではないため、ボトックスで消し去ることはできないのです。
ほうれい線が深くなる原因は、加齢による表情筋の衰えだけではありません。皮膚内のコラーゲンやエラスチンの減少によっても深くなります。それらの原因を改善する治療を受ける方が、より自然にほうれい線を解消できるでしょう。
ただし、ボトックスでもほうれい線が深くなるのを改善する効果が期待できるといえます。笑ったときにほうれい線が目立つ方や、笑ったときの表情が左右非対称な方は、ボトックスを注入することで、気になる症状を改善できる可能性があります。
また、笑ったときにできるほうれい線が現れにくくなるため、ほうれい線が定着するのを防ぐ効果も期待できるでしょう。
ボトックスでのほうれい線治療のリスク
上述の通り、ボトックスではほうれい線の改善は期待できません。そのため、基本的にほうれい線治療でボトックスが用いられることはありませんが、それには以下のようなリスクがあることも関係しています。
- 口元がうまく動かなくなる可能性がある
- たるみがひどくなりほうれい線も深くなる可能性がある
ほうれい線にボトックスを打つと、口元の筋肉がゆるんでうまく動かせなくなり、表情が不自然になる可能性があります。例えば、笑ったときに口角が持ち上がらなかったり、おちょぼ口のような状態になったりすることもあるようです。
また、頬のたるみによってほうれい線ができている場合、ボトックスを打つことで頬の筋肉がゆるんで余計にたるみ、ほうれい線が深くなってしまう可能性もあります。
ほうれい線にはボトックスとヒアルロン酸のどちらがおすすめ?
ほうれい線はシワではなく溝なので、それを埋められるヒアルロン酸注射がおすすめです。笑ったときにできる表情ジワであれば、表情筋をゆるめてシワを改善するボトックスが有効ですが、自己判断が難しい場合もあるので、医師にきちんと診てもらうようにしましょう。
ここでは、ボトックスとヒアルロン酸注射の違いを比較していきます。
それぞれに適したシワがある
どちらもシワ治療の定番であるボトックスとヒアルロン酸。両者はシワの改善だけでなく、小顔効果やフェイスラインの形成、リフトアップやアンチエイジングなどさまざまな効果が期待できる製剤です。
以下は、それぞれの製剤に適したシワの例です。
ヒアルロン酸 | ボトックス |
額のシワ | 額のシワ |
ほうれい線 | 眉間のシワ |
ゴルゴライン | 鼻根のシワ |
マリオネットライン | あごの梅干しジワ |
ヒアルロン酸注射は、ヒアルロン酸製剤を直接皮膚へ注入することで、シワやたるみを治療できます。骨の代わりを果たせるほど硬い製剤もあれば、脂肪のような柔らかな製剤もあるため、症状によってヒアルロン酸を使い分けることで、ほうれい線を目立たなくできるのです。
また、ヒアルロン酸を注入すると、皮膚のへこみをふっくらと持ち上げるので、施術直後から効果を実感できます。
ヒアルロン酸注射について、詳しくはこちらでご紹介しています。
→ヒアルロン酸注射の効果とは?施術を受ける前に知っておきたい注意点も紹介
→ヒアルロン酸注射がオススメの方は?メリットやデメリットを紹介
一方のボトックスは、額にできた横ジワや眉間のシワなど、筋肉の過剰な動きに皮膚が追いつかないためにできてしまった表情ジワに有効です。筋肉の動きをゆるめる作用があり、筋肉と皮膚の動きのバランスを整えることができます。
ボトックスは、注入した数日後から効果を実感できる施術です。シワの場合は、3〜7日ほどが目安となります。
ほうれい線を目立たなくさせるには、ほうれい線ができる理由を知ることが重要です。ぜひこちらの記事も参考になさってください。
→ほうれい線は原因への早めの対処が重要!できる理由や目立たなくさせる方法を紹介
なお、ほうれい線に対するヒアルロン酸注射について、詳しくはこちらでご紹介しています。
→ほうれい線はヒアルロン酸で改善する?施術の特徴や向いている方・Q&Aを紹介
両方の治療を受けるという選択肢もある
ほうれい線治療には、ボトックスではなくヒアルロン酸注射が適していますが、どちらか片方だけを選ばなければいけないわけではありません。
ほうれい線の部分に表情ジワと溝による深いシワが混在している場合、ボトックスとヒアルロン酸注射を両方受けると効果的なケースもあります。どの治療を選ぶかは、医師とよく相談して納得してから決めるようにしましょう。
ほうれい線治療は信頼できる医師を選ぶことが重要
ほうれい線の治療方法にはさまざまな種類がありますが、失敗を防ぐためには技術力と専門性の高い信頼できる医師を選びましょう。ボトックスやヒアルロン酸注射は、患者さんそれぞれに適した製剤の選択や注入量、施術間隔の見極めが重要です。
ポイントは、形成外科出身であるかどうか、美容外科医としての勤務年数、症例数です。これらの情報はホームページで確認できますが、実際にカウンセリングを受けてみて、自分に合うかどうか見極めましょう。
また、クリニックによっても得意な治療や取り扱いのある製剤が異なります。製剤が違うと、効果の持続期間や料金なども変わってくるので、自分の希望に合った治療が受けられるよう、積極的に情報を収集しましょう。
美容皮膚科や美容外科クリニックで受けられる切らないほうれい線治療について、詳しくはこちらでご紹介しています。
→ほうれい線は早めの治療が大切!5つの切らない美容医療と選び方
まとめ
ボトックスのほうれい線への効果やリスクなどについてご紹介しました。
ほうれい線はシワではなく溝であるため、筋肉に作用してシワを改善するボトックスでは効果が得られない場合もあります。
ヒアルロン酸も、ボトックスと同じく注射によってシワを改善する治療です。ヒアルロン酸製剤で溝を埋めることで、頬との段差をなくせるので、ほうれい線に対してはヒアルロン酸の方が向いているといえるでしょう。
ほうれい線が気になっている方や、ボトックスを検討していた方は、本記事を参考にほうれい線のない若々しい肌を取り戻してくださいね。